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ジェネリックとは? [医学関連]

 ジェネリックという言葉があります。だいたい広まってきていると感じていますが、簡単に書いてみます。

 薬は先発品と後発品(ジェネリック)の二つに分けられます。以下のような感じです。

 DDと言う病気の治療薬として、秋元製薬がAKB48錠を開発したとします。これは様々な成分が含まれていますが、主な成分としてマユユキリンナトリウムという物質が入っています。この薬を開発するのには相当なお金がかかるためかと思いますが、しばらくはマユユキリンナトリウムという成分の薬は秋元製薬以外に発売が出来ません。

 しかし、一定の期間がたつと、その独占権はなくなり、申請してきちんとした製品だと認められれば、どの会社でも発売することが出来るようになります。これが後発品、ジェネリックです。これに対してAKB48錠は先発品と呼ばれます。独占権がなくなった途端、色々な会社からゾロゾロと発売されるようになるので、以前はゾロと言われていました。今もそう呼ぶ先生がいます。

 例えば、吉本製薬からNMB48錠とか、SME製薬からNogizaka46錠などが発売されます。これらの会社は開発費がかからないので、先発品よりも安い値段で発売出来ます。薬の効果は先発品とほ同じとされています。

 本当に効果が同じなのか?と言う疑問、そして印象を医師は持っているのですが、どうも違うようです

 ジェネリックを使う一番の利点は、医療費の抑制です。AKB48錠は1錠48円だったとします。1日1錠この薬を飲むとすると、30日で1440円必要ですが、NMB48錠は1錠20円だったとすれば、30日で600円で840円の医療費が節約できます。患者さんの自己負担も減りますし、医療保険が出すお金も減ります。先発品を作ったメーカーの収入は減るかも知れませんが、、、、、、

 もうひとつの利点は、病院の収入が増えることがあるためです。
 病院は薬価差益というもので収入を一部得ています。薬価というのは厚生労働省が決めているもので、頻繁に変更されているのですが、例えば、AKB48錠は1錠5点と決められています。通常の診療では1点は10円ですので、1錠につき50円の収入が病院に入ります。AKB48錠は1錠48円で売られていますので、病院には1錠当たり2円の収入が入ります。これが薬価差益です。
 しかし、Nogizaka46錠は薬価が46円で、1錠40円で売られていたとします。薬価差益は1錠あたり6円ですので、同じ成分の薬だったとしても、病院の利益は3倍になります。ジェネリックは薬価差益が大きいものが多いのです。

 そんな金儲けばかり!と思わないでください。病院は色々と制約の多い業種で、利益を出すのは大変なのです。料金は国に決められていますから、自費診療をするのでなければ(実際通常の病気の診療で自費診療をすることはまずないです)かかる費用を安くする以外に方法はないのです。機械化すると言っても、ほとんど不可能ですので人件費もかかります。材料費を安くする以外にあまり利益を上げる方法はないのです。対応できる患者さんの数も上限がありますので、商品を売りまくるのとはちょっと違います。

 ジェネリックは患者さんにも病院にも国にも優しい医療を助けてくれる薬だと考えていただければいいでしょうね。

 医学的にジェネリックを使うべきと言う理由を知らないのですが、どなたかご存じであれば教えてください。


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あいこ

なるほど・・・ジェネリックに対する気持ちが少し変わりました。小陣病院ですが、ジェネリックを使いたがらない先生もいますね。勉強になります。

by あいこ (2018-11-16 10:02) 

Kim

あいこさん、コメントありがとうございます。

FBで聞いたのですが、実際は先発品の方が薬価差益が大きいものも多いようです。日本でジェネリックが普及しない原因の一つかも知れません。

また、ゾロという時代の名残を引きずっているためか、医師やスタッフはジェネリックはあまり効かないとか、粗悪品が多いという間違ったイメージ(正しい場合もあるのでしょうが)を持っており、そう言う人が患者さんに処方するとノセボ効果と言うそうですが、本当に効く薬でも効かなくなったりするそうです。

色々裏事情があるのですね!

by Kim (2018-11-16 11:40) 

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