脂肪乳剤は何故ゆっくり投与しなければならないのか? [看護師さんへ]
看護師さんから質問されることがよくあります。質問して頂けるのは人気のバロメーターと考えておりますので、嬉しく思います。違ったらがっかりですけどね(^^)。よって看護師さんからの質問を時々記事にしていますが、看護師さん向けのカテゴリーがありませんでしたので作ってみました。少しずつ増やしていきます。「研修医教育」でも良いのですがね。
今回のテーマは脂肪乳剤です。真っ白な液体なので、患者さんから「これは牛乳じゃないんですよね」と言われることもあります。以前牛乳を点滴してしまい、事故が起こったことがありますから、それを知っている患者さんなのでしょう。現在は牛乳を点滴することは不可能(たぶん)ですのでご安心を。以前は点滴と経管栄養のチューブは容易に接続できるようになっていたのですが、現在は不可能になっています。
さて、患者さんに栄養を投与することはとても重要で、炭水化物、タンパク質、脂肪とバランス良く投与することが大切です。点滴であっても、脂肪をある程度の量投与することは常識となっています。私が研修医の頃はあまり普及していなかったと記憶していますが。
点滴は落とす速さを決めなければなりませんが、20%の脂肪乳剤を100ml投与する場合、6時間以上かけなさいとか言われます。100ml程度の少ない輸液を入れるのに、どうしてそんな時間をかけなければならないのでしょうか?
答えはこちらのページに書いてありますので是非ご覧ください。
リンクは消失してしまうこともありますので、簡単に書いておきます。
脂肪は血液中に入ると、脂肪を結合するタンパク質とくっつきます。肝臓はそのタンパク質とくっついた脂肪しか利用できません。よって、そのタンパク質が脂肪を結合する能力を超えて脂肪を投与すると遊離脂肪が増えて、それがあちこちに沈着して悪さをするそうです。よって、だいたい0.1g/kg/hぐらいの速度にするのが良いとされています。
例えれば、広いホールに椅子が並べてあり、入ってきた人は、一度椅子に座ってから外に出ることが出来ます。椅子の数より多くの人がたくさん入ってくれば、立っている人が増え、一度も座らずに出てくる人が増えると言う事です。一度も座っていないので、機嫌が悪いという感じでしょうか。
20%の脂肪乳剤100mlには20gの脂肪が入っていますので、体重50kgの人だと、投与速度は5g/時ぐらいです。よって、4時間以上かけるという事になります。遅めの方が良いのでしょうから、だいたい6時間とか8時間とかかけます。最近は24時間かけて他の成分と一緒に投与する製剤も出ていますよね。
100mlの点滴をそんなにゆっくり落とすのは大変かも知れませんが、患者さんのためですので、看護師さんよろしくお願いいたします。
今回のテーマは脂肪乳剤です。真っ白な液体なので、患者さんから「これは牛乳じゃないんですよね」と言われることもあります。以前牛乳を点滴してしまい、事故が起こったことがありますから、それを知っている患者さんなのでしょう。現在は牛乳を点滴することは不可能(たぶん)ですのでご安心を。以前は点滴と経管栄養のチューブは容易に接続できるようになっていたのですが、現在は不可能になっています。
さて、患者さんに栄養を投与することはとても重要で、炭水化物、タンパク質、脂肪とバランス良く投与することが大切です。点滴であっても、脂肪をある程度の量投与することは常識となっています。私が研修医の頃はあまり普及していなかったと記憶していますが。
点滴は落とす速さを決めなければなりませんが、20%の脂肪乳剤を100ml投与する場合、6時間以上かけなさいとか言われます。100ml程度の少ない輸液を入れるのに、どうしてそんな時間をかけなければならないのでしょうか?
答えはこちらのページに書いてありますので是非ご覧ください。
リンクは消失してしまうこともありますので、簡単に書いておきます。
脂肪は血液中に入ると、脂肪を結合するタンパク質とくっつきます。肝臓はそのタンパク質とくっついた脂肪しか利用できません。よって、そのタンパク質が脂肪を結合する能力を超えて脂肪を投与すると遊離脂肪が増えて、それがあちこちに沈着して悪さをするそうです。よって、だいたい0.1g/kg/hぐらいの速度にするのが良いとされています。
例えれば、広いホールに椅子が並べてあり、入ってきた人は、一度椅子に座ってから外に出ることが出来ます。椅子の数より多くの人がたくさん入ってくれば、立っている人が増え、一度も座らずに出てくる人が増えると言う事です。一度も座っていないので、機嫌が悪いという感じでしょうか。
20%の脂肪乳剤100mlには20gの脂肪が入っていますので、体重50kgの人だと、投与速度は5g/時ぐらいです。よって、4時間以上かけるという事になります。遅めの方が良いのでしょうから、だいたい6時間とか8時間とかかけます。最近は24時間かけて他の成分と一緒に投与する製剤も出ていますよね。
100mlの点滴をそんなにゆっくり落とすのは大変かも知れませんが、患者さんのためですので、看護師さんよろしくお願いいたします。
あっという間の一年でした。およそ一年前に、私はそれを点滴していました。何種類かの点滴の一つでした。透明な点滴、真っ赤な点滴、真っ白い点滴。看護師さんから脂肪とか、牛乳とか言われていました。思わず「私、脂肪なら蓄えているからいらないのに・・・」なんてつぶやいてみたりしてました。
ブログにも書いたことがあるのですが、点滴について思うことがあります。医師が指示書を出し、それにそって点滴を看護師がするわけですが、私の時の様に24時間何日も点滴の場合、遅れてずれていくわけです。年配看護師は、時間通りじゃなくても、脂肪は早く入れると痛くなる人もいるし、早く入れられないんです。という、新人看護師は、開始時間と点滴の減り具合を見て、早く終わるように調整する。患者の体の事を考えるのではなく、マニュアルに忠実です。しかし、無理をすると痛くなって針の差し直しなどもありました。点滴って看護師もできる比較的簡単な作業かもしれませんが、少しのことで患者の負担は減るように思います。
私は点滴の間は、眠れませんでした。点滴が終わると、血液が逆流します。看護師にとって慣れた作業でも患者は診ていていいものじゃなく、終わる少し前にナースコールします。看護師を早く呼びすぎるともう少し減ってからと言われ、ドキドキしてくらい部屋で点滴パックを見つめる夜が続きました。
たかが点滴、されど点滴、私は人生で点滴にいっぱい助けてもらっているけど、患者が安心できる点滴であってほしいなあと思いました。
by あいこ (2018-11-05 22:06)
あいこさん、コメントありがとうございます。
患者さんもそうですし、看護師さんも医師にコールする場合には、かなり遠慮して、考えての上でのコールだと思います。丁寧に対応させて戴きたいと考え直します!
点滴は簡単な処置ですが、命を救う重要なものです。色々計算してたり、考えてオーダーを入れています。安心して点滴を受けてください。
そして、何かあれば、スタッフに遠慮なく仰ってくださいね!
by Kim (2018-11-06 11:17)