局所麻酔をしても触っているのが分かるのは何故か? [医学関連]
救急外来では、怪我をした人に局所麻酔をする事がよくあります。麻酔薬を傷に直接注射してから処置を始めますが、よくあることで、患者さんが「先生!!麻酔効いてないですよ!」と言うことがあります。
患者さんは、傷を触っているのが分かるから、麻酔が効いていないというのです。患者さんは詳しいことを知りませんから仕方がないとして、医療者は理屈を知っておきましょう。
「痛みは麻酔されていても、触覚は麻酔されていないことがある」と言うことを。
理屈はそう難しくないです。いつもの通り簡単に書けば、3つです。
局所麻酔薬は、細くて無髄の神経から麻酔される。
痛みを伝える神経は細いが、触覚を伝える神経は太い。
よって、痛みは麻酔されていても、触覚は麻酔が効いていないことがある。
と言うことです。これが分かれば、脊椎麻酔を行った時に、足が最初温かくなり、その後感じなくなる理由や正座した時に足がしびれる順番も分かります。後者については明日また記事を書きます。
こちらのWikipediaをご覧ください。神経は生理学的に太い方からABCに分類され、Aは太い方からα、β、γ、δの4つに分類されます。AとBは有髄で、Cは無髄です。有髄というのは私も詳しくは知りませんが、電線をカバーするチューブがあるか、むき出しかどうかと言うことでしょう。
痛みと触覚に関して言えば、痛みはCとAδが伝達し、触覚はAβが伝達します。麻酔をすると、細くて無髄の線維から麻酔が効いてきます。よって、最初にC線維(遅い痛みを伝えます)、Aδ線維、、、Aα線維という順番で麻酔が効いてきます。濃度が低い時にはAβは麻酔が効かないかも知れません。
なので、患者さんに触っているのが分かりますけど、、、、、、、と言われたら、「麻酔はちゃんと効いています。気持ち悪いかも知れませんが、痛みは感じません。」とお話ししたら良いでしょう。ええっ!とびびって、麻酔薬を追加しても意味がないかも知れません。
間違えても麻酔薬を注射しすぎて局所麻酔薬中毒を作らないようにしましょう。リドカインなら、極量は7mg/kgと言われていますから、体重50kgの人であれば、350mg、1%キシロカイン35mlまでとされています。もっと少ない量でも発生することがあるので注意しましょう。
我々の世代では、ABCと言えば、こちらです。もう35年ぐらい前の歌でしょうか?
患者さんは、傷を触っているのが分かるから、麻酔が効いていないというのです。患者さんは詳しいことを知りませんから仕方がないとして、医療者は理屈を知っておきましょう。
「痛みは麻酔されていても、触覚は麻酔されていないことがある」と言うことを。
理屈はそう難しくないです。いつもの通り簡単に書けば、3つです。
局所麻酔薬は、細くて無髄の神経から麻酔される。
痛みを伝える神経は細いが、触覚を伝える神経は太い。
よって、痛みは麻酔されていても、触覚は麻酔が効いていないことがある。
と言うことです。これが分かれば、脊椎麻酔を行った時に、足が最初温かくなり、その後感じなくなる理由や正座した時に足がしびれる順番も分かります。後者については明日また記事を書きます。
こちらのWikipediaをご覧ください。神経は生理学的に太い方からABCに分類され、Aは太い方からα、β、γ、δの4つに分類されます。AとBは有髄で、Cは無髄です。有髄というのは私も詳しくは知りませんが、電線をカバーするチューブがあるか、むき出しかどうかと言うことでしょう。
痛みと触覚に関して言えば、痛みはCとAδが伝達し、触覚はAβが伝達します。麻酔をすると、細くて無髄の線維から麻酔が効いてきます。よって、最初にC線維(遅い痛みを伝えます)、Aδ線維、、、Aα線維という順番で麻酔が効いてきます。濃度が低い時にはAβは麻酔が効かないかも知れません。
なので、患者さんに触っているのが分かりますけど、、、、、、、と言われたら、「麻酔はちゃんと効いています。気持ち悪いかも知れませんが、痛みは感じません。」とお話ししたら良いでしょう。ええっ!とびびって、麻酔薬を追加しても意味がないかも知れません。
間違えても麻酔薬を注射しすぎて局所麻酔薬中毒を作らないようにしましょう。リドカインなら、極量は7mg/kgと言われていますから、体重50kgの人であれば、350mg、1%キシロカイン35mlまでとされています。もっと少ない量でも発生することがあるので注意しましょう。
我々の世代では、ABCと言えば、こちらです。もう35年ぐらい前の歌でしょうか?
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