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他科の先生を自分より下だと思わないように。 [研修医教育]

 研修を終えて専門の科のスタッフになった先生に注意です。

 例えば循環器内科医になったとします。あくまで例えです。

 毎日心電図を読み、カテーテルをし、患者さんと向き合い、どんどん循環器内科の知識を得ていきます。素晴らしいことです。

 そんな中、救急外来から、内科の先生から、外線で他院の先生から電話があります。胸痛を訴えている患者さんをお願いします、心電図に異常があるので診てもらえませんか?と。忙しい中大変ですが、あなたはきちんと対応します。

 胸痛が実は打撲だったとか、心電図に異常はなかったとしても、決して怒ってはいけません。患者さんは打撲をしたことを言わなかったのかも知れませんし、心電図が異常かどうかは専門じゃなければ分かりませんし、異常がないと言うのは非常に難しいです。あなたはそれが専門であり、毎日頑張っているから簡単に分かりますが、専門でない先生は分かりません。分からない患者さんを受け持つのはとても不安です。その気持ち、研修医の時に体験しませんでしたか?

 それから、もし一度でも、他科の先生に失礼な対応をしてしまうと、次からその先生はコンサルトをしづらくなります。そして、緊急カテが必要な患者さんがいたとしても、気軽に相談されませんから、不利益を被るのは患者さんです。場合によっては、重症化した患者さんを泊まり込みで診なければならなくなる自分も不利益を被るかもしれません。

 また、あなたが受け持っている患者さんが吐血をする事もあるでしょう。その時に消化器内科の先生が直ぐ来てくれなかったり、そんなのお前で診たら良いじゃないかと言われたらどう思いますか?

 医療はお互い様です。皆何らかの専門家であり、患者さんのために日々頑張っているのです。尊敬する気持ちを忘れないようにしましょう。

 そして、謙虚になりましょう。何でも出来ると思っているあなた、指導医からは、こいつなんも分かってないなと思われているかも知れませんよ。私は26年目の医者ですが、謙虚であること、医者として一番大切なことの一つだと思います。

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めめ

例え初歩的なミスでも、ただ叱り飛ばすのではなく、再発を防ぐために一緒に解決法を探ったり、データの見方を教えるなどでしょうか。
傲慢は恐いですからね。
by めめ (2018-01-21 00:46) 

Kim

めめさん、コメントありがとうございます。

仰るとおりですね。多くの若い先生は、わざと間違えるのではなく、知らなかっただけです。知らないというのは、ある意味仕方がないです。教えてあげるだけです。
同じ事を繰り替えす場合には、こちらも何か原因がある訳なので、それを解決して上げなければなりませんよね。

by Kim (2018-01-21 10:06) 

hebipaku

謙虚に対応したことは、
いずれ自分にプラスになって戻ってきますよね。
『情けは人の~』と同じです。
by hebipaku (2018-02-04 16:38) 

Kim

hebipakuさん、ご無沙汰しています。コメントありがとうございます。

仰るとおりですね。謙虚こそが最も強い対応だと思いますが、なかなか出来ないのがダメですね。


by Kim (2018-02-05 08:15) 

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