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ガイドライン2015ではステロイド投与が必須になるかもしれません、、、、 [CPRの基礎]

 こちらの論文を紹介します。英語の得意な人は是非リンク先を読んでください。それで終わりです(^^)。

 普通の日本人の方は、以下をご覧ください。私の下手な訳ですから詳細は信用しないでくださいね。



バソプレッシン、ステロイド、アドレナリンの投与と院内心停止後の神経学的に良好な生存率との関係に関する研究

重要性(Importance)
 心停止の患者に対して、バソプレッシンとステロイド、アドレナリンを投与すると、自己心拍再開と退院生存率が改善することが予備研究で確かめられている。

研究の目的
 血管収縮薬を必要とするような心停止患者において、心肺蘇生中のバソプレッシンとアドレナリンの投与と、心肺蘇生中、心肺蘇生後のステロイド投与により退院生存率が改善するかどうかを検討する。退院生存率は、Cerebral Performance Category (CPC) スコアが1か2点とした。

研究方法
 無作為、二重盲検のparallel-group研究を2008年9月1日から2010年10月1日まで行った。ギリシャの2400床の三次医療センターにおいて、268人の心停止患者で、蘇生ガイドラインに従いアドレナリンが必要な患者を対象とした(研究候補として364人が対象となった)。

介入
 患者を次の2群に無作為に分けた。VSE群はバソプレッシン20単位とアドレナリン1mgをガイドラインに従い投与した。コントロール群は、バソプレッシンの代わりに生理食塩水を投与した。これは最初の5分だけで、後は必要に応じてアドレナリンを追加した。無作為後の最初の心肺蘇生のサイクル中に、VSE群はメチルプレドニゾロン40mg、コントロール群は生理食塩水をプラセボとして投与した。蘇生後のショック状態はハイドロコルチゾン300mgを最大7日間投与で治療し、その後減量投与した。VSE群は76人で、コントロール群は73人であった。

主アウトカム
 20分以上の自己心拍再開と退院生存率(CPCが1か2)。

結果
 全ての患者でフォローが行われた。VSE群の患者とコントロール群の患者では、自己心拍再開率は109/130(83.9%)に対し、91/138(65.9%)、オッズ比(OR)2.98(95%信頼区間1.39-6.40、P=0.005)であった。退院生存率は18/130(13.9%)に対し、7/138(5.1%)、OR3.28(95%信頼区間1.17-9.20、P=0.02)。蘇生後にショック状態になったVSE群の患者に対して、コントロール群では、退院生存率は、16/76(21.1%)対6/73(8.2%)OR3.74(95%信頼区間1.20-11.62、P=0.02)。循環動態、中心静脈酸素飽和度は改善し、臓器障害はVSE群の方が少なかった。副反応の発生率は2群間で差を認めなかった。

結論
 血管作動薬が必要な心停止患者において、バソプレッシン、アドレナリン、メチルプレドニゾロンを心肺蘇生時に、蘇生後のショックに対してハイドロコルチゾンを用いると、アドレナリンだけを用いるのに比較して、神経学的に良好な生存退院率を改善する。


 解説しよう!!

 原文ではアドレナリンがエピネフリン(epinephrine)になっています。バソプレッシン、ステロイド、アドレナリンでVSEと言うのはそこです。バソプレッシン、ステロイド、エピネフリンだからです。

 これはアドレナリンを日本人が最初に発見し、その後アメリカ人が先に発表したみたいなことからです。こちらをご覧ください。アメリカ人が発見した唯一の惑星である冥王星?が惑星から外される時に、アメリカがかなり反対したとか、、、と似ています。アメリカのガイドラインや教科書には今でもエピネフリンとあります。

 日本は、日本人の業績なのに、、、、、しばらく前まで、エピネフリンは薬剤、ホルモンはアドレナリンとか、色々言っていました。少し前に薬剤も全てアドレナリンに(日本薬局方という薬の法律?みたいな本でもそう変わりました)変わりました。
 ヨーロッパは昔からアドレナリンと言ってくれています。

 国を愛せと言うと戦争に繋がるような感じもしますが、日本人の業績はちゃんと記憶しておきたいですね。ビタミンを世界で初めて発見したのも日本人で、オリザニンと言うのは知っていましたか???病棟で必ず使うサーチ(パルスオキシメーター)も日本人が原理を考えたんですよ!




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