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アミオダロンはいつ打つの?今でしょう!! [医学関連]

 心肺蘇生時に、いつ打つのか色々と議論のある薬の一つがアミオダロンです。商品名はアンカロンです。

 救急蘇生法の指針2010のP.69には「副作用として、血圧低下、QT延長、徐脈、心不全、さらには間質性肺炎、甲状腺機能障害などが現れることがあるので、使用にあたっては循環器医へのコンサルトが望ましい」とあり、私も自分で使ったことはありません。

 日本で一番普及しているAHAのガイドラインには、「Amiodarone may be considered for VF or pulseless VT unresponsive to CPR, defibrillation, and a vasopressor therapy (Class IIb, LOE B).」とあります。心室細動か無脈性心室頻拍が、心肺蘇生、電気ショック、血管収縮薬に反応しない場合、アミオダロンを考慮しても良い(クラスIIb)と言う事です。

 AHAのガイドラインでは、2回目の電気ショックの後(1回目の電気ショックの効果は2回目の直前に判定、、、あるいは直前にしか分からない)に血管収縮薬を投与とあり、きっとその効果は、次の電気ショック、、、なので、3回目の電気ショック後(あるいはその直前)にアミオダロン投与となります(「考慮」という表現なので、しなくても、次の電気ショックまで待っても全然構いません)。

 101回目まで待って良いかどうかは、、、、、、分かりませんが(^^)。



 AHAと仲の悪いと言う噂のヨーロッパ蘇生協議会(ERC)はどうでしょうか?こちらのERCのガイドライン2010には以下の様にあります。いつもの様に格好いいから英語もコピペです(^^)。

Anti-arrhythmic drugs
 There is no evidence that giving any anti-arrhythmic drug routinely during human cardiac arrest increases survival to hospital discharge. In comparison with placebo 285 and lidocaine, 286 the use of amiodarone in shock-refractory VF improves the short-term outcome of survival to hospital admission. In these studies, the anti-arrhythmic therapy was given if VF/VT persisted after at least three shocks; however, these were delivered using the conventional three-stacked shocks strategy. There are no data on the use of amiodarone for shock-refractory VF/VT when single shocks are used. On the basis of expert consensus, if VF/VT persists after three shocks, give 300 mg amiodarone by bolus injection. A further dose of 150 mg may be given for recurrent or refractory VF/VT, followed by an infusion of 900 mg over 24 h. Lidocaine, 1 mg kg−1, may be used as an alternative if amiodarone is not available, but do not give lidocaine if amiodarone has been given already.

抗不整脈薬
 ヒトの心肺停止時に、抗不整脈薬をルーチン投与すると退院生存率が高まるというエビデンスはない。プラセボやリドカインと比較した場合、ショック抵抗性の心室細動に対してアミオダロンは短期のアウトカム(入院生存率)を改善する。これらの研究では、心室細動・無脈性心室頻拍(以下VF/VT)が少なくとも3回のショック後も続いている場合に抗不整脈薬が投与されている。つまり、古いガイドラインの3連続ショックの後である。単独のショックを用いた場合のショック抵抗性のVF/VTに対するアミオダロンのデータは存在しない。専門家の意見に基づき、VF/VTが3回のショック後も続いていれば、アミオダロンを300mgボーラス投与する。150mgの追加投与は、VF/VTが再発またはショック抵抗性の場合に行っても良い。その後900mgを24時間かけて持続投与する。アミオダロンが使えない場合には、代わりにリドカインを1mg/kg投与しても良いが、アミオダロンがすでに使用されていた場合には、リドカインを用いない。

 別のところには、アドレナリンも3回目のショック後と書かれており、ERCのAdvanced life supportと言うテキストにも、3回目のショック後にアドレナリンとアミオダロンを一緒に打てと書かれています。いきなり両方打つんですね!2005年のガイドラインでは、アトロピン3mgいっぺんに打てと書いてあったんですが、ERCは面白いですね。常にMAX!蘇生心って感じなんでしょうか、、、、たぶん。


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