試験問題の解答に困ったら [救急専門医試験]
以前(もう30年以上前)読んだ頭の体操という本に書いてありました。何冊もあるので、どれに書いてあったかは忘れましたが、大好きな本で、全巻持っていました。
入試の試験監督をしていた時に、あまりに暇だったので、試験問題を眺めていたら、内容を全く知らなくても解答が出来たというのです。試験問題を作る人は間違えさせようとしますから、同じような言葉や内容が出てくる物が答えだというのです。実際解いてみたらそうだったとのことです。
例えば、今年行われた救急科専門医の筆記試験を見てみましょう。専門用語とか全く分からなくても大丈夫です。一度ざっとご覧ください。
72歳の男性。呼吸困難を主訴に救急車で搬入された。1週前から咽頭痛と発熱を自覚。3日前から湿性咳嗽が出現した。自宅内での日常生活は可能だが、呼吸困難が出現したため、かかりつけの医院に向かおうとしたが、呼吸困難のため休み休みでなくては歩けなかったため、救急要請した。
既往歴と家族歴:特記すべきことはない。
現症:意識清明、体温38.6度、脈拍122/分・整、血圧78/40mmHg、呼吸数24/分、SpO2 87%(室内気)。口腔内と眼球は乾燥あり、Turgor低下。
問題32 quick SOFAスコアの組み合わせとして正しいのはどれか。1つ選べ。
意識レベル 呼吸数 収縮期血圧 quick SOFAスコア
(a) 1 1 1 3
(b) 0 1 1 2
(c) 0 0 1 1
(d) 1 1 0 2
(e) 0 1 0 1
問題の選択肢を見てください。答えは(b)なのですが、分かりやすいところから。
まず呼吸数を見ます。1となっているのが4つ、0は1つだけです。よって、まず(d)は不正解だと分かります。
同じように意識レベルは0、血圧は1が正解です。そうなるとドンピシャリ!答えは(b)になります。
受験生の皆さん、一度お試しあれ。
quick SOFAスコアは、救急医なら常識中の常識で、簡単な問題です。
しかし、実際に現場でやらなくても全然問題ありません。敗血症が疑われる患者さんに対してこのスコア用いるべきかどうかについてはかなり議論があって、簡単に?言えば、「乃木坂46と言えば、まいやんだ」というのと同じです。「いや何と言っても生駒ちゃんの功績が大きいでしょ!」「いや一番人気なのはなあちゃんだよ。卒業しちゃうけど。」「何言ってんだ!あしゅに決まってんだろ!情熱大陸に出たんだよ!」と言うのと似ています。個人的にはまなったんですが。
よって、この問題が解けない救急医の先生もいると思います。私はカルテにはqSOFA(略してこう書きます)を一応書いていますが、必ずSOFAスコアを出しています。敗血症の診療をする場合、SOFAスコアが書いてないとダメだと聞いておりますし。
quick SOFAスコアは以下のように算定します。
呼吸数 22/分以上なら1点
意識 グラスゴー・コーマ・スケールが15点未満は1点
血圧 収縮期血圧が100mmHg以下なら1点
2点以上ならば敗血症を疑い、SOFAスコアを算定します。SOFAスコアは採血などのデータが必要になりますが、どっちみちSOFAスコアを使うので、qSOFAなんていらないじゃん!と言う意見もあると思いますが、簡単なので良いと言うことなのでしょう。
と言う事で、この問題を解くには、意識清明、血圧78/40mmHg、呼吸数24/分と言う情報だけあれば良いのです。体温38.6度、脈拍122/分・整、SpO2 87%(室内気)。口腔内と眼球は乾燥あり、Turgor低下。と言う情報は不要です。
さて、このスコア覚えにくいですよね。えっ!?簡単だって?そう言う人は、それで良いです。私は50越えましたので、なかなか新しいことが覚えられないです。
アメリカではHATと覚えるらしいです。「HAT」(Hypotension、Altered mental status、Tachypnea)で覚えるそうです。ある記事によれば、日本人には「RGB」を推奨しています。RがRespiratory rate、GがGCS。BがBlood pressure。こちらの記事より(会員限定で見られない場合もあるかも知れません)。
私は「こいけ」さんと覚えています。心拍再開後に確認するものと同じなので。上記のqSOFAスコアの紹介は、わざわざ、呼吸、意識、血圧の順にしてあるのはそのためです。
ちなみに小池と言えばこちらです。
こちらも好きです。
入試の試験監督をしていた時に、あまりに暇だったので、試験問題を眺めていたら、内容を全く知らなくても解答が出来たというのです。試験問題を作る人は間違えさせようとしますから、同じような言葉や内容が出てくる物が答えだというのです。実際解いてみたらそうだったとのことです。
例えば、今年行われた救急科専門医の筆記試験を見てみましょう。専門用語とか全く分からなくても大丈夫です。一度ざっとご覧ください。
72歳の男性。呼吸困難を主訴に救急車で搬入された。1週前から咽頭痛と発熱を自覚。3日前から湿性咳嗽が出現した。自宅内での日常生活は可能だが、呼吸困難が出現したため、かかりつけの医院に向かおうとしたが、呼吸困難のため休み休みでなくては歩けなかったため、救急要請した。
既往歴と家族歴:特記すべきことはない。
現症:意識清明、体温38.6度、脈拍122/分・整、血圧78/40mmHg、呼吸数24/分、SpO2 87%(室内気)。口腔内と眼球は乾燥あり、Turgor低下。
問題32 quick SOFAスコアの組み合わせとして正しいのはどれか。1つ選べ。
意識レベル 呼吸数 収縮期血圧 quick SOFAスコア
(a) 1 1 1 3
(b) 0 1 1 2
(c) 0 0 1 1
(d) 1 1 0 2
(e) 0 1 0 1
問題の選択肢を見てください。答えは(b)なのですが、分かりやすいところから。
まず呼吸数を見ます。1となっているのが4つ、0は1つだけです。よって、まず(d)は不正解だと分かります。
同じように意識レベルは0、血圧は1が正解です。そうなるとドンピシャリ!答えは(b)になります。
受験生の皆さん、一度お試しあれ。
quick SOFAスコアは、救急医なら常識中の常識で、簡単な問題です。
しかし、実際に現場でやらなくても全然問題ありません。敗血症が疑われる患者さんに対してこのスコア用いるべきかどうかについてはかなり議論があって、簡単に?言えば、「乃木坂46と言えば、まいやんだ」というのと同じです。「いや何と言っても生駒ちゃんの功績が大きいでしょ!」「いや一番人気なのはなあちゃんだよ。卒業しちゃうけど。」「何言ってんだ!あしゅに決まってんだろ!情熱大陸に出たんだよ!」と言うのと似ています。個人的にはまなったんですが。
よって、この問題が解けない救急医の先生もいると思います。私はカルテにはqSOFA(略してこう書きます)を一応書いていますが、必ずSOFAスコアを出しています。敗血症の診療をする場合、SOFAスコアが書いてないとダメだと聞いておりますし。
quick SOFAスコアは以下のように算定します。
呼吸数 22/分以上なら1点
意識 グラスゴー・コーマ・スケールが15点未満は1点
血圧 収縮期血圧が100mmHg以下なら1点
2点以上ならば敗血症を疑い、SOFAスコアを算定します。SOFAスコアは採血などのデータが必要になりますが、どっちみちSOFAスコアを使うので、qSOFAなんていらないじゃん!と言う意見もあると思いますが、簡単なので良いと言うことなのでしょう。
と言う事で、この問題を解くには、意識清明、血圧78/40mmHg、呼吸数24/分と言う情報だけあれば良いのです。体温38.6度、脈拍122/分・整、SpO2 87%(室内気)。口腔内と眼球は乾燥あり、Turgor低下。と言う情報は不要です。
さて、このスコア覚えにくいですよね。えっ!?簡単だって?そう言う人は、それで良いです。私は50越えましたので、なかなか新しいことが覚えられないです。
アメリカではHATと覚えるらしいです。「HAT」(Hypotension、Altered mental status、Tachypnea)で覚えるそうです。ある記事によれば、日本人には「RGB」を推奨しています。RがRespiratory rate、GがGCS。BがBlood pressure。こちらの記事より(会員限定で見られない場合もあるかも知れません)。
私は「こいけ」さんと覚えています。心拍再開後に確認するものと同じなので。上記のqSOFAスコアの紹介は、わざわざ、呼吸、意識、血圧の順にしてあるのはそのためです。
ちなみに小池と言えばこちらです。
こちらも好きです。
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