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新人の頃を思い出しましょう [研修医教育]

 皆さんは何故医療従事者になろうと思ったのですか?時々思い出すようにしましょう。

 忙しいのに、今頃?!そんなの後で良いでしょ!そんなの診れないから断って!

 病院で働いている人には、どんな状況か想像できると思います。しかし、患者さんには分かりません。そして我々は、そんなの大したことじゃないって分かりますが、患者さんには分からないのです。

 熱が40度出ても他に大きな異常がなければ死んだりすることはないと我々は知っていますが、患者さんは知りませんから、40度も熱が出たら頭がおかしくなるのではないかと思いますし、死んでしまうのではないかと思うかも知れません。

 医療従事者になろうと思った時、先ほどのような言葉を言おうなどと思った人は一人もいないはずです。困っている患者さんに少しでも役に立てば、、、、、、、と思ったはずです。

 もちろん、忙しかったり専門外だったり、夜に軽症で来られたら辛いです。でも、そう言う発言をする前に、今の医療知識を得る前の自分はどうだったかを思い出すようにしましょう。

 私も上記の発言を頻繁にしていますが、常に学生時代の二つの出来事を思い出すようにしています。

 一つは、友人が骨折をして大学病院を受診した時、担当の整形外科の先生は野球をしていたそうで、骨折した患者さんが来ているという電話を受けた後、もう一打席打ってからいくと答えたそうです。私は学生の時にそれを聞いて、あり得ない!と思いました。その気持ち忘れないようにしたいです。
 でも、医者をうん十年やった今の考えでは、骨折してても緊急性がないから、もう一打席という考えもひどいとは思いませんが。

 もうひとつは、車の故障です。私は6年生の冬休みに部活のメンバーとスキーに行きました。帰りに高速道路上に何か落ちてるな、、、、、と思ったのですが、小さそうだったので大丈夫だろうと思ってそのまま走行したらガソリンタンクに穴が空いてしまいました。当然車は高速のサービスエリア(ちょうどガソリンスタンドがあったのですが、色々な意味で超驚かれました)から動かすことが出来ません。JAFの会員でしたのでJAFを呼んで近くの修理工場に連れて行ってもらおうとするのですが、どこも年末で受け入れてくれません(まるで救急のたらい回しと同じです)。仕方がないので名古屋の実家まで(わりと近かったのです)運んでもらいました。車が壊れた事は割と大きな事ではありますが、自分の身体は問題ありません。それでも相当な不安を持った記憶があります。

 救急車を呼ぶかどうか迷う時に患者さんは一体どう言う思いをするのか、救急車内で受け入れを断られたことはきっと分かるでしょうから、その時にどんな思いになるのか?思い出すようにしています。

 もちろん私も同じ人間ですから、受け入れを断ることだってありますし、こんなことでどうして病院に、それもこの時間に、、、、、、、、と思いますが、出来るだけ頑張って受け入れるようにしています。

 皆で頑張りましょう。


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