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人命救助の現場は見世物ではありません。 [CPRの基礎]

 ある中学校の蘇生の教育でこんなことがあったようです。リンクはこちらですが、いつまでこのリンクが生きているか分かりませんので、簡単に。

 心肺蘇生のやり方を生徒同士色々な立場を演じて勉強します。第一救助者、第二救助者とかは普通ですよね。なんと、野次馬役の人も作ったんだそうです。野次馬の人は全く手伝わず、蘇生の状況をスマホで撮影するんだそうです。撮影される側を体験した生徒さんたちは恐怖を覚え、自分はそんな野次馬のようなことは絶対にしない!と誓ったようです。
 素晴らしい教育ですね!この生徒さんたちは、この事をきっと一生忘れないでしょう。

 記事の元となった方のツイートもリンクしておきます。

 さて、心肺蘇生の現場で野次馬がどんな影響を及ぼすのか?と言う事について書かれたある資料をお読みください。かなり長文ですが、是非頑張って読んでください。日本語ですが、医学論文ですので、難解な用語が出てくるかも知れませんが、分からないところは無視して大丈夫です。

 以下は引用です。本当に忙しい方はここだけでも読んでください。

 「乗客であった多数の中高年日本人男性が群れをなして押し寄せて「テレビと同じのをやっている。」「あの人が止めたら死ぬんでしょ?」などと言いながらカメラや携帯電話で写真を撮ったり,ビデオ撮影をしたりしていた。Y氏は心肺蘇生を止めたら「人殺し」と呼ばれるのではないかという恐怖心を感じながら心肺蘇生を行っていた。」

 「心肺蘇生の経験について「ただただ怖かった。野次馬の罵声と圧力の怖さは一生忘れないと思う。そして自分一人しかいない状況での救護活動がどんなに大変なものかも分かった。」との感想を抱いたY氏はこの一件以来,中年男性をはじめとする日本人そのものに「この人も野次馬のようなことをするんだろうな。」「冷やかしを好むんだろうな。」などと不信感を抱くようになり,孤立感も感じて笑うことが少なくなった。Y氏は大衆居酒屋などの多数の見知らぬ中年男性が集まる場所などで過呼吸症状が出るようになり,食事は女性同士で個室のある飲食店へ行くことが多くなった。またシャッター音が怖くなり,携帯電話に付いているカメラが使えなくなってしまった。救命救急に対する熱意も消失してしまい,指導員として参加していた救命講習にも参加しなくなった。さらには蘇生した時の状況が繰り返し思い浮かんでしまい,物事に集中出来なくなっていた。」

 皆さんは、もし救命の現場に遭遇した場合、救助を手伝うか、その場から立ち去るか、どちらかにしましょう。そう言う場面でなくても、知らない人を勝手に撮影してはいけませんよね。

 もし救助を手伝うことになった場合には、中島みゆきさんの歌に歌われているように、だいたい何もしない人に限って、知識があまりない人に限って口を出したくなる物です。闘わない奴らが笑っても無視しましょう。




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