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ソルコーテフは改良されています。 [医学関連]

 医療でよく使う薬の一つとしてステロイド剤というのがあります。これは副腎皮質ホルモンの薬で、色々な病気に使われています。

 救急ではアレルギーの患者さんに使うことが多いです。アレルギーを起こした人に副腎皮質ステロイドを使用すると症状が改善されたり、再発を予防できたりします。

 その時によく使う薬として、ソルコーテフというのがあります。これは注射薬そのものが粉になっていて、それを溶解する液が入った部分とセットになっていて、簡単に、迅速に溶解して患者さんに投与することが出来ます。

 しかし、私は研修医の頃に、この溶解液に防腐剤が入っていて(パラベンという物質のようです)、それに対してアレルギーを起こす人がいるので、防腐剤の入っていないサクシゾンを使いなさいと習い、そうしてきました。

 しかし、今の病院にはサクシゾンは採用されておらず、ソルコーテフしかないようです。研修医の先生に質問された時に、ソルコーテフよりサクシゾンが良いんじゃない?とお伝えしたところ、当院には採用されていないことが判明しました。サクシゾンは、以前サクシンと言う筋弛緩薬と間違えてオーダーされて、実際に患者さんに注射されてしまい、患者さんが死亡する事故が起こっていますので、きっと採用されなくなったのでしょう。「サクシ」まで同じ名前ですから、、、、、、

 それで調べてみたら、なんと!ソルコーテフは改良されていて、2014年からは防腐剤のパラベンが入っていない製剤が売られているようです。知りませんでした。

 こちらの文献(1)によれば、痛み止めやステロイドでアレルギーが起こる患者さんがいて、アスピリン喘息と呼ばれていますが、アスピリンだけで起こるのではないので、「NSAIDs過敏喘息」と呼ぶことが提唱されています。

 このような患者さんには、内服のステロイド剤が最も安全で、注射をするとしても、デキサメタゾンかベタメタゾンが良いそうです。商品名としてはデカドロンやリンデロンです。私は、デキサートと言うデカドロンのジェネリックを使用しています。

 ステロイド剤は効果を発現するまでに数時間かかると言われていますので、どうせすぐ効いてこないんだから、内服が良いという風に考えることも可能です。その方が安全ではありますが、造影剤アレルギーのある人や喘息のある人に、造影CTを直ぐ行いたい場合には、ステロイド剤を点滴しています。

 どちらにしても、静注ステロイドは万能の薬ではなく、アレルギーを起こすこともあると知っておくと良いでしょうね。

 ちなみに、こう言うアイドルグループもいると言うことを知っておくと良いかも知れません(^^)。



(1) 谷口 正実:アスピリン喘息(NSAIDs過敏喘息), 特集気管支喘息:診断と治療の進歩:日本内科学会雑誌 第102巻 第 6 号・平成25年 6 月10日、P.1426-1432
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