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初期輸液は晶質液にしましょう [研修医教育]

 私が学生の時(平成が始まった頃です)、講義で名物教授が言っていました。

「5分で死ぬよ。5%の500」

 脳外科の教授でしたので、脳出血の時に、脳血液関門がやられているような状態なので、低張輸液を入れると脳浮腫が来て死んでしまうから、絶対に使ってはいけないというお話しでした。

 当時4年生の私は、患者さんが来た時に、どんな点滴を使うのかも知らなかったので、そうか、ブドウ糖は使ってはいけないんだなと強く思った記憶があります。

 が、実際に医師になって、救急外来はもちろん、5%ブドウ糖を使うことはそんなにないです。救急外来では乳酸リンゲル液ばかり使っています。しかし、透析患者さんだからソリタT4号とかやっているといつか患者さんを殺すかも知れないと再認識しておきたいですね。

 以下はUpToDateからの引用です。"Spontaneous intracerebral hemorrhage: Treatment and prognosis"と言う文献にあります。

 Normal saline initially should be used for maintenance and replacement fluids; hypotonic fluids are contraindicated as they may exacerbate cerebral edema and intracranial pressure.

 維持輸液や補充輸液(脳出血患者において)は、まず生理食塩水を使うべきである。低張輸液は禁忌である。なぜなら脳浮腫や脳圧亢進を悪化させる可能性があるからである。

 英語の文献には生理食塩水とあることが多いのですが、値段がだいぶ違うようなので、乳酸リンゲル液は出てきません。が、日本では10円ぐらいしか値段が違いませんから、どちらでも大丈夫です、、、、、、、、、たぶん。


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