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救急救命士さんに人工呼吸器の使用を認めてください [医学関連]

 トリビアみたいな事ですが、なんと救急救命士さんは、人工呼吸器の使用を認められていません。びっくり仰天です!!気管挿管は認められているのに、、、、、あっちょんぷりけです。病院では、気管挿管を行ったら、人工呼吸器に接続するのが当たり前です(自発呼吸があればしない場合もありますが、緊急時は接続しないことないと言っても良いです)。何故救急救命士さんに認めてあげないのでしょうか??

 人工呼吸器を使うことは、医行為の一つです。医行為とは、専門知識を持った者が行わなければ、患者に危険が及ぶ可能性が高いものです。よって、医師か歯科医師にしか出来ません。例外として、看護師(一番多くの事が行えます)、その他の医療資格を持った人たちは、医師の指示があれば行えます。

 救急救命士さんは、患者さんを現場から病院へ(時には病院から病院へ)運ぶまでの現場と救急車などの車両内のみで、診療の補助としての救急救命処置を行えます。救急救命処置とは、こちらのリンクの通知にあります。(9)以降は救急隊員でも行えます。

 逆に言えば、ここに書いてないことで、高度な知識がなければ行えない業務はやってはいけません。

 そしてやっと本題ですが、人工呼吸器の使用という項目が、救急救命処置には含まれていないのです(ちなみに、鼻腔の吸引も書かれていないので出来ません)。が、現場では使われていると思います。厳密に言えば違法行為なのに、、、、、、

 現状の法律上では、医師は当然として、看護師、臨床工学士のみが人工呼吸器の操作を行えます(ダイヤルひねったりするだけなんですがね(^^))。是非救急救命士さんにも行えるように制度を改正して欲しいですね。

 おかしな制度と言うことで、、、、、、


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病院前救護担当

いつも先生のブログで勉強させていただいています。

救急隊の人工呼吸器なのですが、院内で使うような細かな設定ができる代物ではありませんが、ほとんどの救急車に搭載していると思います。

ご指摘のとおり「救急救命処置の範囲等について」では「(12)バックマスクによる人工呼吸」と記載されているだけで、これでは人工呼吸器の使用がいけないように読み取れます。

しかし、「救急隊員の行う応急処置等の基準」では自動式人工呼吸器による人工呼吸が含まれており、法令上は使用可能となります。
http://www.fdma.go.jp/concern/law/kokuji/hen52/52050000020.htm

「救急救命処置の範囲等について」は厚生労働省系の通達なのですが、紛らわしい記載であることは否めません。

で、実際に人工呼吸器を使うか否かの点ですが、実のところ私の場合ほとんど使ったことがありません。手揉みでしたらバックが急に堅くなったり、軽くなったりなど、気道内圧の変化が瞬時に分かりますし、また、非同期のCPRでは胸骨圧迫の解除時にスッと入れることもできます。(過換気には要注意ですが・・・)

長文ですみませんでした。
これからも、救命士ネタお願いします。
by 病院前救護担当 (2013-09-24 20:10) 

Kim

病院前救護担当さん、貴重なコメントありがとうございます。

確かに!教えていただいたリンクの資料だと、救急救命士の資格がなくても人工呼吸器が使えますね。

先日受講させていただいた、病院前救護担当医のための講習では、東京の法律家の先生が、人工呼吸器の使用は認められていないと言ってましたし、資料にも書かれています。

でも、認められていて、良かったです!が、このブログのタイトル意味なくなっちゃいましたね(^^)。

by Kim (2013-09-24 22:03) 

すぐるん

前に、何回か質問をさせて頂いた者です。
先生のブログ、拝見するのがいつも楽しみです^ ^!
UpToDateの日本語訳、お時間あればお願いします!!
by すぐるん (2013-09-25 09:43) 

Kim

すぐるんさん、見ていただいてありがとうございます。

頑張って毎日勉強していますので、よろしくお願いします!

by Kim (2013-09-25 09:53) 

tyoko

はじめまして
いつも勉強させていただいています。

我々が救急車内で使用しているのは、
下記のような物です。
http://www.smiths-medical.com/jp/brands/pneupac.html
正直、私はあまり使用したことがありません。

たいしたコメントが出来ず、すみません
by tyoko (2013-09-25 21:50) 

Kim

tyokoさん、コメントありがとうございます。

パラパックは病院内でも使っています。

私が以前いた地域では、搬送時間が1時間になることも頻繁にある地域でしたので、呼吸担当者が必要ないと言うことがかなり重要でした。だから気管挿管の適応はかなり甘くしていました。

病院への搬送時間がそれほど長くないのであれば、人工呼吸器は使わなくても良いかもしれませんね。

by Kim (2013-09-26 08:45) 

某老医

老医ですので知識が古ければご勘弁ください。救急隊が挿管することで蘇生率が下がる、というデータを5年ほど前に見たことがあります(どこにあったか忘れましたが)。確か挿管に時間をかけることが問題なんではないかという話でした。近年はCPR初期は心マだけで良い(呼吸補助不要)とも言われつつある時代と認識しております。挿管やってる暇があれば、さっさと救急室に送るべきでは?とも考えていたのですが、如何でしょうか?それとも、最近のデータでは救急隊が挿管することで蘇生率が上がるといわれているのでしょうか?もしご存知でしたらお教えください。
by 某老医 (2013-09-27 01:04) 

Kim

某老医さん、コメント誠にありがとうございます。

おっしゃる通りです。エビデンスはそうです。

が、事件は会議室で起きてるんじゃない!で、色々です。色々なので記事にします!よろしくお願いします。

by Kim (2013-09-27 06:44) 

日本の救急医療の変革を

初めまして。
個人的には、気管内の吸引を認めるべきだと考えています。
SpO2低下で病院に運ばれてきた高齢者は、入所施設の吸引不足で気管内に痰が溜まってしまっていることが多くあります。
また、アル中で嘔吐し誤嚥した際には吸引が必須になってくるはずですが、認められていないとのこと。

ABCに関わることで緊急性があるものは認めないと、いつまで経っても救急医療は変わらないでしょう。
日本の救急医療は韓国よりも遅れており、先進国中最低ランクと言われている現場をなんとかしたいですね。
by 日本の救急医療の変革を (2013-10-13 13:54) 

Kim

日本の救急医療の改革をさん、コメントありがとうございます。

記事には書いていませんが、気管内の吸引は救急救命士さんでなくても出来ます。なのに鼻腔の吸引が出来ないんです(^^)。でも、たぶん口の中を吸引したことにしてやっていただいていると思いますが。

全ては国民の意見です。救急救命士制度も最初反対した医師がたくさんいたそうです。が、国民の期待が強く、全会一致で発足しました。是非みんなで良くしていきたいですね。

http://www.kuroiwa.com/column/kyukyu02.html

by Kim (2013-10-13 16:39) 

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