SSブログ

カプノグラムを使いましょう(その2)。 [医学関連]

 前回カプノグラムが蘇生に有効であることを書きました。ご質問を受けたので少し詳細を、、、と言っても本の引用です。

 用語がややこしいですが、、、、
CPR 心肺蘇生
PETCO2 呼気終末二酸化炭素分圧
 Pは圧力、ETは本当は小文字で、呼気終末という意味です。CO2は二酸化炭素。
ROSC 自己心拍再開。return of spontaneous circulationです。
CPP 冠還流圧。coronary perfusion pressureです。cerebularと言う場合もありますが、この文献では冠還流圧です。

 ACLSプロバイダーマニュアルP.67には、以下のようにあります。

 挿管患者でCPR中にPETCO2値が低い(10mmHg未満の)状態が続く場合は、ROSCの可能性が低いことを示唆している。PETCO2が正常値の35〜40mmHgまで急激に上昇した場合は、ROSCの指標と考えることが妥当である。
・CPR中のPETCO2値が10mmHg未満の場合は、胸骨圧迫と血管収縮薬治療の改善を試みることが妥当である。





 AHAのガイドライン2010のP.S749には、以下のようにあります。

 CPR中のPETCO2と心拍出量との相関は、炭酸水素ナトリウムの静脈内投与によって一時的に変化することがある。これは炭酸水素イオンが水とCO2に変換され、肺へのCO2運搬を一時的に増加させるという事実によって説明される。したがって、炭酸水素ナトリウム治療後はPETCO2の一時的な上昇が予測されるが、CPRの質の向上やROSCの徴候と誤解してはならない。

 PETCO2とCPR中のCPPとの相関は、とくに、高用量での血管収縮薬療法(つまり、1mgを超えるアドレナリン)によって変化することがある。血管収縮薬によって後負荷が増大し、これはCPR中の血圧と心筋血流量を上昇させるものの、心拍出量の低下をもたらす。したがって、血管収縮薬治療後にPETCO2がわずかに低下することがあるが、CPRの質の低下と誤解してはならない。

 つまりは、心肺蘇生中はPETCO2を10以上に保つことが大切です、しかし、どのぐらいの値にすれば良い(10より20の方が良いのか、100ぐらいの方が良いのか?)というデータはないようです。


AHA心肺蘇生と救急心血管治療のためのガイドライン2010

AHA心肺蘇生と救急心血管治療のためのガイドライン2010

  • 作者: American Heart Association
  • 出版社/メーカー: シナジー
  • 発売日: 2012/06/27
  • メディア: 単行本



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。