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ワーファリンとヘパリンの併用(その2) [医学関連]

 こちらの記事の続きです。根拠を書いておきます。

 UpToDate "Treatment of lower extremity deep vein thrombosis"(下肢深部静脈血栓症の治療)より

ワーファリンの抗凝固作用は、ビタミンK依存因子であるII、VII、IX、X因子の産生が障害されることによって発現する。よって、ワーファリンの抗凝固作用は正常の凝固因子が血液から除去されるまで現れない。ワーファリン治療の開始数日間、プロトロンビン時間(INR)の延長は主に第VII因子(半減期5ー7時間)の減少によるものである。II、IX、X因子が十分低下するまで(約5日間)は内因系凝固は傷害されないために、これは適切な抗凝固作用の発現ではない。よって、ワーファリンを血栓症患者に開始する場合には、ヘパリンとワーファリンは4ー5日間併用するべきである。

 あとUpToDateには書かれていませんでしたが、血液の凝固を抑制している物質(確かプロテインCとかS)もビタミンK依存因子で、そちらの方が早くなくなるので、血液が固まりやすくなることもあると記憶しています。

 緊急で抗凝固作用を発現する必要がなければ、ワーファリンだけで開始しても良いのでしょうね。

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