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経鼻胃管の確認はレントゲンを! [医学関連]

 ICU roomからです。

質問 Whooshテストとは何か?(Whooshは音を立てて飛ばすと言う意味だそうです)

答え
 Whooshテストとは、上腹部に聴診器を当て、経鼻胃管に空気を素早く注入するテストである。音が聞こえれば、経鼻胃管は胃に入っている可能性があり、音が聞こえなければ別の場所(肺や食道、咽頭など)にあることが考えられる。

 UpToDate"Nasogastric and nasoenteric tubes(経鼻胃管と経鼻腸管)"からです。以下は私の下手な日本語訳です。良かったら読んでください。

 栄養剤や薬剤をチューブから投与する前に、必ずレントゲンで経腸栄養チューブの位置を確認すべきと考える。経鼻胃管あるいは経鼻腸管の位置異常は、食道内での屈曲や、気管支への誤挿入などが多く、まれではないことと、重篤な合併症を引き起こしうることを忘れてはならない。

 実際、全ての経鼻胃管と経鼻腸管の挿入後の確認は胸部下部あるいは上腹部のレントゲンで確認すべきである。しかし、患者に呼吸症状などがなく、臨床的な方法で良い位置にあると確認した場合には、胃や腸管の減圧にのみ用いる目的で挿入した経鼻胃管の確認には、たぶんレントゲンが必要ない。小児や乳児、挿管された患者など、訴えが信頼できない患者では、減圧目的であっても、常にレントゲンによるチューブの位置確認を行うべきである。

臨床的な確認
 サンプチューブが挿入されたら、主なルーメンを吸引する。もし胃内容物が引けたら、20〜30mlのお湯を大きな注射器で注入してテストしても良い。お湯は直ちに再吸引する。およそ70%以上のお湯が引けたら、チューブの位置は適切である可能性が高い。もし十分な量のお湯が引けなかったら、チューブの位置を直し、テストを繰り返す。空気を注入し上腹部で聴診する方法は、チューブの位置をよそうするのに適切な方法でないことを覚えておくことが大切である。なぜなら、チューブは浅いかも知れないし、深すぎるかも知れない。もし、チューブの位置に不安があれば、レントゲンを撮像すべきである。

 担当する看護スタッフには、チューブの位置が臨床的にしか確認されていないことを伝えるべきである。そして、レントゲンの撮影なくして、栄養剤や薬剤をこのチューブから注入してはいけないという情報を伝えるべきである。


 え〜レントゲン撮るんですか〜?と言う人がいますが、経管栄養を馬鹿にしている証拠です。胸痛があったら心電図撮らない人はいないと思いますし、突然意識がなくなって血糖値は正常だったらCTやMRIを考えない人はいないでしょう。CV入れたらレントゲン撮らない人はいないでしょうし、、、、、それと同じで経鼻胃管を入れたらレントゲンを撮るようにしたいですね。

 何度も抜かれて、何度も再挿入、、、、、、と言う人でも私はレントゲン撮るべきと思います。何度も抜く人は、そもそも経鼻胃管の適応ではないと思います。でも現場は色々ですが、、、、、


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コメント 6

fujiki

kim先生
いつも役に立つ情報をありがとうございます。
在宅も行なっている診療所の医師です。

経鼻胃管やEDチューブの挿入は、
透視下で行なうか、
事後にレントゲンでの確認を行なうべきだと、
僕自身は思いますし、
病院ではそう習いましたが、
実際には経管栄養は施設や在宅で広く行われていて、
その場合にはレントゲンでの確認は、
現実的に不可能で、
実際にも確認は行なわれていないと思います。

以前特に高齢者では、
透視下で挿入しても、
スルスルと気管に入ってしまい、
怖いな、と思ったことが何度もあり、
積極的にはブラインドでの経管栄養は、
したくはないのですが、
現実的にはその都度病院を受診するようなことは、
困難だと思います。

実際にそうした場合の、
ガイドラインのようなものは存在するのでしょうか?

いつも疑問に思い、不安に感じている点なので、
初めてコメントさせて頂きました。
長々とすいませんでした。
by fujiki (2012-09-08 09:16) 

Kim

fujiki先生、コメントありがとうございます。

確かに難しい問題です。ガイドラインは知らないので後日調べてみます。でも、私だったら全例レントゲン撮ります。

経鼻胃管はそれぐらい怖い物だという認識が必要だと思います。頻繁にそれを変えなければならない患者さんは、経鼻胃管の適応ではないと思います。

良くあるのは、そう言うチューブを患者さんの家で変えたら良いじゃないですか、、、、と言う軽い考えのスタッフが多いことです。それが一番いけないことだと思います。

在宅で変えても良いですが、大変なことになるかも知れないという認識がスタッフにも、患者さんの家族にも持って頂きたいですよね。

by Kim (2012-09-08 13:28) 

ハッスル

医療安全全国共同行動という中に、胃管挿入があります。
排液のPHで評価するという方法が提示されています。
ご参考までに
by ハッスル (2012-09-16 17:58) 

Kim

ハッスルさん、コメントありがとうございます。

医療安全全国共同行動というのは知りませんでした。勉強になりました!

胃液のpHの測定は知っていますが、個人的には意味がないと思います。面倒でも毎回レントゲンを!が原則だと思います。

http://kyodokodo.jp/index.html

pH測ってこうだったらこう、6以上だったら30分待って???その間にレントゲン撮ったら?と思います。すみません。

by Kim (2012-09-18 13:35) 

若杉太香子

大変参考になりました。ありがとうございました。
by 若杉太香子 (2015-11-18 22:12) 

Kim

若杉太香子さん、見ていただきありがとうございます。

参考になって嬉しいです!やはり確認はレントゲンを撮るべきだと思っています。

そんな大げさな、、、、、、、、、って大げさですよ。経鼻胃管は。と考えるべきです。
by Kim (2015-11-19 06:14) 

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