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「平穏死」のすすめ [興味ある本]

 昔一緒に働いていた先生から紹介された本です。



 著者は昔現役の外科医で、現在は老人ホームに勤めておられるお医者さんです。

 胃瘻という処置があります。おへその少し上になる事が多いですが、すぐ下にある胃に直接チューブを入れる手術、あるいはその穴を言います。昔は手術をしないと作れなかったので、亡くなる人も多く、あまり作られることはありませんでしたが、現在は胃カメラを使って割に簡単(と言う意味は患者さんに大きな侵襲が加わること亡くと言う意味です)に作れますので、多くの高齢者に入れられています。

 本によれば、胃瘻を作る道具がセットになったキットは、毎年20万キット売れているそうです。20万って結構な人数です。

 そんなに沢山の人に胃瘻を作るのが本当に良いのかどうか、、、考えさせられる本です。

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ドクター・ヘル

胃ろうを作っても、口から食物を摂取する事は出来る。だから、経腸栄養という意味から見れば、体力の回復に繋がるとの意見により、アメリカでは推奨されていると聞きます。しかし、メンテナンス面からは、医師法の関係もあり、家族や介護職員が手を出す事は出来ないので、衛生面が特に気になります。
要するに、リスクとの戦いですね。
また、安易に点滴に頼る日本のやり方を考え直す事も大切ですね。
by ドクター・ヘル (2011-12-17 11:30) 

amdamte

今高齢の方が入院すると、大半は胃ろうを増設する事が多いですね。
確かに誤嚥の心配がなくなりますが、中には上手くいかなくて傷口が化膿したり高齢のためどこか一箇所悪くなると、次々に余病が併発したりして亡くなった知人もいました。
中途半端に食べている人よりも、胃ろうのほうが遥かに栄養状態はよく体力は保たれますが、一時的なものなら良いにしても、一度増設したらそのままのケースがほとんどだと思います。
自分に置き換えると、本当にこれで良いのか悩みます。
生命あるのと生きているのは違うけれど、家族にしたらどんな形でも生きて欲しいと願うのでしょうね
by amdamte (2011-12-17 23:54) 

Kim

ドクター・ヘルさん、ありがとうございます。

確かに経口摂取は続けられますから、その点は良いですが、食べられない人に何も考えず胃瘻を作らざるを得ない今の現状は何とかしないといけないですね。

by Kim (2011-12-20 12:55) 

Kim

amdamteさん、コメントありがとうございます。

本には(今日読んだ日経メディカルにも書かれていました)、誤嚥の頻度は減らないとあります。胃瘻を作った方が長生きするというエビデンスもないようです。

また、栄養状態が良くなったとしても、寝たきりで話も出来ず、意思の疎通もあるかないか分からない状態で何年も生かされるのが良いのかどうか、国民全体で考えなければならない時代になっています。

by Kim (2011-12-20 12:57) 

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