SSブログ

臨床医のための輸液問答 [興味ある本]

 古い本ですが、、、、ずっと読んでいる本です。

臨床医のための輸液問答

臨床医のための輸液問答

  • 作者: 長谷川 博
  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 1994/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


 普通の本とは違って、二人の専門医の対談形式になっています。もしかしたら、出版された当時(1994年)から新しく変わったところがあるのかも知れませんが、とても勉強になります。

 夜におしっこが出なくなった患者さんに対してラシックスを投与し、安心して寝ているような医師や看護師はこの本を読んで勉強すべきです(ラシックスは医療スタッフの睡眠薬だという説がありますよね)。

 尿の浸透圧を測るべきと言う記載があります。ラシックスは何故いけないのかの解説ですが、長くなるので次回にも、、、、

・控えめに水を飲む健康人では、1日1リットルの尿が出て、その中に尿素窒素が7g排泄されます。
・つまり1日7gの尿素窒素が排泄されていれば、BUN(血中の尿素窒素)やクレアチニンは上昇しません。そういう管理をすべきと言う事です。
・7g/リットルの尿素窒素溶液は、250mOsm/リットルの浸透圧です(計算は明日紹介します)。
・つまり尿素窒素が占める浸透圧×尿量(リットル)が250mOsm/日以上あれば良いわけです。
・尿の浸透圧が最大の座席数で、尿素窒素や電解質で座席を取り合っている状態です。尿の浸透圧が低い場合には、ナトリウムやカリウム、塩素などのイオンの座席を少なくしなければなりません。

 例えば、尿浸透圧が300mOsm/ℓで、尿中のNa、K、Clの合計が50mEq/ℓだとすれば、残りは250mOsm/ℓで他の物質もあるかも知れませんが、まあ尿素窒素のための座席が250mOsm/ℓあります。よってこの尿が1日1リットル出れば、腎機能は問題ないと考えられますが、この尿が1日500mlしか出ないとなると、腎機能が悪いと言う事です。
 また脱水になると尿の浸透圧は上昇し、尿中の電解質は低下します。よって例えば浸透圧が600で、Naが20とかになります。尿素窒素の占めるOsmは例えば500ぐらいになり、この尿は1日500ml出れば良いと言うことです。

 また、別の私が気に入っている部分を紹介します。
「無駄なNaはたとえ維持量であろうがなんであろうがクソ食らえで、全然入れない。低Na血症なんかがあっても127ぐらいだって黙殺し補正しない。これは測定誤差でプラス5mEqぐらい高いと思えば苦になりませんからね。(P.60 )」

nice!(4)  コメント(2) 
共通テーマ:学問

nice! 4

コメント 2

ちょんまげ侍金四郎

>クソ食らえ
いいですねこの表現!
まさに昭和のテイストですね(笑)。。。すいません専門的な話なのに、変なところで面白がって
by ちょんまげ侍金四郎 (2011-11-26 08:45) 

Kim

ちょんまげ侍金四郎さん、コメントありがとうございます。

全然良いですよ。私もこのくそ食らえ好きです(^^)。

by Kim (2011-11-26 23:18) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。