電子カルテを勉強ノートに [研修医教育]
以前も書いたかも知れませんが、研修医になったら、カルテに色々学術的な事も書きましょうと言う主張です。
カルテは看護師さんも読みます。適当な事を書いていると翌日に突っ込まれる事も多いです。
逆に言えば、これは看護師さんに是非知っておいてもらいたいと思ったら、カルテに書いておけば(昔ならコピーを貼っておけば)良いのです。これはなかなか難しい事ですが、新しく勤め始めた病院では、もう上から数えた方が早い私でもやっています。
あまり受け持ち患者さんがいないので、全ての患者さんで現在やっています。
先日ある看護師さんに、プールにバスクリンはよく分かりました!勉強になりました!と言われました。と言っても、カルテに書いて、同じ事をそのままブログに事を書いたりしているので、それほど苦痛ではありません(本当はカルテが本番になるべきでしょうが、私の場合にはブログが本番です(^.^))。
「プールにバスクリン」はRTPのお話です。Rapid turnover proteinです。rapidは早いと言う意味で、turnoverは入れ替わる、proteinはたんぱく質です。回転が早いたんぱく質です。
栄養状態の評価にアルブミンと言う検査があります。アルブミンが低いと栄養状態が悪く、正常だと問題ないと言う訳です。しかし、これはプールに1日にコップ1杯のバスクリンを入れていて、バスクリンの濃度を測っているようなものです(1日にコップ1杯分の水が出て行きます)。今日からバスクリンを入れるのをやめても、バスクリン濃度が下がるにはどのぐらいかかるでしょうか???正常だからと言って現在栄養状態が良いとは言えませんよね。
その時にRTPの出番です。プレアルブミン、レチノール結合蛋白、トランスフェリンの3つです。これらはプールがお風呂(私たち庶民のお風呂です)だったり、コップではなくドラム缶で入れていたりするので濃度の変化が早いです。
アルブミンが低くてもRTPが正常であれば、そのうち栄養状態が改善してくると分かりますし、アルブミンが正常でもRTPが低ければ、栄養状態は悪いと分かります。
こちらによれば、レチノール結合蛋白の半減期は0.5日、プレアルブミンが1.9日、トランスフェリンが7日だそうです。トランスフェリンは鉄欠乏の時に上昇しますので、注意が必要です。アルブミンは何と21日です。以前書きましたが、半減期は半分になる時間と言う事ではなく、濃度が安定するまでに半減期の3倍(出来れば5倍)かかると言う指標です。
トランスフェリンが一定の濃度になるのには2日あれば充分であり、プレアルブミンも1週間、アルブミンだと2ヶ月近くかかると言う訳です。
ちなみに、「RTP 救急」でググると私のこの記事がヒットします。桑田佳祐さんを例に出していますが、今読み返すと分かりにくい例えですね(^.^)。
カルテは看護師さんも読みます。適当な事を書いていると翌日に突っ込まれる事も多いです。
逆に言えば、これは看護師さんに是非知っておいてもらいたいと思ったら、カルテに書いておけば(昔ならコピーを貼っておけば)良いのです。これはなかなか難しい事ですが、新しく勤め始めた病院では、もう上から数えた方が早い私でもやっています。
あまり受け持ち患者さんがいないので、全ての患者さんで現在やっています。
先日ある看護師さんに、プールにバスクリンはよく分かりました!勉強になりました!と言われました。と言っても、カルテに書いて、同じ事をそのままブログに事を書いたりしているので、それほど苦痛ではありません(本当はカルテが本番になるべきでしょうが、私の場合にはブログが本番です(^.^))。
「プールにバスクリン」はRTPのお話です。Rapid turnover proteinです。rapidは早いと言う意味で、turnoverは入れ替わる、proteinはたんぱく質です。回転が早いたんぱく質です。
栄養状態の評価にアルブミンと言う検査があります。アルブミンが低いと栄養状態が悪く、正常だと問題ないと言う訳です。しかし、これはプールに1日にコップ1杯のバスクリンを入れていて、バスクリンの濃度を測っているようなものです(1日にコップ1杯分の水が出て行きます)。今日からバスクリンを入れるのをやめても、バスクリン濃度が下がるにはどのぐらいかかるでしょうか???正常だからと言って現在栄養状態が良いとは言えませんよね。
その時にRTPの出番です。プレアルブミン、レチノール結合蛋白、トランスフェリンの3つです。これらはプールがお風呂(私たち庶民のお風呂です)だったり、コップではなくドラム缶で入れていたりするので濃度の変化が早いです。
アルブミンが低くてもRTPが正常であれば、そのうち栄養状態が改善してくると分かりますし、アルブミンが正常でもRTPが低ければ、栄養状態は悪いと分かります。
こちらによれば、レチノール結合蛋白の半減期は0.5日、プレアルブミンが1.9日、トランスフェリンが7日だそうです。トランスフェリンは鉄欠乏の時に上昇しますので、注意が必要です。アルブミンは何と21日です。以前書きましたが、半減期は半分になる時間と言う事ではなく、濃度が安定するまでに半減期の3倍(出来れば5倍)かかると言う指標です。
トランスフェリンが一定の濃度になるのには2日あれば充分であり、プレアルブミンも1週間、アルブミンだと2ヶ月近くかかると言う訳です。
ちなみに、「RTP 救急」でググると私のこの記事がヒットします。桑田佳祐さんを例に出していますが、今読み返すと分かりにくい例えですね(^.^)。
適当なことを書いていると看護師さんからツッコミですか。
そうなんですね(笑)。これは痛かったなー、と思い出になった
ツッコミというのはございますか?(^_^)
by stargazer (2011-03-29 00:42)
stargazerさん、コメント&nice!ありがとうございます。
今思い出せませんが、例えばシーベルトとベクレルを間違えた様なレベルです。
逆に看護師さんが間違えた時には、もちろん反撃します(笑)。
by Kim (2011-03-29 07:34)
被災地での診療お疲れ様です。電子子カルテを調べていてたどり着いたのですが、どちらの電子カルテでしょうか。最近ではデルもカルテを扱っているhttp://www1.jp.dell.com/content/topics/global.aspx/sitelets/solutions/industry_application/pub_solutions/dell_electronic_medical_records?c=jp&l=ja&cs=jpgem1ようでその広がりに驚きます。またブログ拝見します。
by Chiemi.S (2011-04-20 17:40)
Chiemi.Sさん、コメントありがとうございます。
うちはソフトウェアサービスのです。
http://www.softs.co.jp/
慣れたので使えますが、最初は使いにくかったです。コンピュータとカルテと言うのは歩み寄りが難しい物ではないかと思っています。
by Kim (2011-04-21 15:55)