ウォッカに足を付けたら酔えるか? [医学関連]
British Meical Journalからです。この雑誌は真面目な医学雑誌なのですが、12月号はクリスマス特集ということで毎年面白い論文が載っています。そのうちの一つを紹介しましょう。
デンマークには、アルコールが足から吸収されるという都市伝説があるようで、それを検討した論文が載っています。「Testing the validity of the Danish urban myth that alcohol can be absorbed through feet: open labelled self experimental study」という論文です。日本語にすれば、「アルコールは足から吸収されるというデンマークの都市伝説の妥当性の検討:オープンラベル試験による自己での検討」となります。原文こちらです。
研究の名前は「the Peace On Earth」と言う名前です。Percutaneous Ethanol Absorption Could Evoke Ongoing Nationwide Euphoria And Random Tender Hugs studyの略で、「経皮的にエタノールが吸収されることは、国全体をずっと幸せにし、無作為に優しい包容を招く」と言うような意味です。すごいアイディアです。
型の如く要約を日本語にしてみます。
目的:アルコールに足を浸すことにより酔うことが出来るというデンマークの都市伝説が本当かどうかを調べる。
研究デザイン:オープンラベル試験、自分達の体で検討(対照群はなし)
研究施設:デンマークの1病院
研究対象:成人3名、平均年齢32歳(31−35歳)、慢性皮膚病、肝疾患はなく、アルコール依存症でもない、向精神薬の依存症でもない。
主アウトカム:一次エンドポイントは、ウォッカ2100mLを入れたボールに足を入れた3時間の間30分毎に測定した血清エタノール濃度(検出限界は2.2mmol/L(10mg/100mL))である。二次アウトカムは酩酊に関連した症状(自信、饒舌になったか、自発的にハグをした数)の自己評価(0−10)である。
結果:血清エタノール濃度は実験中検出限界の2.2mmol/Lより低かった。酩酊に関連した症状の変化は認めなかったが、自信、饒舌になったかという項目は研究開始直後にやや増加した。この原因はセットアップの問題であろう。
結論:我々の研究により、足からウォッカのアルコール成分を吸収することは出来ない事が示された。我々はデンマークに流布しているアルコールに足を浸せば酔えるという都市伝説は、神話であるということを示した。
被験者は男性2名と女性1名だったそうです。たぶん同じ部屋に3人が足をアルコールに浸けていたんでしょう。匂いで酔いそうな気もしますが、、、、お互いハグをする人はいなかったようですね(^.^)。
ちなみにオープンラベル試験とは、被験者、実験を実施する人全てがボールに入れられたアルコールが本物かどうか知っていると言うものです。本当は二重盲検法と言って、被験者も実験実施者も、ボールに入った液体がウォッカかどうか分からないようにして(匂いや色なども同じ液体、、、ってあるのでしょうか?)行う必要があります。そうでないと、本当に正しい試験とは言えません。
また赤いジュースに足を浸すと尿が赤くなるという都市伝説もあるようで、こちらは否定出来ないとあります(^.^)。それから、アブサンと言う濃いお酒があるようで、これは足から吸収される可能性もあると書かれています。本当なんでしょうか。どなたかやってみませんか?
次回の日本合コン医学会のシンポジウムで話し合われる予定です!
デンマークには、アルコールが足から吸収されるという都市伝説があるようで、それを検討した論文が載っています。「Testing the validity of the Danish urban myth that alcohol can be absorbed through feet: open labelled self experimental study」という論文です。日本語にすれば、「アルコールは足から吸収されるというデンマークの都市伝説の妥当性の検討:オープンラベル試験による自己での検討」となります。原文こちらです。
研究の名前は「the Peace On Earth」と言う名前です。Percutaneous Ethanol Absorption Could Evoke Ongoing Nationwide Euphoria And Random Tender Hugs studyの略で、「経皮的にエタノールが吸収されることは、国全体をずっと幸せにし、無作為に優しい包容を招く」と言うような意味です。すごいアイディアです。
型の如く要約を日本語にしてみます。
目的:アルコールに足を浸すことにより酔うことが出来るというデンマークの都市伝説が本当かどうかを調べる。
研究デザイン:オープンラベル試験、自分達の体で検討(対照群はなし)
研究施設:デンマークの1病院
研究対象:成人3名、平均年齢32歳(31−35歳)、慢性皮膚病、肝疾患はなく、アルコール依存症でもない、向精神薬の依存症でもない。
主アウトカム:一次エンドポイントは、ウォッカ2100mLを入れたボールに足を入れた3時間の間30分毎に測定した血清エタノール濃度(検出限界は2.2mmol/L(10mg/100mL))である。二次アウトカムは酩酊に関連した症状(自信、饒舌になったか、自発的にハグをした数)の自己評価(0−10)である。
結果:血清エタノール濃度は実験中検出限界の2.2mmol/Lより低かった。酩酊に関連した症状の変化は認めなかったが、自信、饒舌になったかという項目は研究開始直後にやや増加した。この原因はセットアップの問題であろう。
結論:我々の研究により、足からウォッカのアルコール成分を吸収することは出来ない事が示された。我々はデンマークに流布しているアルコールに足を浸せば酔えるという都市伝説は、神話であるということを示した。
被験者は男性2名と女性1名だったそうです。たぶん同じ部屋に3人が足をアルコールに浸けていたんでしょう。匂いで酔いそうな気もしますが、、、、お互いハグをする人はいなかったようですね(^.^)。
ちなみにオープンラベル試験とは、被験者、実験を実施する人全てがボールに入れられたアルコールが本物かどうか知っていると言うものです。本当は二重盲検法と言って、被験者も実験実施者も、ボールに入った液体がウォッカかどうか分からないようにして(匂いや色なども同じ液体、、、ってあるのでしょうか?)行う必要があります。そうでないと、本当に正しい試験とは言えません。
また赤いジュースに足を浸すと尿が赤くなるという都市伝説もあるようで、こちらは否定出来ないとあります(^.^)。それから、アブサンと言う濃いお酒があるようで、これは足から吸収される可能性もあると書かれています。本当なんでしょうか。どなたかやってみませんか?
次回の日本合コン医学会のシンポジウムで話し合われる予定です!
その昔、胃静脈瘤の治療にアルコールが使われていましたが
確かにその時には、患者さんは、酔っぱらってしまうのが
ちょっと困りました.
by yangt3 (2010-12-18 10:36)
yangt3さん、コメント&nice!ありがとうございます。
肝嚢胞の治療に今でもエタノールを使いますが、やはり酔っ払いますね。
お酒が好きな人には、酔っぱらえる治療がたくさんあると良いですよね。
by Kim (2010-12-18 11:00)
お疲れ様です。
おもしろい実験ですね(^^)
by Bluemoon (2010-12-18 17:47)
Bluemoonさん、コメント&nice!ありがとうございます!
この雑誌毎年面白い研究を載せているのですが、テーマを決めて募集しているのか、こう言うのを投稿してくる人がいるのか、、、、、興味深いです。
私もいつか載せてもらえるように頑張ります!!
by Kim (2010-12-18 18:38)
これは面白いですね、欧米のこういう科学的な冗談に寛容な姿勢は日本ももう少し見習ってもいい気がします。
by ask (2010-12-19 02:02)
askさん、コメントありがとうございます。
確かに日本でも是非と思いますよね。
by Kim (2010-12-19 09:26)