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蘇生講習会を医師でない者が受ける意義(その2) [講習会]

 大した話ではないのに記事にしたシリーズ第2弾です。

 前回はコメディカル(と言うのは日本語だと聞いた事がありますが)として手伝える事が分かると言う話でした。今回は医師への温かい気持ちが芽生えるでしょうと言うお話です。

 蘇生講習会では、最後に実技試験がある事が多いです。実技試験は受講生を試すために行うのではなく、ちゃんと理解してくれたかどうか、そしてそれを実際に行えるかを確認するために行います(知識として知っていても実際に実演できなければ意味がありません)。もし出来なかったら「駄目じゃないか!認定証は出さない!」と言う訳ではなく、出来ない所を把握して出来るようになってもらいたいのです。だから試験に落ちても全然問題ないのですが、めっちゃ緊張します(自分もそうでした)。時には泣き出す人もいます。コース後のアンケートでは、試験ブースでのインストやアシスタントの態度について苦情が書かれる事もあり、いかに緊張した気持ちでいるかが分かります。

 さて、人形相手に行っても緊張するのです。人形は死にません(生きていませんから)し、訴える家族もいません。なのに、超緊張します。

 実際の患者さんだったらどうでしょう??

・軽症だと思って帰宅させた患者さんが心肺停止!救急車で来院!!
・軽症だと思って入院させた患者さんが病棟で心肺停止!
・昨日手術したばかりの患者さんが呼吸停止!!

 担当医の精神状態は普通じゃありません。何で、、、、どうして、、、、、言葉になりません。

 そして、あの時入院させておけば、あの時あの検査をしておけば、やっぱり手術するんじゃなかった、、、、と後悔します。

 こわ〜いご家族の顔が浮かんだり、もし逮捕されたらどうしよう、、、、、自分の家族の顔が浮かんだりもします。

 心肺停止時の担当医の精神状態は大変なんです。

「ボスミン!」と言ったら、「先生!何アンプルですか?!」と聞き返すのが正しいのですが、正常な人でなくなっているので「そんなん1アンプルに決まっているだろ!お前この前ACLS受けたばっかりじゃないか!いちいち聞くな!!!」となる場合もあります。

 もちろん、怒ったらいけないのは分かっているのですが、自分がコースで試験を受けていた時よりも緊張した精神状態なんだろうな、、、、と思えば、少しはドクターに優しくなれるんではないでしょうか?

 私が関わっている講習会では気管挿管もまだ(2000年のコースではどこでもやっていましたよね)教えています。医師以外の方には、「難しいでしょ〜、だからなかなか入らなくても、温かい目で見て下さい」と言っています。

 でも相手の立場になって考える事はとても難しいですね。

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羽鳥・


先日の琵琶湖近辺のコースは、がっつり仕事につかまってしまい、
お手伝いどころか、のぞきにいくことすらできませんでしたTT
個人的には、ガイドライン2010が出たこともあって、どんな風にインストされるのか興味があったのですが。

ERで、状態が安定していた患者さんが急変する。そのときの驚愕と焦りは、現場にいる人間でしかわからないものがありますよね。
私もそんな現場にたまに遭遇します。そんなとき、いかにチームを
活性化させ、Drたちをフォローするか、看護師だけでなくコメディカルスタッフ全員が認識していたら、素晴らしい蘇生チームができると思います。
この次は、お手伝いというか遊びに行きたいですね~^^
by 羽鳥・ (2010-11-25 13:07) 

Kim

羽鳥・さん、コメントありがとうございます。

次回は是非遊びに来て下さい!!

前回のコースではBLSとプライマリーサーベイのみ2010年バージョンで講習しました。が、2005年バージョンでも問題なしとしました(が、BLSの試験では2010年でなかったら落としていたようです)。

あとアトロピンを忘れても、あえて指摘しないようにしていました。

みんなが協力しあって、良いチームが出来るような努力が大切ですね。

来月は東京であるようですよ。いかがですか??

by Kim (2010-11-25 13:21) 

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