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超音波検査で門脈の壁が何故白く見えるか? [医学関連]

 エコーで門脈はなぜ壁が白く見えるか? 書くと言っておいて書いていませんでした。すみません。コメント頂いたので、、、、ありがとうございました。

 まず、前回の記事を参照して頂きましょう。人体内の脂肪はエコー検査で白く見えるのでした。

 肝臓のエコーをすると、肝臓の中に2種類の管が見えます。一つは壁のエコーがなく突然黒くなるもの。もう一つは白いものの中に黒い管があるものです。前者は肝静脈であり、 後者は門脈、胆管、肝動脈です。通常は門脈が目立ちます。

 例えば、こちらのホームページの画像でも分かります。壁が白いのは門脈、右の画像の胆のうのすぐ左にある脈管は肝静脈(おそらく中肝静脈)です。

 どちらも単独では同じ様なものなのですが、、、、何故かエコーで見ると違うものになります。これらの区別は走行でも出来ますが、壁が白いかどうかでも区別出来ます。

 肝静脈は実際に見て頂くと分かりますが、壁がペラペラです。また周囲の肝細胞とエコーレベルが変わらないのでしょう。だから肝細胞は壁のエコーがありません。 ちなみにエコー検査はどんな薄い物でも、音響インピーダンスが異なれば検出出来ます。

 門脈はこちらの様にグリソン鞘の中にあります。グリソン鞘は門脈、胆管、肝動脈が入っていますし、当然ですが、これらの脈管以外の部分に少しは脂肪などがあります。よって門脈の壁には高エコーが存在します。

 エコーで肝臓を見た時に、白い管があれば、少なくとも正常な肝静脈ではないと言えるでしょうね。

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クラブナビ

>人体内の脂肪はエコー検査で白く見えるのでした

うわ...

「脂肪がね~」と先生が指を差した先には
全体が白っぽ~くなった私のフォアグ・・・いや,肝臓が

やっぱりあの写真は脂肪がノリノリの肝臓なのですね
by クラブナビ (2010-10-26 20:13) 

Kim

クラブナビさん、コメントありがとうございます。

確かに肝臓が白いのは脂肪肝ですね。

お酒を控えると良いかもしれません。お酒じゃないからビールは良いんだとか言わないで下さいね(笑)。

by Kim (2010-10-26 22:09) 

Kim

EMさんのコメントです。ソネットの不具合なのか、リンクとして私のブログ/メールアドレスとなっていましたので削除しました。


グリッソン鞘に包まれているので白っぽく見えるのは、最近しったのですが。細かいところは知りませんでした。
とても勉強になり、ありがとうございました。

仕事のほうが忙しく、パソコンをしばらく見ていなくて、コピーをとって自分のノートに保存しました。
ちなみに、乳腺エコーもはじめました。
乳腺においては、脂肪は、高エコーで黒っぽくみえます。
音響インピーダンスが違うからといえば、ひとことですみますが
とても難しいです。
dr、万波もしかしてご存知ではないでしょうか?
以前、宇和島市立病院で一緒でした。

by EM(2010-11-14 12:15)
by Kim (2010-11-14 22:46) 

Kim

EMさん、コメントありがとうございました。お役に立てて幸いです。

乳腺エコーを始められたのですね、頑張って下さいね!!

ちなみに、以下の分は何かの勘違いではないでしょうか??

> 乳腺においては、脂肪は、高エコーで黒っぽくみえます。

 「低エコーで黒っぽく」ではないでしょうか?エコーが高いか低いかと言うのは、他の組織との比較でもありますし、絶対値ではないので難しいですよね。

それから私は万波先生と面識はありません。すみません。

by Kim (2010-11-14 22:54) 

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