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ガイドラインと実際の診療は異なる場合があります。 [医学関連]

 前回の記事にコメント頂きました。お返事が長くなりそうだったので、記事にさせて頂きます。ネタの提供ありがとうございます!

 ガイドラインの目的の一つは簡略化です。ガイドラインはある程度のスキルがある人ならば同じように行えることを目的とします。医学のガイドラインであれば、医者ならば誰でも行えるのが理想です。

 よって、大きな病院でしか出来ない治療、例えば世界で一人しか行えない手術などはガイドラインには入りません。
 これもある、あれもある、いやこっちも、、、、みたいなのは、読んだ人が「じゃあどれを選んだらいいんだ!!」となるので、良いガイドラインではありません。細かい所は省略せざるを得ません。

 日本合コン医学会のガイドラインで考えてみます。

 例えば、「合コンには高級な腕時計をして行くべきであるが、相手が客室乗務員の場合には馬鹿にされるリスクが高いので、時計はしない方が良い。また身長が165cm以下の人の場合出来るだけ大きな時計が良い。年齢が30歳以上であれば携帯で時間を確認しても良い。」というガイドラインがあったとします。

 いざ時計を、、、という時、えっと今日は相手が婦人警官だったから、、、、腕時計をしない方が良かったんだっけ?あれ?という感じで、覚えられません。例外は無視すると言うのが原則です。

 BLSのガイドラインでは、仰る通り気道確保だけで助かる人もいますし、2005年のCoSTRと言う文書には蘇生を辞めたら生き返ったと言う報告も載っています(こちらの9ページ)ので呼吸の確認をのぞくのは良くないかも知れません。

 しかし、そう言ったまれな事は取り敢えず無視するのがガイドラインです。呼吸の確認と言っても正しく評価できる人は少ない(医療関係者ですら)ので、ええい!なしにしちゃおう!!と言う雰囲気なんでしょう。55BULLさんは実践して構いません。

 合コンのガイドラインであれば、客室乗務員と合コンする様な人は達人でしょうし、30歳以上の人はもう合コンしないでしょう、、、と言う事で、「合コンには高級な腕時計をして行くべきである」と言うガイドラインになるべきです。

 ちなみに、ガイドラインにこうあったからとそれ以外の事を許さないと言う風になると困ります。ガイドラインに従っていれば何でも解決すると言うような簡単な世界ではありません。

 しかし、裁判などではこうなるので辛いです。ガイドラインではこうすべきであったのにしなかった等と言われてしまいます。そう言われてもねえ、、、、と思うことはしばしばです。前にも紹介しましたが、イチローさんがセオリーに合わないプレーを以前したそうです。なぜあそこであんなプレーを?と記者に聞かれたら、「引退したら話します」と言ったそうです。私も一度言ってみたいです。
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Kim

高級腕時計の根拠は後日UPします!

by Kim (2010-10-21 10:34) 

55BULL

ありがとうございました。
実践する・・・機会というものが、あるのか分りませんが?
by 55BULL (2010-10-21 20:39) 

Kim

55BULLさん、コメントありがとうございます。

実践する機会がない方がもちろん良いですが、いざと言う時使える様普段から練習しておきましょう。

まれな事象は続く事があると言うポアソン分布と言うのがあるらしいですから。

by Kim (2010-10-21 20:50) 

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