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ヘリコバクターピロリの除菌判定について勉強しましょう [医学関連]

 ヘリコバクターピロリは胃十二指腸潰瘍の原因でもあり、胃癌の原因でもあると言われている細菌です。現在の胃十二指腸潰瘍の治療は、ピロリ菌の除菌を考えずにはいられません。除菌については別に勉強する事として、、、、

 ピロリ菌の治療(除菌と呼んでいます)をした後、それが成功したかどうかを調べる必要があります。今回はそれについて勉強しましょう。治療法とか、その他色々は少しずつ書いてみますね。

 ピロリ菌がいない事を知りたいのですから、感度(そうである物をそうであると診断する割合)が高い検査を行いたいです。

 ピロリ菌の検査には現在以下の物があります。

(1)侵襲的検査法(つまりは内視鏡を行う必要がある)
 ・迅速ウレアーゼ法
 ・組織鏡検法
 ・培養法
(2)非侵襲的検査法(内視鏡を行う必要がない)
 ・尿素呼気試験
 ・便中ピロリ抗原検査
 ・抗ピロリ抗体検査(血清、尿、唾液など)

 個々の詳細についてはまた書きます。



いきなり名医!ピロリ除菌治療AtoZ―もう迷わない保険診療を基本とした除菌治療 (jmed mook)

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  • 出版社/メーカー: 日本医事新報社
  • 発売日: 2010/06
  • メディア: 単行本


 (1)は小さな組織を採取して検査するので、その組織の中にピロリ菌がいるかどうかしか分かりません。胃粘膜全体を調べる事は出来ないので、特異度は高い(陽性であればピロリ菌がまずいるでしょう)ですが、感度は低いです(陰性であっても他の場所ならば陽性かも)。胃カメラをしたついでに行い、感染があるかどうかに使う事が多いです。つまり感染の診断には使えますが、除菌判定にはあまり好ましくありません。

 (2)は内視鏡を必要としませんし、割と簡単に出来て、(1)が点の検査に対して、面の検査と言えます。現在は(2)を用いる事が勧められています。

 (2)の中でも抗体検査は一度陽性となると、菌がいなくなっても検査が陰性となるのに1年ぐらいかかる事もあるらしく、尿素呼気試験か便中ピロリ抗原検査が良いと言われています。

 尿素呼気試験の感度は98%、便中ピロリ抗原検査は96%だそうです。

 それから、これらの検査の欠点?は除菌後の疑陽性が結構あるんだそうです。除菌後に陽性と出ても、直ちに再除菌するのではなく、経過観察するのが望ましいそうです。外科医はせっかちな人が多いと思いますが、ピロリ菌の治療は気長にするのが良いみたいです。確かについこの前感染したのではないでしょうから、急いで殺す必要もありません。すぐ癌になる訳でもありませんしね。少しずつその他について書いて行きますね。

 慌てない慌てない、一休み一休み、、、、、もう知っている研修医はいないのかも、、、、


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yangt3

その昔、進之介さん!と呼ばれてました(^.^)
by yangt3 (2010-09-12 09:31) 

Kim

yangt3さん、コメント&nice!ありがとうございます。

理由が分かって面白いです(^.^)。

by Kim (2010-09-12 10:16) 

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