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熱中症に注意しましょう [救急専門医試験]

 熱中症と言う病気があります。物事に熱中して困ると言うものではありません。色々な原因で体内に熱がたまり、脳が指示する体温以上に体温が上昇するために様々な症状が出て、最悪の場合死亡してしまうと言う病気です。

 救急科専門医必須のテキストである「救急診療指針改訂第3版」のP.349には「温熱環境によって生じる全身的な病態を総称して熱中症と呼び、様々な重症度にわたる複数の疾患を含める」と書かれています。

 予防法は簡単です。暑い所での作業は短時間にする(長時間必要な場合には休みを頻繁に入れます)こと、水分を十分とること、クーラーや扇風機を我慢しないで適度な環境で過ごすことです。

 下手をすれば死んでしまいますので注意しましょう。

 もし熱中症になったかなと思われたら、大切なのは体温を下げる事です。最も有効な方法は何だかご存知ですか??霧吹きで水分を皮膚に与え、風を送って乾かす事です。何と病院の救急外来でも行います。当院は扇風機がないので、看護師さんや我々がうちわで一生懸命仰ぎます。
 あまりに冷たいものを当てると血管が収縮してしまい、その部分の温度は下がりますが、全身の温度は下がりません。アルコール綿でふくと言うのも同じ理由であまり適切ではありません。

 覚えておきましょう。

 日本救急医学会の熱中症特別検討委員会が、2008年に実施した「熱中症の実態調査」の結果を発表しています。興味のある方はご覧下さい(医学論文です)。

 専門医を目差す方は、以下の問題が出るかも知れませんので勉強しておきましょう。

問題 熱中症について正しいものはどれか。
(a)熱中症はI度からIVに分類され、IV度が最も重症である。
(b)以前のheat crampはII度に分類される。
(c)熱射病では発汗の停止が必発である。
(d)熱射病では縮瞳が高率に認められる。
(e)殆どの患者でI度から順番に進行し、熱射病となる。

 答えを知りたい方は、こちらのページをご覧下さい。私の個人的なホームページですが、参考にされて下さい。
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