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妊娠中にインフルエンザワクチンを打って良いか? [医学関連]

 インフルエンザについての話題が続きますが、、、、お付き合い下さい。

 通常妊婦さんには予防注射はしません。色々な理由がありますが、ほとんどの薬は妊娠中にはデータがないので投与しない事が望ましいとなっています。しかし、そう言っていたら妊婦さんの治療は出来ません。
 しかし、予防注射は、、、、、どうしても必要と言う訳ではありません。インフルエンザであれば、約10%の人しかかからないからです。よって妊婦さんにはインフルエンザワクチンを始めとする予防注射をしない事が多いです。

 しかし、妊婦さんも打てるようになりました

 日本産科婦人科学会日本産婦人科医会ガイドラインを作ったのです。ネットで見られないのが残念ですが、、、、、

 別の文献から考察してみます。

 アメリカの疾病予防局 CDCが出している文献によれば(ダウンロードしたものの12ページ)、

 妊娠中にインフルエンザワクチンを投与しても、抗体は通常どうり産生される。
 妊婦の抗体は胎盤を通して乳児にも与えられるので乳児のインフルエンザの予防にもなる。

と言う事で、有用だそうです。ワクチンの投与により、治療が必要な急性の呼吸器疾患の発生が少なくなるのですが、インフルエンザの症状の出現率は変わりなかったそうです。

 14ページによれば、妊娠中にインフルエンザワクチンを投与しても、副作用はほとんどなかったとの事です。

 最後には勧告として、、、「妊娠中の女性はインフルエンザによる合併症のリスクが高く、インフルエンザの流行期に妊娠中あるいは妊娠する予定のある人はインフルエンザワクチンの接種を受けるべきである。アメリカ産科婦人科学会とアメリカ家庭医学会は、すべての妊婦にインフルエンザワクチンの接種を勧めています。」

 しかし、通常一般医はうってくれないでしょうから、かかりつけの産婦人科の先生に相談されるのが良いでしょう。私ですか?私は専門じゃないので、、、もちろんお断りします。添付文書が変わった訳ではないので、何かあった場合に、、、、、逮捕されるかも知れませんから。専門医でもない、添付文書で禁止されている、、、、ガイドラインでは問題ないと言われています!と訴えても聞き入れてもらえないかも知れません(+_+)。

 早く添付文書が変更される事を祈るばかりです。



 Pregnant women are at risk for influenza complications, and all women who are pregnant or will be pregnant during influenza season should be vaccinated. The American College of Obstetricians and Gynecologists and the American Academy of Family Physicians also have recommended routine vacci­
nation of all pregnant women (357). No preference is indicated for use of TIV that does not contain thimerosal as a preservative (see Vaccine Preservative [Thimerosal] in Multidose Vials of TIV) for any group recommended for vaccination, including pregnant women. LAIV is not licensed for use in pregnant women. However, pregnant women do not need to avoid contact with persons recently vaccinated
with LAIV.


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へびぱく

予防接種好きの米国では、以前から、
妊婦はインフルエンザ・ワクチンを接種すべき対象になっていました。
日本人は基本的にワクチン接種嫌いですからね。
公共の見地からは皆が打つべきです。
僕は嫌だけど。
by へびぱく (2009-01-19 08:39) 

TOMOちゃんズ

CDCではなく、日本の学会からガイドラインが出たのは
素晴らしいですね.
妊婦さんの治療は、内科として
なかなか判断に苦しむ事が多いです.
これで安心して予防接種の話ができますね.
by TOMOちゃんズ (2009-01-19 08:47) 

Kim

へびぱくさん、コメントありがとうございます。

日本のワクチンは優秀であると言うのは嬉しいですよね。

私はワクチンうっています。患者さんにはどうすべきか悩んでいる所ですが。


by Kim (2009-01-19 09:24) 

Kim

TOMOちゃんズさん、コメント&nice!ありがとうございます!

妊婦さんは今の時代産婦人科の先生しか関わりにくいですよね。風邪で薬出して胎児に何かあったら、、、一度相談してからにすべきだったなんて言われそうです。


by Kim (2009-01-19 09:26) 

shiraisi

こんばんは。

うーん…難しい問題ですね。インフルエンザも去る事ながら、妊婦にとって風疹も問題ですよね。
浸透すると、良いですね…
by shiraisi (2009-01-19 23:22) 

Kim

shiraisiさん、コメントありがとうございます。

医療だけではないと思いますが、ある方面を優先すれば、他がおろそかに、、、、難しいです。


by Kim (2009-01-20 00:17) 

もーりー

通りがかりの若輩の小児科医です。
BLSインストラクターを目指しております

妊婦に対するインフルエンザンの予防接種はNEJで、
接取した妊婦から出生した児の6か月までのインフルエンザ罹患を減らし、
さらになぜか他の呼吸器疾患も6割程度予防できたという報告がありました。

小児科医としては、
是非ともお勧めしたいです
by もーりー (2009-01-24 01:54) 

Kim

もーりーさん、コメントありがとうございます。

乳児の病気を減らすと言うエビデンスがあるのですね。勉強になります。

BLSインストラクター頑張りましょう!ついでにPALSもいかがでしょうか?
by Kim (2009-01-24 08:26) 

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