カテコラミンを何故ブドウ糖で溶かすのか? [研修医教育]
最近ある方からメールが来ます。今お勤めの病院での色々なことが問題があると感じておられるようで、少しずつお返事しておりますが、それをついでに?こちらに載せておきます。他に役立つ人が一人でもいればと思いますし、折角書いたお返事なので、ブログに載せておくと自分にも役立つ(後で検索しやすいので)かなと思いました。
また、このブログに書いてあったと言えば、結構な説得力がある可能性が少しあるので(^^)。近くの病院の看護師さんの勉強会の資料に使われたりしているようですから。
今日はカテコラミンを何で薄めるか?と言うお話です。最近このテーマでブログを書いた気もするのですが、ブログは同じ事を何度でも書いて良いと誰かが言っていましたので、また書いてみます。大事なことは何度でも言えば良いとビリギャルの本に書いてありました。
さて、皆さんの病院にあるドパミンのキットをご覧ください。カタボンとかプレドパとか、キャサリンとかです。キャサリンについては以前記事にしました(^^)。
ほぼ間違いなくストレートでもウーロン茶割りでもなく、水割りになっているはずです。つまりブドウ糖で薄めてあります。生理食塩水で薄めてある製剤は見たことがありません。
病院によっては、ドパミンのアンプルを点滴に入れて、何かで薄めて投与する場合があると思います。その時に生理食塩水ではダメなのですか?と聞かれたりします。
先に結論から。
カテコラミンを薄める時にはブドウ糖が良いです。
でも、生理食塩水でも良いです。
どっちか決めてや〜!と言う場合にはブドウ糖にしましょう。理由は以下に説明します。
まず薄めると言うことですが、例えば1mg/mlと言う濃度(カタボンだとLowはこの濃度です)にした場合、時間3mlで投与すれば体重50kgの人で1ug/kg/minになります。血圧が低くて重症であり、10ug/kg/min投与する必要がある人がいたとします。
この人には30ml/時で点滴が必要です。24時間で720mlです。カテコラミンだけで720mlも水が入るのは困ると考えて、3mg/mlの溶液にしました(カタボンだとHighはこの濃度です)。すると時間10mlでいいので、240ml/日になります。
もし、生理食塩水で薄めていたとすると、生理食塩水が240ml入ります。生理食塩水240mlには154mEq/L×0.24L=36.96つまり約37mEqのナトリウムが含まれています。人間は1日1mEq/kgのナトリウムが入れば良いと言われています。体重50kgの人の5分の4の塩分がカテコラミンだけで入ってしまいます。他に抗生物質とか、抗潰瘍薬とか、輸血をするとか、色々しているとナトリウムが大量に入ってしまいます。よって、ブドウ糖で溶かせば、カテコラミンをいくら入れてもナトリムは少ししか入りません。薬を作る都合で、酸化を防ぐとか色々で添加物が入っていますので、ナトリウムが全くゼロという事はないでしょうから。
なので、カテコラミンを薄める時にはブドウ糖にしましょう。
しかし、緊急時には生理食塩水でも良いです。患者さんがICUに入ったり、救急外来から病棟へ移った時に、そのまま生食+イノバンを続けても良いですし、次に更新する時にはブドウ糖にしても良いですし、カタボンなどのキット製剤にしても良いです。あるいは他でナトリウムを制限すれば良いです。
救急外来で生理食塩水でカテコラミンを薄めて病棟に入院した後、「なんで生理食塩水で作っているんだ!!塩分過剰になるだろ!」と怒る人がいたら、自信のない可哀想な人だなと思うようにしましょう。
以下のようなことをつぶやいてみれば、怒りも収まるかも知れません。
・今イノバンを開始してから1時間です。時間10mlで入れていますから、生理食塩水は10mlしか入っていません。カテコラミンの投与によって患者さんに投与されたナトリウムの量は1.54mEqで誤差のような物です。例えばセフトリアキソンを粉のままで入れられたとして、1gでナトリウムが3.61mEq入りますが、抗生物質も入れないのですね。
・ちょこっと塩分入れたぐらいで問題が起こる人は、家で食事しても問題が起こります。そんなことで文句言うなら、あなたがこの患者さんを24時間年中無休で診るべきではないのですか?例えばパンを食べると1g程度の塩が入ります。NaCLが1gで17mEqです。パンを通常量の17分の1以上食べちゃいけないんですか?
と言う事をするよりも、こういった動画を診て癒やされる方が良いですね(^^)。
また、このブログに書いてあったと言えば、結構な説得力がある可能性が少しあるので(^^)。近くの病院の看護師さんの勉強会の資料に使われたりしているようですから。
今日はカテコラミンを何で薄めるか?と言うお話です。最近このテーマでブログを書いた気もするのですが、ブログは同じ事を何度でも書いて良いと誰かが言っていましたので、また書いてみます。大事なことは何度でも言えば良いとビリギャルの本に書いてありました。
さて、皆さんの病院にあるドパミンのキットをご覧ください。カタボンとかプレドパとか、キャサリンとかです。キャサリンについては以前記事にしました(^^)。
ほぼ間違いなくストレートでもウーロン茶割りでもなく、水割りになっているはずです。つまりブドウ糖で薄めてあります。生理食塩水で薄めてある製剤は見たことがありません。
病院によっては、ドパミンのアンプルを点滴に入れて、何かで薄めて投与する場合があると思います。その時に生理食塩水ではダメなのですか?と聞かれたりします。
先に結論から。
カテコラミンを薄める時にはブドウ糖が良いです。
でも、生理食塩水でも良いです。
どっちか決めてや〜!と言う場合にはブドウ糖にしましょう。理由は以下に説明します。
まず薄めると言うことですが、例えば1mg/mlと言う濃度(カタボンだとLowはこの濃度です)にした場合、時間3mlで投与すれば体重50kgの人で1ug/kg/minになります。血圧が低くて重症であり、10ug/kg/min投与する必要がある人がいたとします。
この人には30ml/時で点滴が必要です。24時間で720mlです。カテコラミンだけで720mlも水が入るのは困ると考えて、3mg/mlの溶液にしました(カタボンだとHighはこの濃度です)。すると時間10mlでいいので、240ml/日になります。
もし、生理食塩水で薄めていたとすると、生理食塩水が240ml入ります。生理食塩水240mlには154mEq/L×0.24L=36.96つまり約37mEqのナトリウムが含まれています。人間は1日1mEq/kgのナトリウムが入れば良いと言われています。体重50kgの人の5分の4の塩分がカテコラミンだけで入ってしまいます。他に抗生物質とか、抗潰瘍薬とか、輸血をするとか、色々しているとナトリウムが大量に入ってしまいます。よって、ブドウ糖で溶かせば、カテコラミンをいくら入れてもナトリムは少ししか入りません。薬を作る都合で、酸化を防ぐとか色々で添加物が入っていますので、ナトリウムが全くゼロという事はないでしょうから。
なので、カテコラミンを薄める時にはブドウ糖にしましょう。
しかし、緊急時には生理食塩水でも良いです。患者さんがICUに入ったり、救急外来から病棟へ移った時に、そのまま生食+イノバンを続けても良いですし、次に更新する時にはブドウ糖にしても良いですし、カタボンなどのキット製剤にしても良いです。あるいは他でナトリウムを制限すれば良いです。
救急外来で生理食塩水でカテコラミンを薄めて病棟に入院した後、「なんで生理食塩水で作っているんだ!!塩分過剰になるだろ!」と怒る人がいたら、自信のない可哀想な人だなと思うようにしましょう。
以下のようなことをつぶやいてみれば、怒りも収まるかも知れません。
・今イノバンを開始してから1時間です。時間10mlで入れていますから、生理食塩水は10mlしか入っていません。カテコラミンの投与によって患者さんに投与されたナトリウムの量は1.54mEqで誤差のような物です。例えばセフトリアキソンを粉のままで入れられたとして、1gでナトリウムが3.61mEq入りますが、抗生物質も入れないのですね。
・ちょこっと塩分入れたぐらいで問題が起こる人は、家で食事しても問題が起こります。そんなことで文句言うなら、あなたがこの患者さんを24時間年中無休で診るべきではないのですか?例えばパンを食べると1g程度の塩が入ります。NaCLが1gで17mEqです。パンを通常量の17分の1以上食べちゃいけないんですか?
と言う事をするよりも、こういった動画を診て癒やされる方が良いですね(^^)。
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