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セルシンは単独投与でなければならないのか? [医学関連]

 先日研修医の先生に鎮静剤についてのミニレクチャーをさせていただきました。私は鎮静にセルシンを使うのが好きなので、セルシンを紹介しましたが、持続静注では使わない方が良いと言う記載を発見し、自分の診療を変えることになりました。

「末梢静脈から投与するとしばしば局所の疼痛や静脈炎を起こす、作用時間が長く調節性が悪い、長期間の連用で覚醒遅延を生じる、など問題も多いため緊急時のボーラス投与のみに使用することを推奨する(推奨度B)」(人工呼吸中の鎮静のためのガイドライン)とのことです。

 そこで、研修医の先生から質問がありました。「セルシンは白濁するということですが、白濁した者を体内に入れたらどうなるんですか?」と。
 鋭すぎます。全く分かりません。調べておきますとしか言えませんでした。

 色々調べてみると、セルシンは水に溶けにくいためアルコールに溶かしてあるそうです。水と混ざるとアルコールと水が仲良しなので、セルシンの結晶が析出して白濁するんだそうです。よって、薬の効きが悪くなると言う事だそうです。こちらのサイトをご覧ください。

 まず単独投与というのが本当に出来たとして、血液に入った瞬間に水と混じることになるので、同じように白濁するのではないかという疑問があります。こちらについて調べた範囲では答えがありませんでした。

 また、単独投与と言っても、まず点滴ルートを確保する時に何かの液体でルートを満たす必要があります。翼状針で注射するにしても、血液でルート内を満たすでしょうね。やはり白濁しないのでしょうか?生理食塩水で後押しする事もあるでしょうが、その時にも白濁するのではないでしょうか?

 色々聞いてみると、生食で薄めたら大丈夫ではないかという意見もありました。しかし、見た感じ白く見えなければそれで良いのでしょうか?点滴にジアゼパムを混注してしまったため、裁判で訴訟の争点になったことがあるようです(が、その訴訟は原告敗訴になっています)。

 ジアゼパム(商品名セルシン)はやはり単独で投与するしかないのでしょうかね。

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