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転院前に検査や治療をどこまで行うべきか? [研修医教育]

 病院は役割が色々あり、一つの病院で全てを行うことは不可能です。私が勤める病院は2.5次救急ぐらいまでの病院なので、例えば重症熱傷などは治療できません。よって、当院で治療できない場合には転院となります。他にも入院治療が出来ない病院であれば、入院となる患者さんはそれ以上の加療が出来ません。

 さて、その場合、検査や治療をどこまで行うべきか悩むところです。例えば、検査の多くは患者さんを受け入れた病院では再度行われます。そうすると、送り先の病院で検査をすることは無駄ではないか?と言う考えも出てきます。また、検査は色々なやり方があり、こう言う病気を疑っているから、こう言うやり方でと言う医師の指示が大切です。よって、専門でない医師がオーダーした検査は、専門医が検査を見てもよく分からない場合もあります。

 よって、専門の医師に診療を依頼するか、転院するかのばあい、緊急を要しない検査や治療は原則しないのが良いと思われます。しかし、何で検査やってないと言われることが多いです。

 それでも検査をしなくて良いと言う風に思いたいです。こちらのホームページにある文章も是非お読みください。

 以下引用です。

 したがって軽症のSAHを発症後すみやかに診断するためには病歴が頼りとなる。SAHの訴えの中で一番感度が高いのは頭痛だから、具体的には、突然発症の頭痛を訴える意識清明の患者さんが来院したら、CTもとらず、腰椎穿刺も行わず、そのまま脳神経外科に紹介するのが上策となる。紹介元としては、もしSAHでなかった場合を考えると、単に突然発症の頭痛というだけで、CTも撮らずに脳神経外科に紹介するのは気が引けるという向きもあるかもしれないが、診立て違いを恥じたり、紹介先に遠慮する必要は全くない。純粋な医療原則よりも、むしろこういった遠慮が軽症SAHの紹介を遅らせる主な原因になっていることを強調しておきたい。紹介先のあなたも、患者さんも、そして紹介先の脳神経外科医も、SAHの診断がはずれれば万々歳であることをあらかじめ納得して、以後の診療に臨めば、“こんな軽症で大げさな”という気持ちや、診立て違いを恥じる気持ちには決してならないはずだ。
 紹介元であるあなたの施設でCTを撮影したとしても、その結果如何にかかわらず、紹介先の脳神経外科では、SAHをより鋭敏に捉えるために、造影CTも含めて撮影条件を工夫してCT取り直すことはわかりきっている。なのにあなたが余計な手間隙をかけている間に再出血でもされたら、それこそ元も子もなくなってしまう。真っ当な脳神経外科医であれば、たとえ腰椎穿刺までやってSAHが否定されたとしても、患者さんとともにSAHでなかったことを喜ぶとともに、どんな軽症のSAHも見逃さないとするあなたの熱意を、患者さんの目の前で誉めてくれるはずだ。

 引用以上。

 と言う事ですが、このような医師に出会ったことありませんね。自分で自分を褒めておきます(^^)。
 先日は単純レントゲンで明らかに診断できた患者さんを、諸事情により某病院へ転送したら、CTも撮ってないんですか?と言われました。どうせそっちで撮ると思ったから撮らなかったんです、、、それから診断は明らかですし、転院に必要な情報だけあれば良いんじゃないの?と言う独り言です、、、たぶん。


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