SSブログ

口呼吸をしている人にも経鼻カニュラは有用です。 [医学関連]

 こちらの記事のアップデート(と言ってもあまり変わらない?)です。大切な事は何度でも!

 患者さんに酸素を少し(3L/分ぐらいまででしょうか)流したい時に経鼻カニュラと言うものを使います。鼻に酸素を放出する器具です。この時に、患者さんが口呼吸をしていると意味がないという迷信があり、そう言う場合にフェイスマスクで同じ(例えば1L/分)酸素流量で投与すると言うことが行われています。

 まず、こちらの記事に書きましたが、フェイスマスクは4L/分以下だと呼吸努力が必要であり二酸化炭素がたまる可能性があるようです。よって、口呼吸だからフェイスマスクに変えると言うのであれば、酸素流量を出来れば5L/分以上にするのがよいでしょう。

 また、口呼吸であってもSpO2が保たれていれば、全然問題がありません。そもそも、流量が1L/分だったとして、ペットボトルの大きなものだけの量が1分間で出てきます。鼻の大きさは250ml程度らしいです。数分たてば、顔の周りは酸素で一杯になるはずです。SpO2が上がらなければ、それは口呼吸のせいではなく、肺の問題なのではないでしょうか?つまり酸素の流量が足りないのだと思います。

 経鼻カニュラを口に当てるという方法も聞いたことがあります。見た目は変ではありますが、こちらの方が理にかなっていると思います。

 また、口呼吸だからとフェイスマスクで1L/分流したところ、SpO2が上がったとして、患者さんに良いことをしていると言えるのでしょうか?SpO2は患者さんの指標のほんの一部でしかありません。SpO2は直接動脈血二酸化炭素分圧を測れませんから、SpO2が上がっているけど二酸化炭素がたまってきているかも知れませんし、患者さんはより苦しいのかも知れません。

 もちろん、口呼吸だからフェイスマスクにすると言うことが絶対にダメだとは思いませんが、患者さんが余計苦しんでいる可能性がある、二酸化炭素がたまる可能性があると言う認識を持って行う必要があるでしょう。


nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

nice! 6

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。