やっぱり奇跡だし、ヒーローはヒーローでしょう：救急科専門医木村圭一の独り言＠鹿児島県鹿屋市：SSブログ

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やっぱり奇跡だし、ヒーローはヒーローでしょう　[飛行機について] [編集]

　先日のバードストライクによると思われるエンジン停止によりハドソン川に着水した旅客機のパイロットをヒーロー扱いする事に疑問が出されています（宇多田ヒカルさんが書いているらしいです。リンクがわかりません。すみません）。

　理由は色々でした。色々が知りたいですよね。忘れちゃいました。すみません。

　しかし、このパイロットは、「任務を遂行しただけだ」と言っているそうです。かっこいい、、、、やっぱりヒーローでしょう！

　映画化の話も出ているようです。確かに感動する話になるでしょうが、2時間ももたせられるのでしょうか？

　毎日色々訓練しており、例えばハドソン川に着水すると言う事態を想定していたとしても、実際に行うのはかなりの判断とスキルを必要とするでしょう。

　例えば、交通事故で肝臓が破裂して大出血して心停止しそう、、、、と言う状況があった場合、直ちに左開胸をして下行大動脈を遮断するか、大動脈遮断バルーンを入れると良いと思いますが、周囲のスタッフが「え〜？」と言う反応をしたり、別の医師が違う判断をしたりした場合など実行するのは難しい場合があります。実行するにしても、遮断バルーンがなかったり、開胸の器具がなかったり、やろうとしても上手くいかなかったり、あるいはもっと良い方法があるんじゃないか？と迷ったりすることもあります。

　パイロットの場合には二人でやる訳なので、多くの人の意見が一致する必要はありませんし、病院よりも副操縦士と機長の関係は厳格なものでしょうから少しはやりやすいのかもしれませんが、失敗は許されないのです！すごいストレスだと思います。もし失敗しても病院では自分が死ぬ事はないので、、、、恐ろしい事に遭遇したらまず自分の脈をとりなさいと教える人もいるぐらいですから。

　どんな仕事でも、トラブルが起こった時にはどうすべきか、、、みんなが考えており、そのために我々は色々な便利な生活が出来ていると言う事に改めて感謝！ですね。

　ちなみに肝臓が破裂すると言う言い方は正確には間違いですが、一部の肝損傷では破裂と言います。

2009-02-03 07:00 nice!(3) コメント(6)
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