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他科の先生からコンサルトを受けたら [興味ある本]

 感染症プラチナマニュアルで有名な岡先生の本です。私は人から見ればベテラン外科医なので、コンサルトを受けることがあります。基本こちらでやりますと言って自分でオーダーしたり、転科してもらったりしていますが、いや転科は結構ですと言われたり、自分が良くないと思う治療をされていると困ることがあります。あと研修医の先生への指導で、私が言うことに同意してくれないこともしばしばあります。

 そんなときにどうしたら良いか?がこの本の中にあります。


感染症プラチナ流コンサルト

感染症プラチナ流コンサルト

  • 出版社/メーカー: メディカルサイエンスインターナショナル
  • 発売日: 2020/09/30
  • メディア: 単行本



 感染症についての記載は、マニアックな症例もあり、私には理解できないところもありましたが、それは本筋ではなく、コンサルトされた患者さんを診る心構えが書かれています。相談してこられた先生とのコミュニケーションの取り方なども書かれており、考えれば当たり前のことばかりですが、なかなか出来ていません。

 字体とか、本のデザイン、それから極意六の「粘り強くとことん考えろ」が、なんとなく鬼滅の刃を意識しているのかなと勝手に思いました。

 それから、スライドみたいに要点が表示されているのですが、ヒラギノ角ゴシック?は見やすいから、やはり自分もスライドではこのフォントを使い続けようと思いました。

 2000円と医学書としてはとても安いのもお勧めな点です。是非本屋さんで購入を!

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背板をいれるべきか?(ガイドライン2020)

 ずいぶん長い間空いてしまいました。なんとなくこちらにアップするのを忘れてしまっていました。SNSはしていますので、こちらにもアップするようにします。

 さて、最近の話題と言えば、ガイドライン2020が発表されたことです。日本版はまだのようですが、英語版は色々出ています。今回は背板(はいばん)についての記載を紹介します。

 心肺蘇生の時に背中に板を入れることがあります。入院中や自宅の患者さんは柔らかいベッドの上で寝ている事が多いと思いますので、その上で心肺蘇生を行っても良い蘇生が出来ないのではないか?という事です。

 今までのガイドラインではどうだったのか覚えていませんが、2020年のCoSTRでは推奨も否定もしないそうです。今まで背板を入れていたのであれば、そのまま入れて良いし、えっ!背板って何?そんなの入れてなかったよ!と言う人は、入れなくて良いし、ましてや購入しなくても良いということです。

 CoSTRは心肺蘇生に関する世界共通のガイドラインのような物で、これを参考にして、各国が蘇生のガイドラインを作ります。

 以下原文の引用です(安心してください。日本語訳は後で載せています)。原文へのリンクはこちらです。

 The task force was unable to make a recommendation for the use of a CPR backboard during IHCA. Within the limitations of manikin studies, the available evidence indicates a marginal benefit to chest compression depth from use of a backboard. For example, placing a firm surface (eg, a backboard) between the patient and a soft surface may merely transfer the same force from CPR to the underlying softness and not obviate potential concern over chest compression depth. No studies specifically evaluated backboard deployment or any impact this has on interruptions to chest compressions and/or displacement of tubes and catheters during insertion. For healthcare systems that have already incorporated backboards into routine use during IHCA, the evidence was considered insufficient to suggest against their continued use. For healthcare systems that have not introduced backboards, the limited improvement in compression depth and uncertainty about harms seemed insufficient to justify the costs of purchasing backboards and training staff in their use. When backboards are deployed, users should be aware that mattress stiffness, backboard size (larger is better), and orientation (longitudinal is better) influence their effectiveness.

日本語はこちら。


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血液ガスについてのブログをやっています [研修医教育]

 最近は血液ガスのブログを更新しています。こちらのブログは2ヶ月以上更新していませんでした。

 良かったらこちらのブログを見てみてください。血液ガスに関してマニアックな話題を書いています。

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造影CT検査前にクレアチニン値を見る必要はありません [医学関連]

 造影CTを撮像しようとすると、「先生クレアチニンを待ちますか?」と言われます。私は待たなくて良いですと言っています。今回は待つべきなのか?待たなくて良いのか?と言うお話です。

 まず、時間に余裕がある(患者さんの状態も、こちらも)場合には、待った方が色々無難でしょう。造影剤の添付文書には腎機能が悪い人には注意が必要とありますから、腎機能もチェックしないで造影したから、、、、、、と言われてしまいます。

 時間に余裕がない場合には、もちろんクレアチニンの採血はしますが、結果が出るのを待つ必要はありません。緊急対応が必要な疾患を疑ったら、躊躇なく造影CTをしましょう。

 以下に理由を述べます。

(1)造影剤腎症が存在するというエビデンスはない。
(2)クレアチニンなどの血液検査は、緊急時には腎機能の評価として正確ではない。
(3)私はほぼ全例造影CTを撮っていますので、採血結果を診る必要がない(造影をするかどうかの判断に使っていない)。

続きを読みたい方はこちら


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右手と左手のブルース [AKB関連]

 本日発売の曲です。この方スライドでよく使います。AKB48を卒業してしまいましたが、所属していた時から演歌歌手としても活躍されていました。

 単純CTは私服、造影するとAKB48、遅延相では演歌歌手。

 中毒のトキシドロームでは、この人演歌歌手っぽいですよねって感じで、そう言うのがトキシドロームです!と。

 現在は演歌歌手一本です。この曲今日発売です!もちろんですが、握手会に行ったことあります。

 以下はWikipediaより。
 2014年1月20日付オリコン週間シングルチャートにおいて初登場1位を記録、演歌歌手としては氷川きよし「ときめきのルンバ」以来約4年5か月ぶり、10代の演歌歌手に限ると城之内早苗「あじさい橋」以来約27年7か月ぶりの同チャート1位獲得を記録。演歌・歌謡ソロアーティストによるデビューから3作連続でのトップ10入りは約39年3か月ぶり、女性演歌歌手としては1973年2月に森昌子が「中学三年生」で達成して以来、約41年ぶり。


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検査は必須のものではありません [医学関連]

 新型コロナウイルス関連でもうひとつ。

 新型コロナウイルスの検査をしてもらえないと言う報道がされているようですが、何が問題なのか考えてみましょう。

 検査をしてもらえなくて困ると言う人は、検査をして欲しいことが直接の目的ではなく、新型コロナウイルスに感染して死にそうになりたくないとか、人に感染させたくないとか、そういう気持ちのために、結果が知りたいのだと思います。

 最初に結論を言うと、検査をルチンに行う必要はありません。

 新型コロナウイルスに感染していると診断されても、皆さんの行動に変わりはありません。何しろ治療法がありませんから、死にそうにならない方法は今のところありません。また、人に感染させたくないのであれば、咳エチケット、マスク着用、人の多いところに行かないなど、すでに皆さんがされている事をするしかありません。昨日書きましたが、検査が陰性であっても、偽陰性の可能性もありますので、新型コロナウイルス感染によって重症化しないと言えませんし、何もしないで歩き回って良いとも言えません。

 検査はその結果によって行動が変わるから行います。例えば、合コンで年齢とか職業とか、長男かどうかなどを聞くのは、それによってアタックするかどうかを考えるから聞くんですよね。そう言うの気にしないという人であれば、雑談として聞くかも知れませんが、気にはしません。

 今のところ新型コロナウイルスの検査によって行動は変わりませんので、ルチン検査の必要はない(強く疑われる人以外は)と考えられます。ルチンとは、取りあえずビールのような行動です。熱が出ただけでコロナウイルスの検査をすると言う行動です。

 通常の診療でも、大切なのは医者の判断です。インフルエンザであれば、お話を伺って、診察をして、必要ならば検査をして、その情報を総合して判断するのが医者の役目です。インフルエンザの検査は採取した部位(通報は鼻の奥)にインフルエンザウイルスの残骸があったと言うことを示すだけです。インフルエンザの検査が陰性であってもインフルエンザの治療をすることがあります。医師の総合的な判断が必要なのです。検査をして、すぐに診断、治療と行くわけではなく、何段階もの医者の判断があって進んでいくのです。

 例えば、皆さんがコーヒーを飲むとします。以下のようなことをするでしょう。

・蛇口をひねって電子ケトルに水を入れ、電子ケトルのスイッチを入れます。
・コーヒーカップを出して、コーヒーの素?を入れます。
・お湯が沸いたら、コーヒーカップにお湯を入れます。
・スプーンでかき回して飲みます。

 これは無意識に色々な判断が下されて行われています。
 蛇口が高温になっていて触ったらやけどをするかも知れませんし、蛇口から出てくる水に毒が入っているかも知れません。コーヒーカップは夜中に誰かが毒を塗ったかも知れませんし、コーヒーの素はメーカーが間違えて青汁を入れたかも知れません。電子ケトルは壊れていて、お湯が沸いてないかも知れません。
 しかし、これら全ては、大丈夫だろうと無意識に判断しているわけです。蛇口をひねったら変な臭いがしたら、大丈夫かなあ?と調べますよね。それと同じで、医師も患者さんの状態が明らかにこうであると判断できれば検査はしません。うーん、あやしいなあ?と思った時だけ検査をします。

 また、水道水が100%安全であるとは誰も考えていませんよね。治療も同じで、この患者さんは100%この病気であると確定しなければならないとなると、治療は出来ませんから、80%位の可能性かなあ?と言う段階で治療をしても良いです。20%の可能性で治療をしたりすることもあります。新型コロナウイルスの治療薬がもしあれば、基礎疾患があるとか高齢だという患者さんには、熱が出てインフルエンザの検査が陰性であれば、治療を開始するかも知れません(しかし、残念ながら新型コロナウイルスの治療薬は今はありません)。

 何でもかんでも検査をすべきというのは、コーヒーを飲むのに、蛇口の温度測定から始めるような行動と同じなのです。蛇口が熱くなっている可能性は非常に低いですし、もし熱かったとしても、ちょっとやけどをするぐらいです。だから蛇口の温度測定をする事はまずありません。医療現場の検査も同じです。頻度とその出来事の重大性、検査にかかる費用とか侵襲(痛いことをするかどうかとか)など、色々なことを考えてしています。

 検査をしなくても治療は出来ますのでご安心ください。医師が検査の必要はないと言った場合には、あきらかに状態が判明しているか、検査をしても行動が変わらない、あるいは検査に不利益があって、検査の利益が不利益を上回らない場合などです。

 書いていて上手くまとめられませんでしたが、分からないことがあれば気軽にコメントに書いてくだされば対応させて戴きます。

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検査を全員にする必要はありません [医学関連]

 新型コロナウイルスのPCR検査をすべきかどうかについて色々情報が流れています。良い機会なので、是非検査の性質について知って戴きたいです。以前にもこの検査の性質については書いているのですが、何度書いても良いと思うので書きます。

 感度(sensitivity)と特異度(specificity)という言葉が出てきます。検査の正確さを示す指標の一つです。これは以下のようなことをして算出します。以下の例えは、分かりやすいようにと考えただけで、差別などの意味合いはありません。また、検査はその程度のものだとお考えください。ブラジャーのサイズがBカップ以上なら女性であると言う検査を例に考えます。この例えがお嫌いであれば、以下は読まない方が良いと思います。

 男性のシンボルがついている人は男性、付いていない人は女性と定義します。こう言った定義は大切です。例えば、肺炎の研究ならば、この様な条件を満たした人を肺炎とした等と明らかにしなければなりません。
 そして、ある病院の職員全員に「ブラジャーのサイズを測定し、Bカップ以上ならば女性である」という検査をしたとします。その病院には、職員が1000人いて、内訳は男性が400人、女性が600人だったそうです。検査をしてみたところ、以下のような結果が出たとします。

                女性   男性  合計
Bカップ以上(検査陽性)    540    40  580
Aカップ(検査陰性)       60   360  420
  合計            600   400  1000

 感度は病気である(この場合、男性のシンボルがない人、定義上女性)人のうち、検査で陽性となる人の割合で、540÷600=0.9です。90%とも言います。
 特異度は病気でない(この場合、男性のシンボルがある人、定義上男性)人のうち、検査で陰性となる人の割合で、360÷400=0.9で、90%です。この感度、特異度は検査によって様々です。一般的にどちらも高い検査はあまりありません。例えば、Dカップ以上を女性とすると言う風に検査の閾値を変えれば、特異度は上がりますが、感度が低下します。検査が陰性だった場合に、病気でないと言える可能性が低くなります。

 感度、特異度は病気がある、ないことが分かっている集団で、どのぐらい病気の診断が出来るかという指標です。病気の可能性(確率)が分かっていると言うのがミソです。

 しかし、我々医師が知りたいのは、病気の可能性が分からない人での病気の可能性です。目の前にいる人が病気かどうかを知りたいのです。検査をしたら陽性だった、この人が病気である可能性はどのぐらいか?を知りたいのです。上の表であれば、検査をする前は60%だった可能性(これを事前確率と言います)が、検査が陽性であれば、540÷580=93%になりますが、これは事前確率が分かっているから出た数字です。

 事前確率が何%かは色々な条件で変わります。上記の検査を、男子校でやったとしましょう。生徒も職員も含めて1000人いて、女性は20人だったとします。女性である可能性は2%です。

                女性   男性  合計
Bカップ以上(検査陽性)     18    98   116
Aカップ(検査陰性)       2    882  884
  合計            20   980  1000

のようになりますので、検査が陽性だった場合、18÷116=15%で、85%の人は偽陽性です。2%の可能性が15%に上昇していますので、可能性は高くなっていますが、病気の可能性が15%あると言われて、私は病気なのか!と思えますか?

 他にも女性と男性の割合を色々変えて計算して戴ければ分かりますが、事前確率が低い場合、検査が陽性であっても、偽陽性が多いことが分かります。医師は色々な話を聞いたり、診察をしたりして、事前確率を推定し、高いと思われた場合に検査をしています(そうでない場合ももちろんありますが)。上記の例で言えば、女性が多そうな集団だと考えた場合にのみ検査を行うと言うことになります。

 新型コロナウイルスのPCR検査は感度、特異度がもっと低い(感度や特異度が90%もある検査はそんなにありません)と言われています。むやみに検査をしても意味がないことがお分かりいただけたでしょうか。それから、新型コロナウイルスに感染していることをどのように定義したのかもチェックすべき項目です。私はその定義を知りません。ある病原体に感染していると判断するのは意外に難しいです。病原体がいただけでは感染と言いませんし、患者さんが苦しんでいる病態が病原体のせいだと確定することもなかなか難しいです。感染とは病原体が体に侵入して増殖し、悪さをしているということなのですが、それを証明するのは難しいです。

 新型コロナウイルス感染の可能性が高い(例えばクルーズ船に乗っていたなど)場合、PCR検査が陰性であっても偽陰性の可能性が高いです。逆に新型コロナウイルス感染の可能性が低い場合(たぶん読んでいただいているあなたはそうでしょう)に、PCR検査が陽性であっても偽陽性の可能性が高いです。検査が陰性だったから、自由に行動していいとは言いがたいですし、検査が陽性だったから感染しているとも言いがたいのです。

 上手く説明できたかどうかは分かりませんが、理解できなくても大丈夫です。お医者さんでもこの事を理解できない人がおられますので。

 また、感度を別の意味で使っている人もいますので、言葉の定義を確認する必要があります。例えば、感度を検出感度と言う意味で使う人がいます。が、感度と検出感度は別です。上記の例で言えば、検出感度はBカップ以上とかDカップ以上ということであり、感度は、検出感度を設定すると、女性のうち検出感度以上になる人の割合です。

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マスクが必要かどうか悩んでいる人へ [医学関連]

 新型コロナウイルスの流行のため、マスクが手に入らない状況が発生しているようです。マスクが欲しいのに手に入らないと困っている人がおられるようです。

 先に結論から言いましょう。マスクをした方がいいのか迷う方はマスクはいりません。勇気を持ってマスクは買わないようにしましょう。家にあるのなら、必要な時のために保存しておきましょう。
 もし、感染が怖いのなら、不要な外出は控えましょう。

 以下解説です。

 通常のマスクは、感染した人が他の人に感染させる可能性を低くする効果があるようです。目の前に病原体を排出する人がいたとして、自分がマスクをしていても、していなくても、自分が感染する可能性に変わりはないというデータがあるようで、一般の人はマスクをする必要はないと言われています。

 大切なことは、「自分が感染することを予防するためにする必要はない」と言うことで、他の理由があればマスクをしても良いです。マスクをしたから感染率が高くなることもありませんし、喉が乾燥するからとか、花粉症がひどいからとか、今日はお化粧するの忘れたからとかの理由があればマスクをしても良いです。やっぱり、私は人に感染させることも絶対嫌だとお考えになるのであれば、マスクをしても良いです。
 マスクをしていると、鼻や口を触ることが少なくなるので、手についた病原体が感染する可能性は低くなるかも知れません(が、マスクをしていても手や口は触るという人もいます)ので、マスクをしたらそう言う手段による感染は減るのかも知れません。

 よって、あなたはマスクをしていないからダメだとか、あなたはマスクもしていないなんて非常識ねとか、そう言う言葉を発しないようにしたいですね。日本はそう言う風潮になりやすいので困りますね。

 それから、このように多くの人がマスクを手に入れようとすると、必要な人にマスクが届かない事態が容易に発生します。マスクはそれなりに量産が出来るとは思いますので、そのうち手に入りやすくなると思いますが。

 もし、これがワクチンだったり、薬だったり、検査だったりしたらどうでしょうか?我々医師は、このような状態にならないよう、出来るだけ本当に必要な人にだけ出すようにしています。インフルエンザの検査も同じです。検査には検査のキットが必要で、そのキットはそんなにたくさん手に入るものではありません。よって、熱がちょっと出たから、インフルエンザが心配だからと言う理由だけで検査をしません。もし検査のキットがなくなったら(2000年ぐらいだったと思いますが、本当に検査キットがなくなりました)必要な人に検査が出来ません。

 医師は目の前のあなたのことだけでなく、今後同じような症状で来るかも知れない人や、国の財政とか、そういう事も考えて対応していますので、ご理解いただけたら幸いです。


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外科の基本手技について考えてみませんか? [興味ある本]

 久しぶりの更新です。今日は本の紹介です。

 腹膜を電気メスで切っても良いじゃないかと言う記載にひかれて購入しました。面白くて一気に読めました。ちなみにですが、基本手技を解説した本ではありません。基本手技のやり方について、理屈を知りたいという人が読む本です。





 確かに、多くの手技や治療方針とかに関して、何故?と言う事を考えないで、疑問にも思わないでやっていることが多いです。私は頻繁に研修医の先生に、何でその検査をしているの?何故そうするの?と聞いていますが、著者の先生同様嫌がられていると思います(^^)。

 私が思っていることを明解に書いてくださっている所もたくさんあり、これから何かあったら、この本を見せて説明しようと思いました。東大卒の先生がこう言ってんだよ!と。

 針を皮膚に垂直に刺そうとして、変な刺し方をしている先生が多かった(以前の勤務先の研修医の先生)んですが、その理由もよく分かったし、そうしなくてもいいと自信が持てました。

 これから外科の勉強をしようという若い先生はもちろん、指導医の先生にもお勧めです。著者の先生も書かれていますが、いやこれ違うんじゃない?と言うディスカッションのきっかけになりすぎる本です。

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少量の血液で癌の診断が出来ることがいいことなのか? [医学関連]

 詳しくは知りませんが、血液検査で癌の可能性が分かる検査が出来たそうです。すごいことだと歓迎の意見もありますが、、、、、、、、

 検査は、偽陽性というのがあります。健診で行う場合には、この危険性を考えておく必要があります。つまり、特に健康で何も問題ない人で癌の血液検査をしたところ、何かの癌があると思われる(そう言う結果であることが多いです)と判定されたとします。色々な精密検査をしたのが異常が見つからず、例えば20年後も癌が見つからなかった場合、良かった良かったとなるかと言えば、患者さんの不安は20年間続くし、その後も続くかも知れません。また、精密検査をしたことで重大な合併症を受けるかも知れません。とすると、その健診の検査は受けない方が良かったのではないか?となるわけです。

 例えば、1000人に一人の人がかかる病気があるとします。確率は0.1%ですね。検査をするとその可能性が変化します。検査が陽性(病気がある可能性が高い)となった場合、その可能性がいくらになるのか計算してみましょう。検査の精度は感度と特異度で表されます。ある集団(例えばA市の住民全員)で、あらかじめ別の方法で、その病気の患者さんの数を調べます。そして、その検査を全員に行い以下のような表を作ります。

      病気がある 病気がない
検査陽性    a     b
検査陰性    c     d

 感度は病気がある人のうち検査が陽性になった人の割合(a/a+c)で、特異度は病気がない人のうち検査が陰性だった人の割合(d/c+d)です。
 本来は、検査が陽性(あるいは陰性)だった場合の病気の確率(つまり横)を知りたいわけですが、縦のデータしか出せません。目の前にいる患者さんでは、横の確率は不明です(よって、予測するしかない)。このデータでは、A市民のデータを持ってきていますが、目の前にいる患者さんが同じ確率であるとは限りません。
 しかし、他にデータがなければ、0.1%の可能性とします。そして0.1%だった可能性は、感度、特異度ともに0.9という非常に優秀な検査だったとして、検査が陽性だった場合、0.9%に上昇します(計算法を知りたい人は調べてください)。1000人に一人の確率が100人に一人弱の確率に上昇していますが、99人の人は検査が陽性でもやはりその病気ではありません。0.9%と言う数字が高いと感じるか、低いと感じるか?これは皆さんの感覚にかかっています。そして、100人中99人の人に不安と検査の負担を与えてしまうと言うことです。それでも100人中1人を救うためなのだ!というのが健診の意義なのですが、、、、、、、、

 検査をしても、頻度は低く、検査の意味があるのだろうか?と考えてしまいます。もちろんですが、検査が陰性だと可能性は0.009%に低下し、少ないという意味では、検査前と可能性はあまり変わらないと思います。

 まとめると、もともと頻度の低い病気の検査を健診などで行う意義は低いと言う事です。ただ、画像検査は形として病気の診断が出来ますので、意義が少し違います。内視鏡やCT、エコーなどは定期的に行うことをお勧めします。

 医者は、こんなことを考えながら(細かい計算は毎回しませんが)患者さんとお話ししています。


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