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救急科専門医の筆記試験問題解説は削除します。 [救急専門医試験]

私は以前から救急科専門医の筆記試験問題の解説を公開させていただいていましたが、この度救急医学会から手紙を戴きました。

今後は解説を作らないよう
強制は出来ないが過去の問題も削除するよう

言われました。学会と喧嘩するつもりはありませんので、その通りにしました。ホームページはサーバー代を払ってやっていて、解約しましたので今月で消えてなくなります。

今後は学会が正式な解説を出してくださるのだと思います。10年以上やっていましたので、多くの救急科専門医を目差す方が見てくださっていたようですが、今後受験される方は私のベージを探しても見つかりません。

よろしくお願いいたします。
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リズムチェックかパルスチェックか? [CPRの基礎]

 以前書いた記事のアップデートです。テキストが新しくなっていたためです。気付いていませんでした。

 一次救命処置を行い、病院に到着し、電気ショックも行っている、、、、、、さあ、先ほどのショックから2分たちました!となると、心電図モニターを見て、心室細動が続いているのか、はたしてPEAになったのか、心静止なのか、、、、、、、となります。

 その時に脈拍を触れるべきか?と言うのが今日のテーマです。2分ごとに行うこの処置を、リズムチェックとか、パルスチェックとか言っています。ACLSのテキストには以下のようにあります(英語版しか持っていないので私の意訳)。P.123にあります。

 2分間のCPR後にリズムチェックを行うが、胸骨圧迫の中断を最小限にすることに注意する。
 パルスチェックを行うのは脈が触れそうなリズム(organized rhythm)が存在する場合のみ(リズム解析(リズムチェック?)中が望ましい)であることを忘れない。

 つまり、通常はリズムチェック(心電図モニターの波形を見るだけ)をするのですが、心室頻拍か無脈性電気活動か心拍再開したかと言う波形になった場合にのみ、太い動脈を触ってみると言うことです。この脈をみる行為は「パルスチェック」という名前がついています。脈が触れるかもしれないと考えた場合には「リズムチェック」後に「パルスチェック」を加えるのです。リズムチェック中に行うと書かれていますが、まずVFか心静止以外だと認識ないとパルスチェックできません。

 パルスチェックには、胸骨圧迫を止めて少し待ち(モニターの波形は完全なリアルタイムじゃないですよね)VF、心静止ではないという判断をし、脈を触れるため自分の指を患者さんの頚動脈に近づける、脈が触れるかどうか感じる、、、、、と言う一連の行為が含まれます。慣れた人ならあっと言う間でしょうが、慣れていなければある程度の時間が必要です。この間は当然胸骨圧迫を止めていますから、胸骨圧迫の中断は1秒でも短く!と考えると、どうなのかなと思います。
 また、特に脈を探す時間と、脈が触れているのか?判断する時間が意外に時間がかかります。医者が複数いると、複数の血管を触れたりして、どちらも同じ判断なら良いのですが、偉い方の先生が脈が触れると言ったりなんかするとちょっと大変です。胸骨圧迫を再開するのに躊躇しますから。

 私が関わっている講習会では、脈を必ず触れながら波形の診断をしてもらっています。たぶん少数派であることは認識していますが、理由は以下の通りです。

・胸骨圧迫を止める前に脈を触れる体制をとっておけば、脈を探す時間に胸骨圧迫を中断する必要がありません。脈を触れる行為が胸骨圧迫の中断を長くすると言う認識はありますので。
・脈を触れる行為をすべき波形なのかどうかの判断をしなくて良いです。
・救急蘇生法の指針ー医療従事者用ー2015のP.39には「リズムチェックとは、心電図(ECG)の波形確認を行うとともに、必要に応じて脈拍の確認を行うことである。」と書かれていました。必要に応じて毎回脈も触れちゃいましょう!と言う考えです。
 しかし、2020年度版では改訂になっています。P.39に「リズムチェックとは心電図の波形確認あるいは解析を行うことである。リズムチェックの結果、心室の活動を示すようなQRSが認められた場合には、頸動脈の触知による脈拍の確認が必要である。心室細動(VF)や心静止が明らかな場合は、脈拍の確認は不要である」とあります。

 どちらも間違っているわけではないと思いますが、パルスチェックなのか、リズムチェックなのか、パルスチェックを含んだリズムチェックをすべきなのか?非常にややこしいですね。

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心肺蘇生中に対光反射をみるべきか? [CPRの基礎]

講習会の時に、受講生の方が対光反射を見なきゃ!と言っていました。否定するものではないのでそのままスルーしましたが、果たして対光反射は意味があるのだろうか?と思ったので調べてみました。

結論は以下の通りです。


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低体温の心肺停止患者さんに処置を控えるべきか? [CPRの基礎]

 低体温の患者さんは代謝が低下しているために薬はやってはいけないとか、電気ショックも効果がないからダメとか、色々なことが言われています。講習会で低体温の患者さんのシナリオを出すと、そういった質問が出て、色々困るので(講習会で一番伝えなければならないこと以外の事に注目されるのはよくないです)避けるべきかと思います。

 しかし、質問されたら応えなければなりません。「この心停止の患者さんが低体温だったらどうしたらいいんですか?」と。

 私の答えは以下の通りです。

 低体温は気にせず普通に治療しましょう。
 もちろん、低体温があれば体温を上げる治療を並行して行う必要があります。
 体温をどうやって上げるかは別の機会に勉強してください。

理由を知りたい方はこちらを。


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心拍再開後の昇圧剤はノルアドレナリン? [CPRの基礎]

 週末は神奈川県で講習会でした。私はディレクターだったのですが、ディレクター見習いの方がおられ、私は指導(と言ってもいるだけ(^^))でしたので楽ちんでした。

 色々なインストの方の指導を見学させていただきました。色々勉強になりました。

 そこで、心拍再開後の治療について説明をしているところに遭遇しました。インストラクターの方が「ガイドラインでノルアドが推奨されている」と言っておられて、あれ?そうだったっけ?と心配になり、調べてみたのでここに書いておきます。

 先にいつもの通り結論です。

 ガイドラインとは敗血症のガイドラインと思われます。日本の心肺蘇生のガイドラインに血圧を上げる方法についての記載はありません。
 昇圧剤はノルアドレナリンが一番無難だと思われますが、強く推奨するエビデンスはありません。
 たぶん、まずやることは晶質液(細胞外液補充液、つまり生理食塩水や乳酸リンゲル液など)の輸液です。
 そして、講習会で血圧を上げる方法について議論しない方がいいでしょう。

詳しく知りたい方はこちら。


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4月から大学生です [雑談]

 数学検定1級合格を目指して勉強しています。今まで2回受験しましたが全く歯が立ちませんでした。

 独学ではダメだと思い、4月から放送大学の学生になりました。1教科だけの受講ですが、たぶん全ての講義が無料でネットで見られるので、大変お得です。

 特にビートルズde英会話というのは楽しくて聞いて(画像なしなんです)しまいます。

 本業の数学はと言うと、、、、、、アシスタントの方が美人だなとか、気付いたら寝てしまっていたりと、あまり有効活用できていないかも、、、、、、でも、やはり証明問題に特に弱い事が分かって良かったかも知れません。証明問題に弱いというのは、つまり論理的?に考える力がないと言うことだと思います。

 地道に頑張ります。

 また、本当は学割も受けられる!と考えていたのですが、やはり全科履修でないとダメなようです(美術館とか、そういう所は大丈夫なところがあるらしい)。

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救急科専門医筆記試験問題令和4年度解説完了 [救急専門医試験]

 私は個人的に救急科専門医の筆記試験問題の解答を作成し以下に公開しています。

http://kekimura99.galaxy.bindcloud.jp

 昨年9月に実施された試験の問題が最近公開された(いつも昨年中に公開されるのですが、最近遅いです)ため、やっと解説完了しました。

 良かったらご覧ください。また、間違いや質問、ご意見など大募集しています。よろしくお願いいたします。

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何でもつるし上げは自分に不利益かも(救急車で駅までの事例) [雑談]

 ネットでは20代の女性研修医が江南厚生病院から愛知医科大学病院への患者搬送の帰りに藤が丘駅まで送ってもらったとして、あり得ないとか、医師としての心構えがとか言う意見が出ています。

 思うのは自由なので、医師としてどうなのかとか、公的な物を私物化したとか、そう言う意見は否定しません。しかし、私は細かいところは別として良いと思います。

 この事について一般の方がご存じないであろうことについて少し書いてみたいと思います。

 まず、転院搬送というものについてです。どんな病院でも得意不得意があり、一旦受け入れたけれども自分の病院では診られない病気や状態だったとか、患者さんが自宅から遠い所で病院に運ばれたので、自宅から近い病院へ変わりたい等ということがあります。その際、患者さんが元気であれば、ご家族の運転する車とか、タクシーなどで行ってもらえばいいですが、大抵は患者さんの状態が悪く自家用車やタクシーでは難しいので救急車になります。今回の場合には、地図で見ると江南厚生病院はJAの病院で、それなりに大きな病院のようですので、転院搬送すると言うことはかなり重症な患者さんだったのではないでしょうか。

 消防の救急車にとって、転院搬送は本来の業務ではないので、本当は病院の救急車で転院搬送すべきです。しかし、病院の救急車を持っていない病院もありますし、救急車があっても運転する人(運転免許を持っていればいいという訳ではなく講習の受講が必要)、乗っていく医師や看護師などが確保できない場合もあります。Googleマップで検索してみると、江南厚生病院から愛知医科大学病院までは高速道路を使って車で約1時間です。救急車を使っても、大きくは変わらないと思います。よって、申し送りとか色々で3時間ぐらいは最低3人の職員を転院搬送専属として確保しなければなりません。夕方だったようですので、なおさら確保が難しいです。
 そうなると消防署にお願いすることになります。地域によって違うと思いますが、多くの地域で医療スタッフの同乗を求められます。今16時だとして、今から愛知医科大学まで転院搬送に行って来てくださいと言われたら、戻ってくるのは早くて19時頃です。17時で勤務が終わる人は行きたくないし、17時からの勤務の人は17時からの勤務があるし、、、、
 と言う事で、今回は名古屋市内で会食の予定がある女性研修医の先生が良いですよと言って同乗したのだと思います。

 これが朝10時だったとしても、約3時間は自分の病院の仕事が出来ませんので、単純に言えば3時間残業しなければ奈落鳴ります。医療者側の都合だけで言えば、転院搬送は出来れば乗っていきたくない仕事なのです。すみません。

 なので、あまり細かいことを言いすぎると、転院搬送に医療スタッフは乗っていかない→消防署はそれでは転院搬送は受け入れられない→転院できないので命にかかわることもあり得る、あるいは有料の救急車を手配しなければならないと言うようなことになり、患者さんにとって不利益ではないでしょうか。
 また、転院搬送となりそうな救急患者さん(家が遠い、重症かもしれない、専門外かもしれないなど)は救急受け入れしてもらいにくく鳴るかも知れません。

 不利益を被るのは貴方かもしれないのです。

転院が終わってから自分の病院まで


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フジテレビに出ました [雑談]

 今年の初夏頃から当院の研修医の先生の取材のためフジテレビ(の関連とか細かいことは分かりません)の方が数ヶ月取材に来られていました。

 そして12月18日にフジテレビの「ザ・ノンフィクション」という番組で放映されました。私は群馬県に5年ほど住んでいたのですが、この番組のこと全く知りませんでした。しかし、有名な番組のようですね。
 私も写っていたようですが、なんせ関東ローカル番組なので鹿児島では見ることが出来ません。テレビ局からの動画提供は、かなりあとになるようで(中国でも放映されるらしく、その後)、いつ見られるのだろう?

 テレビカメラに出来るだけ写らないようにしていたのですが、結構うつっていたようで、SNSでお友達になって頂いている方から写っていたよ〜と言われました。台風が来て大変だった連休の時のことが取り上げられていたようで、確かにその日は緊急オペ中に停電になったり、家に帰るかどうか迷ったけど、もう呼ばれないだろうと思って雨風の中家に帰ったらまた呼ばれたことなどを思い出しました。

 研修医の先生のプライベートの部分とかも取り上げられていたようで、一緒に働いていながら知らなかったので、そちらも楽しみです。

個人的に一番良かったのは、、、、、、、


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