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急性冠症候群が疑われる場合に酸素を投与すべきか? [CPRの基礎]

 いつもこの言葉から始めてすみませんが、久しぶりの投稿です。

 蘇生のガイドラインが2020年度版として新しくなりました。日本のガイドラインも昨年出るはずでしたが、色々で少しずつ出ています。今回は急性冠症候群についてのガイドライン2020を紹介します。

 2015年のガイドラインでは、酸素を投与すると心筋梗塞の病変が大きくなる(あるいは酸素を投与しないと小さく済む)という論文があったため、酸素はルチン投与すべきでないとされており、これが誤解されて、酸素投与はしてはいけないという風に広まってしまった気がします。

 確かに酸素は血管収縮作用があり、また酸素が細胞に悪さをする場合もあるようですので、酸素投与にはリスクが伴うのは事実です。しかし、酸素がなければやはり細胞に悪さをします。

 ガイドラインには酸素投与をしてはいけないとは書かれておらず、ルチンに投与すべきでないと書いているのみです。

 ルチンとは、女性を見たら必ずLINEのIDを聞くとか、最初はビールとか、何も考えずに反射的に取る行動のことです。若い女性に限ってIDを聞くとか、今日は居酒屋なのでビールとか、何か考えがあって行うのは全く問題がありません。

 しかし、救急隊の方の中には、酸素をやるべきでないと思っている人がいて、胸痛の患者さんですが、SpO2が95%でしたので酸素はしてきませんでした!と胸をはって答える人がいます。患者さんはかなり胸を痛がっていたのに、、、、、、

 新しいガイドラインはこちらのP.23をご覧ください。

 推奨の文章はあまり変わっておらず以下の通りです。

低酸素血症のない(注1)AMI(急性心筋梗塞)またはその疑い患者(注2)に対して、ルーチン(注3)の酸素投与(注4)をしないことを提案する。(弱い推奨、エビデンスの確実性:非常に低い)。

注1:試験によって異なるが、正常酸素飽和度の定義をSpO2≧90%とする(これまで報告されたRCTの中でDETO2X-AMIの登録症例数が一番多く、inclusion criteriaがSpO2≧90%であったため)。なお、低酸素血症はPaO2≦60mmHgのことであり、SpO2では90%以下が該当する。
注2:AMI患者のうち、MIの既往、高度のCOPD、呼吸不全、心原性ショック、中心性チアノーゼ、その他の原因による呼吸困難を除外したもの。
注3:SpO2が90%以上であっても、頻呼吸や起坐呼吸、心原性ショックには酸素投与が必要。
注4:試験では6L/分以上の酸素マスク投与

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