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アドレナリンの投与間隔は何故3から5分なのか? [CPRの基礎]

 心肺停止中のアドレナリンの投与間隔は、3から5分と言われていますが、最近はもっと短くても良いのではないか?と言うデータも出ています。3から5分はアドレナリンの半減期と一緒なのですが、何故半減期と同じ間隔で投与するのでしょうか?と言うのが今日のテーマです。

 心肺蘇生の講習会では、アドレナリンの投与間隔は3から5分と教えられ、3分なのか、4分なのか、5分なのかの指示をしなければならず、3分と5分では偉い違いだなあ、、、、、、と思いながらも、最初はあまり疑問に思うことはないかも知れません。

 また、シナリオ実習中に「アドレナリンを再投与してください!」と言うと、「まだ先ほどのアドレナリン投与から2分しか経っていません!(だから今投与してはダメです)」と言われたりします。そんな厳密に守る必要があるものなのか!と思わされます。

 よって、インストラクターに「何故3から5分なのですか?」と質問すると、「アドレナリンの半減期が3から5分だからです。」と言われて、「へえ〜そうなんだ、、、、、、、」と思いますが、何故半減期と同じ間隔なのか?と言う疑問については答えが出てこないことがあると思います。

 まず最初に半減期と同じ間隔についてです。こちらのリンクをお読みいただくと、半減期と同じ間隔で4〜5回薬剤を投与すると、ほぼ一定の血中濃度に達するとあります。私の記憶が正しければ(今それを確認する方法がないので)薬剤を半減期と同じ間隔で投与し続けると、初回投与の際の血中濃度の二倍になります。よって、半減期と同じ間隔で投与するのが一番血中濃度の予測が出来るからではないかと私は思いました。

 さて、5回アドレナリンを投与したら血中濃度が一定になるのであれば、例えば3分ごとにアドレナリンを投与するとします。1回目のアドレナリンの投与は、心肺蘇生が始まってから5分後くらいです(初回の電気ショックは心停止から3分以内とされていますので、その2分後にアドレナリンの初回投与とすれば5分後です)。5回目のアドレナリン投与は心停止から17分後です。その間血液の循環は通常とは違いますので、半減期が本当に3から5分なのかも分かりませんし、最高血中濃度は17分後(5分毎に投与にしたら25分後)にならないとやって来ません。

 だから、1回2回くらいは2分間隔で投与しても良いのかも知れません。あくまで「かも知れません」です。

投与間隔が短い方が生存率が高い?


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