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偽性低血小板血症にはFC管を。 [看護師さんへ]

 知りませんでしたシリーズです。FC管なんて物があったのですね。

 血液検査で血算(白血球や赤血球の数を数える検査です)を行う事が非常に多いです。CBCという名前もあります。

 通常は紫色のスピッツ(採血した時に血を入れる容器をスピッツと呼んでいます)に血液を入れます。れに推しだということですね(意味が分からない方はスルーしてください)。

 何故色んな色のスピッツに血液を入れるのかと言うと、採血の項目によって血液の処理の仕方が異なり、血液と色々な薬を混ぜて検査をするのです。血液は人間の血管内皮以外の物に触れると直ちに固まり始めます。よって、検査室で薬を混ぜてもダメな場合が多いです。よって、色々な薬が入ったスピッツを使い分けます。

 血算を行った場合、血小板が異常に低く出る時があります。血小板は血を止める働きがあります。はたらく細胞では可愛い女の子達になっていましたね。本当に低いのであれば緊急対応が必要な場合が多いです。
 しかし、血小板は特にテクニカルエラー(本当は正常なのに、異常値が出てしまう)が多いです。採血手技でもテクニカルエラーが起こりますし、スピッツに入っている薬のせいで血小板が低く出る場合があります。

 これを偽性低血小板血症と呼んでいます。理由の一つは、血算を行うための紫色のスピッツに入っているEDTA-Kと言う薬の作用です。EDTA-Kによって血小板凝集が起こる(血小板同志がくっついてしまう)のです。血算は血液の大きさで赤血球、白血球、血小板を区別しています。よって、血小板がくっついてしまうと、白血球と間違われてしまうと言う事です。白血球がやや高く、血小板が低く出ます。
 これは検査技師さんが顕微鏡で血液を見れば直ぐ分かりますが、そのような事が起こる患者さんでは、FC管採血というのを行えば良いです。

 FC管にはEDTA-Naという薬が入っており、血小板凝集は起こりにくいようです。こちらのリンクを読んでいただくと良いです。

 他にも、例えば血糖を測定しておらず、HbA1cだけを追加したい場合、血糖のスピッツ(グレイのスピッツです)で採血し直す必要はなく、血算がオーダーしてあれば、検査室に追加のオーダーをするだけでいいです。むやみに何度も針を刺さなくて済むように覚えておきたいですね。


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徐脈や頻拍の治療前に12誘導心電図は必須なのか? [CPRの基礎]

 ICLSのディレクターをしている関係で、インストラクターの方から質問を戴きます。今回はタイトルの質問を戴きましたので、記事を書いてみます。答えはこの本の中にあります。


救急心電図 ただいま診断中!

救急心電図 ただいま診断中!

  • 作者: 布施 淳
  • 出版社/メーカー: 中外医学社
  • 発売日: 2018/09/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



 これで終わっても良いのですが、、、、、、不安定な頻拍、不安定な徐脈の場合には、12誘導心電図は必須ではなく、電気的治療を優先すべきです。

 不安定な頻拍であれば、同期電気ショックを。
 不安定な徐脈であれば、経皮ペーシングを。

と言う事です。不整脈に使う薬は血圧を下げたり、より不整脈を起こしやすい状態にしたりと注意が必要な場合があります。不整脈で状態が悪ければ、気軽に電気の治療を行うように!と言うのが二次救命蘇生講習会のメッセージの1つです。

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