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口呼吸の人でも経鼻カニュラで問題ありません。 [看護師さんへ]

 こちらの記事のアップデートです。今回は文献を追加して大幅に変わっています。が、結論は変わりません。

口呼吸とか関係なく、経鼻カニュラを使って良いです。
SpO2などが上がらないのは、口呼吸のせいではないと考えましょう。

 この問題は特に看護師さんの中で重要な問題のようで、定期的にあちこちでディスカッションを見つけます。経鼻カニュラの方が、酸素マスクよりも患者さんには不快でないため、出来ればカニュラで行きたいという風に考えておられるのでしょう。酸素が低けりゃマスクにしたら良いじゃないの?と思う私はダメ医者です。

 酸素1L/分という量は印象的に少ないと感じます(私だけ?)。しかし、ペットボトル1Lって結構大きいですよ。60分経てば、60L!患者さんのいる部屋の酸素濃度は高くなっているのではないでしょうか?そう言う意味でも口から呼吸していても大丈夫そうです。

 また、こちらのサイト(英語済みません)に書かれていますが、口呼吸をしている人はなぜ口呼吸なのか?を考えるべきでしょうね。鼻の治療をした方が良いかも知れません。

 それから、そもそも経鼻カニュラは、吸入酸素濃度が安定せず、厳密な吸入酸素濃度を保つことが出来ません。よって、患者さんの酸素(SpO2など)が低ければ、酸素投与量を増やしたり、別の器具で酸素を投与すべきです。経鼻カニュラ1L/分にこだわる意義はあまりありません。CO2ナルコーシスはまれですし、迷信だと考えてください(別に記事を書いています)。

 理論は色々ですが、じゃあ実際どうなんだということで、こちらの文献をご覧ください。

 先に論文の結論を。

 Subjects breathing with mouth open attained a significantly (p<0.05) higher FIO2, compared to those breathing with mouth closed.
 口を開けて呼吸をしている人は口を閉じて呼吸をしている人に比べて吸入酸素濃度が有意に高くなった。

 何と口を開けて呼吸をした方が酸素濃度が高くなると言うのです!口呼吸と呼ばれるものと、口を開けて呼吸をするのとではちょっと違うのかも知れませんが、酸素濃度が高くなるとは驚き桃の木山椒の木です。



 この論文は10人の健康な若者で喉の奥に酸素のセンサーをつけて実験しています。色々な流量と口を開けて呼吸、口を閉じて呼吸と言う多くの条件で検討しています。

 口を開けた方がリザーバーとしての量が口を閉じているよりも多く、呼気の時間に酸素が鼻にたまる量が多いからではないかと書かれています。どこで読んだか忘れましたが、鼻から息を吸って、口から吐くのが一番良いとのことですので、そういう感じなんでしょう。

 と言うことで、経鼻カニュラを使う時に、「あの人は口呼吸だから、、、、、、」と言う必要はありません、、、、、、知らんけど。

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