浸透圧ギャップがマイナスになる [研修医教育]
私は、直接関わることは少ないのですが、研修医の先生や若い先生達の診療をチェックする立場にあるので、カルテは不定期にチェックしています。
血液検査で血清浸透圧(正確には浸透圧モル濃度らしいです)を測っている先生が多いのですが、何に役立てているのかよく分かりません。ある研修医の先生に聞いたら、内科の先生が「役立つからオーダーしておくと良い」と言ったとのことですので、誰かがそう言ったのがずっと伝わっているのでしょう。まあ、測ってもだいたい10項目以上測定したうちの一つですので、患者さんへの負担はなく、病院が損する(試薬など測定にはお金がかかりますが、測定することによる収入がない)ことと、検査技師さんの負担が増えることぐらい(と言っては失礼ですが、直接関係のない私がどうこう言うことではない、、、、、、アドラー心理学で言う課題の分離です)ですので放置しています。
が、まあ何か出来ることはないかと考え、カルテに浸透圧の解析を書いておくことにしました。以下のような感じです。
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A:血清浸透圧の計算値(ある文献に計算値を総蛋白と総コレステロールなどで補正した値が予想値だと書かれていましたので、計算値と書いておきます。あまり大きな差があるとは思いませんが)。
=2×ナトリウム+血糖÷18+尿素窒素÷2.8=284
浸透圧ギャップ(Osmolar gap;OG)=血清浸透圧−計算値=280−284=−4
中毒などが予想される場合、OGがその中毒物質だけで作られていると考えれば、その物質の分子量の10分の1(単位を合わせる意味)をOGにかければ血中濃度が予想できる。例えば、エタノールの分子量は46のため、OG×4.6がエタノール血中濃度であり、一般的に200を越えていなければ(OGが43.5を越えていなければ)エタノールによって意識レベルが低下していると考えてはいけない。
OGがマイナスになる理由は現時点で不明である。
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つまり、こう言う解析をしなければならないのではないですか?しないなら測定すべきではないと私は思いますが、どうでしょうか?と言う嫌みです。我ながら嫌なやつ。
私はナトリウムやカリウムが低いとか、急性アルコール中毒とかでない限り、血清浸透圧をオーダーしないので、OGがマイナスになることを初めて経験しました。血清浸透圧はナトリウム、血糖が主なものであり、他にも色々あるが少ないため、計算値ではナトリウム(カリウム×2を入れる意見もある)、血糖、尿素窒素しか入っていません。よって、常に測定した血清浸透圧>計算した血清浸透圧となるはずです。
そして、浸透圧をルチンで測定している先生達の患者さんのほとんどでOGがマイナスになることを発見?しました。
その理由について今調べているところですが、全然分かりません、、、、、、、、どなたか分かる方教えてください。
今分かっていることは、当院の血清浸透圧の単位はmOsm/Lであり変であることです。血清浸透圧の単位はmOsm/kg・H2O(重量浸透圧モル濃度Osmolality)であるはずですが、当院のはmOsm/Lになっています。容積浸透圧モル濃度Osmolarity(Lとrの違い)です。実臨床では大きな差はないので区別する必要はないと書かれた文献もあります(以下の本のP.27)。計算した値はmOsm/Lなのですが、血清浸透圧の測定値はmOsm/kg・H2Oなので、そもそもOGの計算は厳密に言えばおかしな値だと書かれていたのです。が、当院の場合、mOsm/L同士で計算しています。後で検査技師さんに質問してきます。
あとは、浸透圧ギャップの英語がOsmolar gapと言う文献とOsmolal gapと言う文献があり、どっちやねん!と思ってます。
血液検査で血清浸透圧(正確には浸透圧モル濃度らしいです)を測っている先生が多いのですが、何に役立てているのかよく分かりません。ある研修医の先生に聞いたら、内科の先生が「役立つからオーダーしておくと良い」と言ったとのことですので、誰かがそう言ったのがずっと伝わっているのでしょう。まあ、測ってもだいたい10項目以上測定したうちの一つですので、患者さんへの負担はなく、病院が損する(試薬など測定にはお金がかかりますが、測定することによる収入がない)ことと、検査技師さんの負担が増えることぐらい(と言っては失礼ですが、直接関係のない私がどうこう言うことではない、、、、、、アドラー心理学で言う課題の分離です)ですので放置しています。
が、まあ何か出来ることはないかと考え、カルテに浸透圧の解析を書いておくことにしました。以下のような感じです。
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A:血清浸透圧の計算値(ある文献に計算値を総蛋白と総コレステロールなどで補正した値が予想値だと書かれていましたので、計算値と書いておきます。あまり大きな差があるとは思いませんが)。
=2×ナトリウム+血糖÷18+尿素窒素÷2.8=284
浸透圧ギャップ(Osmolar gap;OG)=血清浸透圧−計算値=280−284=−4
中毒などが予想される場合、OGがその中毒物質だけで作られていると考えれば、その物質の分子量の10分の1(単位を合わせる意味)をOGにかければ血中濃度が予想できる。例えば、エタノールの分子量は46のため、OG×4.6がエタノール血中濃度であり、一般的に200を越えていなければ(OGが43.5を越えていなければ)エタノールによって意識レベルが低下していると考えてはいけない。
OGがマイナスになる理由は現時点で不明である。
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つまり、こう言う解析をしなければならないのではないですか?しないなら測定すべきではないと私は思いますが、どうでしょうか?と言う嫌みです。我ながら嫌なやつ。
私はナトリウムやカリウムが低いとか、急性アルコール中毒とかでない限り、血清浸透圧をオーダーしないので、OGがマイナスになることを初めて経験しました。血清浸透圧はナトリウム、血糖が主なものであり、他にも色々あるが少ないため、計算値ではナトリウム(カリウム×2を入れる意見もある)、血糖、尿素窒素しか入っていません。よって、常に測定した血清浸透圧>計算した血清浸透圧となるはずです。
そして、浸透圧をルチンで測定している先生達の患者さんのほとんどでOGがマイナスになることを発見?しました。
その理由について今調べているところですが、全然分かりません、、、、、、、、どなたか分かる方教えてください。
今分かっていることは、当院の血清浸透圧の単位はmOsm/Lであり変であることです。血清浸透圧の単位はmOsm/kg・H2O(重量浸透圧モル濃度Osmolality)であるはずですが、当院のはmOsm/Lになっています。容積浸透圧モル濃度Osmolarity(Lとrの違い)です。実臨床では大きな差はないので区別する必要はないと書かれた文献もあります(以下の本のP.27)。計算した値はmOsm/Lなのですが、血清浸透圧の測定値はmOsm/kg・H2Oなので、そもそもOGの計算は厳密に言えばおかしな値だと書かれていたのです。が、当院の場合、mOsm/L同士で計算しています。後で検査技師さんに質問してきます。
あとは、浸透圧ギャップの英語がOsmolar gapと言う文献とOsmolal gapと言う文献があり、どっちやねん!と思ってます。
こちらに正常値は±10以内とありました。
https://www.healthcare.uiowa.edu/path_handbook/Appendix/Chem/OSMO_GAP.html
by Kim (2021-06-18 01:16)
こちらも同様です。
https://emcrit.org/pulmcrit/osmolal-gap/
by Kim (2021-06-18 09:22)