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背板をいれるべきか?(ガイドライン2020)

 ずいぶん長い間空いてしまいました。なんとなくこちらにアップするのを忘れてしまっていました。SNSはしていますので、こちらにもアップするようにします。

 さて、最近の話題と言えば、ガイドライン2020が発表されたことです。日本版はまだのようですが、英語版は色々出ています。今回は背板(はいばん)についての記載を紹介します。

 心肺蘇生の時に背中に板を入れることがあります。入院中や自宅の患者さんは柔らかいベッドの上で寝ている事が多いと思いますので、その上で心肺蘇生を行っても良い蘇生が出来ないのではないか?という事です。

 今までのガイドラインではどうだったのか覚えていませんが、2020年のCoSTRでは推奨も否定もしないそうです。今まで背板を入れていたのであれば、そのまま入れて良いし、えっ!背板って何?そんなの入れてなかったよ!と言う人は、入れなくて良いし、ましてや購入しなくても良いということです。

 CoSTRは心肺蘇生に関する世界共通のガイドラインのような物で、これを参考にして、各国が蘇生のガイドラインを作ります。

 以下原文の引用です(安心してください。日本語訳は後で載せています)。原文へのリンクはこちらです。

 The task force was unable to make a recommendation for the use of a CPR backboard during IHCA. Within the limitations of manikin studies, the available evidence indicates a marginal benefit to chest compression depth from use of a backboard. For example, placing a firm surface (eg, a backboard) between the patient and a soft surface may merely transfer the same force from CPR to the underlying softness and not obviate potential concern over chest compression depth. No studies specifically evaluated backboard deployment or any impact this has on interruptions to chest compressions and/or displacement of tubes and catheters during insertion. For healthcare systems that have already incorporated backboards into routine use during IHCA, the evidence was considered insufficient to suggest against their continued use. For healthcare systems that have not introduced backboards, the limited improvement in compression depth and uncertainty about harms seemed insufficient to justify the costs of purchasing backboards and training staff in their use. When backboards are deployed, users should be aware that mattress stiffness, backboard size (larger is better), and orientation (longitudinal is better) influence their effectiveness.
 院内発症の心肺停止に対して背板を使う事に対する推奨を作ることは出来なかった。マネキンを用いた研究で得られたエビデンスによれば、背板を用いることで、胸骨圧迫の深さがやや有利になったが、患者と柔らかい場所の間に硬い物(例えば背板)を入れても、胸骨圧迫の力が柔らかい所へ逃げるだけであるかも知れず、胸骨圧迫の深さに関する疑念を解消しない。背板を入れることの効果を直接評価したり、背板を入れることによる胸骨圧迫の中断や気管チューブやカテーテルなどの抜去や位置異常に関する研究はなかった。院内心肺停止に対し背板をルチンに入れている場合には、その中止を勧告する十分なエビデンスはなかった。背板を使っていない場合には、胸骨圧迫の深さがそれほど改善しないこと、不利益がある可能性があることが、背板を購入するコストやスタッフの訓練を正当化するのに十分ではない。背板を用いる場合には、マットレスの硬さ、背板のサイズ(大きい方が良い)、背板の方向(縦方向に長いのが良い)がその効果に影響することを知っておくべきである。

 2020年のガイドラインは大きく変わっていないので、急いで2015から変えないと!と言うことはありません。iPhoneと同じです。私はXをまだ使っています。5Gもまだ対応してませんしね。

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