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VFからPEAになりました。さっきのアドレナリン投与から3分たっていないのにアドレナリンを打って良いのか? [CPRの基礎]

 前回の記事の続き?です。蘇生の講習会では以下のようなことがあります。

 心室細動(VF)のシナリオを実習中。電気ショックを1回行っても心室細動が続いていたので、もう一回電気ショックを行い、アドレナリンを投与しました。そして、先ほどの電気ショックから二分たちました。
 受講生A 「リズムチェックをします!おっ!波形が変わりました。サイナスリズムですね。でも脈が触れません。PEA(無脈性電気活動)です。」
 受講生B 「胸骨圧迫を再開します!」
 受講生A 「PEAですので、アドレナリンを投与します。ルートはすでに確保されていますので、アドレナリン1mgを投与して、生食20mlで後押し、点滴の入った上肢を10〜20秒挙上してください!」
 受講生C 「先ほどのアドレナリン投与からまだ2分しか経っていませんが、、、、、、」

 優秀な受講生Aさんは、「では、アドレナリンを今から1分後に投与することにしましょう。」とか「いや、PEAではアドレナリンの投与が優先されますから、1回ぐらいはいいです。」とか言うでしょう。しかし、慣れていない受講生Aさんだったりすると「えっ!?PEAのアルゴリズムを見ると最初にアドレナリンとあるし、、、、、(どうしよう??)」となるかも知れません。

 どうしたら良いのでしょうか?

 結論はどちらでも良いです。

 例えば、ACLSプロバイダーマニュアルのP.111には「静脈路/骨髄路の確保は、バッグマスク換気の効果がないか、または心停止が低酸素血症によって引き起こされているのでない限り、高度な気道確保より優先する」と書かれています。たぶんですが、ルートを確保すると言うことは、アドレナリンを打つと言うことでしょう。
 救急蘇生法の指針2015医療従事者用(へるす出版)のP.43には「ショック非適応リズムの心停止においては、アドレナリンを投与する場合、できる限りすみやかに投与する。」と書かれています。P.49にも「PEA及び心静止では電気ショックが適応とならないためアドレナリン投与は可能な限りすみやかに行う。」とあります。
 よって、PEAだと分かった場合には、早くアドレナリンを投与すべきです。先ほどVFのアルゴリズムでアドレナリンを打っていようがお構いなしで投与して良いです。

 前回の記事に書いたように、最高血中濃度がやってくるのは5回目の投与後です。一回ぐらいはアドレナリンを早めに投与しても構いません。


救急蘇生法の指針 医療従事者用 2015

救急蘇生法の指針 医療従事者用 2015

  • 作者: 日本救急医療財団
  • 出版社/メーカー: へるす出版
  • 発売日: 2017/01/01
  • メディア: 大型本



 また、心停止の時は3から5分ごとに投与すると考えれば、VFだろうがPEAだろうが関係なく、心停止であれば3から5分ごとにアドレナリンを投与し続ければ良いです。

 私が関係する講習会では、VFからPEAや心静止になった場合(逆の場合にはアドレナリンを直ぐ打たないから迷わないと思います)は、さっきのVFのシナリオは忘れて、たった今からPEAや心静止のシナリオが始まったと考えて行動してくださいとお伝えています。もちろん、心停止の間はアドレナリンを3分ごとに投与!と言う指示も問題ありません。

 FBでアドレナリンと言えばこの曲でしょうと教えていただいたので載せておきます。


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