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パルスチェックかリズムチェックか?? [CPRの基礎]

 この記事は、ALS for OPコースになるかと思います。OPはOtaku Providerです(^^)。

 一次救命処置を行い、病院に到着し、電気ショックも行い、、、、、、さあ、先ほどのショックから2分たちました!となると、心電図モニターを見て、心室細動が続いているのか、はたしてPEAになったのか、心静止なのか、、、、、、、となります。

 その時に脈拍を触れるべきか?と言うのが今日のテーマです。2分ごとに行うこの処置を、リズムチェックとか、パルスチェックとか言っています。ACLSのテキストには以下のようにあります。P.99にあります。

 ショックの適応ではない心リズムが存在し、秩序のあるリズムの場合、チームメンバーは脈拍の触知を試みる。脈拍があるかどうか疑わしい場合は、直ちにCPRを再開する。
注:「脈拍チェックを行うのは(リズムの解析中であることが望ましい)、秩序のあるリズムが存在する場合のみである。」

 つまり、通常はリズムチェック(心電図モニターの波形を見るだけ)をするのですが、心室頻拍か無脈性電気活動か心拍再開したかと言う波形になった場合にのみ、太い動脈を触ってみると言うことです。この脈をみる行為は「パルスチェック」という名前がついています。脈が触れるかもしれないと考えた場合には「リズムチェック」に「パルスチェック」を加えるのです。

 パルスチェックには、胸骨圧迫を辞めて少し待ち(モニターの波形は完全なリアルタイムじゃないですよね)VF、心静止ではないという判断をし、脈を触れるため自分の指を患者さんの頚動脈に近づける、脈が触れるかどうか感じる、、、、、と言う一連の行為が含まれます。慣れた人ならあっと言う間でしょうが、慣れていなければある程度の時間が必要です。この間は当然胸骨圧迫を止めていますから、胸骨圧迫の中断は1秒でも短く!と考えると、どうなのかなと思います。
 また、特に脈を探す時間と、脈が触れているのか?判断する時間が意外に時間がかかります。医者が複数いると、複数の血管を触れたりして、どちらも同じ判断なら良いのですが、偉い方の先生が脈が触れると言ったりなんかするとちょっと大変です。胸骨圧迫を再開するのに躊躇しますから。

 私が関わっている講習会では、脈を必ず触れてもらっています。たぶん少数派であることは認識していますが、理由は以下の通りです。

・胸骨圧迫を辞める前に脈を触れる体制をとっておけば、脈を探す時間に胸骨圧迫を中断する必要がありません。脈を触れる行為が胸骨圧迫の中断を長くすると言う認識はあります。
・脈を触れる行為をすべき波形なのかどうかの判断をしなくて良いです。
・救急蘇生法の指針ー医療従事者用ー2015のP.39には「リズムチェックとは、心電図(ECG)の波形確認を行うとともに、必要に応じて脈拍の確認を行うことである。」と書かれています。必要に応じて毎回脈も触れちゃいましょう!と言う考えです。

 どちらも間違っているわけではないと思いますが、パルスチェックなのか、リズムチェックなのか、パルスチェックを含んだリズムチェックをすべきなのか?非常にややこしいですね。

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