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意識がないのか?反応がないのか?それが問題かも? [CPRの基礎]

 心肺蘇生の講習会では、倒れている人を見つけたら、まず最初に「反応の確認」を行いましょうと教えています。現場の安全確認が最初だよ!とおっしゃる方がおられれば、二番目に行うのが「反応の確認」だと言うことになります。

 一般的に、両肩を軽く叩きながら「大丈夫ですか?」と声をかけます。そして返事がない、身体が動かない場合に、「反応がない」と判断するのですが、、、、、、、

 ほぼ間違いなく、インストラクターと受講生の方の何人かが、「反応がない!」ではなく「意識がない!」と言うのです。意識は色々な事をして評価をしますので、呼びかけて肩を叩くだけでは意識の評価は出来ません。簡便的に一桁とか二桁とか、三桁とか評価する事はありますが、その場合でも、意識がないのではなく、「意識レベルは二桁です!」等と言います。よって、心肺蘇生の場合には、意識がないのではなく、「反応がない」のです。

 まあ、どちらでもその後の行動に変化はないので、スルーする事も多いのですが、インストラクターの方は是非、意識がないのではなく、「反応がない」のだと言うことを覚えておきたいですね。

 ちなみにですが、「意識がない」と言う言葉は、医学用語としても正確ではありません。意識はあるなしと言う定性的なものではなく、1ー10とかの定量的な物です。「意識障害がある」「意識清明ではない」と言うのなら正確ですがね。

 最初に脈をみた方が良いんじゃないの?と考える方もおられます。

 脈をみることは医療従事者ですら難しく、心肺停止中はさらに難しいと言われています。心臓が止まっているのに脈があると判断してしまう事もあるようです。よって、反応をまず見て、反応があれば脈が触れていようが触れてなかろうが、心臓は動いているはずだと言う考えで、最初に反応を見る事になっています。

 病院であった話で、心肺停止ではないか?とある看護師さんが人を集めたところ、最初に到着したお医者さんが患者さんに「大丈夫ですか?」と聞いたところ、患者さんは「はい」と答えたそうです。その看護師さんは、患者さんの血圧が測れず、脈も触れなかったので心肺停止になったのではないかと驚いて院内救急コールをしたようです。笑い話で済む話なのですが、急変したのかな?と思ったら声をかけるのがいいですよね。

 こんなこともあるため、ヨーロッパのガイドラインなどは、心肺停止の患者さんに頻繁に対応する人以外は脈を触れないアルゴリズムになっています。

 この女性との脈はあるだろうか?と言う場合も、脈があるかどうか判断するのは難しいのと同じですね!


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