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何故、心静止やPEA(無脈性電気活動)に電気ショックをしてはいけないのか? [CPRの基礎]

 心肺蘇生の講習会では、電気ショックを行うことも習います。電気ショックは適応を良く考えて、心室細動のような揺れる波形、無脈性心室頻拍の場合にのみ行うのですよ。心静止やPEA(無脈性電気活動)では行ってはいけませんよ!と言われます。

 その理由を明確にご存じでしょうか??私はいつも、以下のようにお話ししています。

・電気ショックは非常に痛い。
・痛みは強い副交感神経刺激になる
・副交感神経は心臓を抑える働きがある。
・よって、心拍再開を妨げる。

 これは以前ある先生から伺って、いつもお話ししていながら、根拠はどこかに載っていないかな〜と思っていたのですが、やっと記載を見つけました!

 「心静止、無脈性電気活動に対する非同期電気ショックは心筋にダメージを与えるのみならず、副交感神経を興奮させ心拍再開の可能性を減らすため、適応外となる。」(救急診療指針第5版、P.133)

 私は、ある理由からこの救急診療指針を何度も見ているのに、今まで気付かなかったという、、、、、、ホント、ただ見ているだけなのかも知れません。seeではなく、watchしなければ!


救急診療指針

救急診療指針

  • 作者: 日本救急医学会専門医認定委員会
  • 出版社/メーカー: へるす出版
  • 発売日: 2018/05/01
  • メディア: 大型本



 では、「心室細動や無脈性心室頻拍でも心筋にダメージを与えるのでは?」と言う質問が出てくると思います。

 その通りですが、無脈性心室頻拍や心室細動では、心筋が激しく細かく動いていて、エネルギーを無駄に使っている(ポンプとしての心臓の機能はしていない)ために、早く電気ショックをしないと心筋のエネルギーがなくなってしまいます。心停止の状態では心臓そのものにも血流がありませんから、エネルギーが補充されませんから、無駄にエネルギーを使うのは具合が悪いです。
 心室細動や無脈性心室頻拍の状態が長く(と言っても数分)続くと、心静止になって死んでしまうからです。
 不利益はあるけれど、利益の方が大きいという事です。

 どんなことにも利益と不利益があります。不利益があるからやらないとなったら何も出来ないので、我々は常に天秤にかけて行動しています。いつも同じ事をしていると思っているかも知れませんが、考えた上で同じ事をしています。


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