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ILCORとかCoSTRって何? [CPRの基礎]

 心肺蘇生について勉強していると、略語がたくさん出てきます。

 AHAならば、アメリカ心臓協会というアメリカの循環器の学会のことだと分かる人は多いと思いますが、ILCORとかCoSTRとか出てくると、一体なんじゃそれ?イルカの親戚?コップを置くのに使うヤツ?とか思いますよね。

 今日はそれについて解説しましょう。

 例えばこちらをご覧戴くと分かりやすいと思いますが、世界には沢山の国があり、それぞれの国で独自に心肺蘇生の研究をし、独自のやり方をしていても、いい場合もあれば良くないこともありますよね。よって、20年以上前に偉い先生達が集まって世界共通の指針(聖書みたいなものでしょうか?)を作ろうと言う事になりました。

 その集まりがILCORというもので、イルコアと読みます。International Liaison Committee on Resuscitationの略で、国際蘇生連絡協議会と訳されています。ILはillと言う英語をもじっているのだと思います。病気という意味ですね。そしてCORは心臓という意味のラテン語をもじっています。よって病気の心臓という意味です。医学の略語って何か意味のある略語になるようにする事が多いのですが、何故なんでしょうね。覚えやすいからでしょうか。

 そのILCORは定期的に集まって多くの研究を調べてまとめ、5年ごとに世界の蘇生ガイドラインのもととなる文書を発表しています。それがCoSTRと言うもので、コスタあるいはコスターなどと読みます。たぶんですが、肋骨を意味するコスタになるように作られたのでしょう。International Consensus on Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care Science With Treatment Recommendationsと言う長い名前の略です。「心肺蘇生と緊急心血管治療のための科学と治療の推奨に関わる国際コンセンサス」と訳されています。こんな名前とても覚えられませんね。以下の曲名と同じです。



 ちなみにこの曲は「鈴懸なんちゃら」と略されています(^^)。

 脱線してしまいましたが、このCoSTRは5年ごとに改訂されていて、最新版は2015年版です。次は2020年に改訂される予定ですが、昨日紹介したように2018年度版が出ています。常に新しい知見を追求しているのですね。

 そして、このCoSTRに基づいて、それぞれの国がガイドラインを作っています。もちろん日本もこのCoSTRを参考にしてガイドラインを作っています。各国の状況に応じて色々違っています。例えば、日本は何かあれば119番に電話すれば救急車が来てくれますが、これはとてもすごいことのようです。そのようなシステムがない国では、それに応じた対応が必要となるでしょうね。

 例えれば、AKB48がCoSTRにあたります。各地域の実情に合わせて、名古屋の栄にはSKE48、大阪なんばにはNMB48、福岡の博多にHKT48、新潟にはNGT48、瀬戸内にはSTU48などがあるのに似ています、、、、、、たぶん。

 ちなみにですが、ILCORのメンバーに日本は入れてもらっていません。アジア蘇生協議会の代表としての参加はあるようですが。日本は色々な面で、世界から見るとちっぽけな国だと思われているのかも知れませんね。頑張らなければ!

 また、アメリカとヨーロッパ蘇生学会はあまり仲が良くないようです。例えば2015年のガイドラインから、アメリカは最初に人工呼吸ではなく、胸骨圧迫から始めるCABというのを大きく宣伝?していましたが、ヨーロッパはかなり前からそうなっていました。アメリカがやっと同意したと言う事なのでしょうか。
 アメリカとヨーロッパでは考え方が少し違うためのようですね。そのやりとりをこちらに紹介しています。とても面白いので是非ご覧ください。蘇生のアルゴリズムを女性の水着に例えています(^^)。

 以前はこのCoSTRを日本語に訳す活動に参加させて戴いていたのですが、現在は行われているのでしょうか?英語を読むのは大変なので、是非日本語訳が出されることを期待したいです!

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