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徐脈+ショックの鑑別診断 [研修医教育]

 今日は本の紹介です。

 救急外来というと交通事故で大げガをした人がたくさん来て、血だらけ、、、、、、、と言うイメージがあるかも知れませんが、それは10人に一人もあれば良い方です。ほとんどは内科救急です。よく分からない発熱とか、呼吸が早いだけなんだけど他に異常が見つからないとか。なので救急医は内科の知識がとても必要です。が、たぶんですが、私も含めて外科出身の人が結構いると思います。頑張って勉強しようと以下の本を買いました。


動きながら考える!内科救急診療のロジック

動きながら考える!内科救急診療のロジック

  • 作者: 松原知康
  • 出版社/メーカー: 南山堂
  • 発売日: 2016/03/11
  • メディア: 単行本



 その中の一つを紹介します。救急には語呂合わせが色々あります。Do don'tとかAIUEO TIPSとか、VINDICATE+P!!!みたいなのです。覚えなければいけないことがたくさんあるから思い出しやすいようにと言う事でしょう。今回は、VF AED on!というのです。徐脈があってショック状態という患者さんが来たら、以下を思い出しましょうと言う語呂合わせです。

V vasovagal reflex 血管迷走神経反射
F  freezing 低体温
A AMI 心筋梗塞、特に下壁梗塞
  acidosis 著明なアシドーシス
  arrhythmia 不整脈、特に完全房室ブロック
E electrolyte 電解質異常、特に高カリウム血症、高カルシウム血症
  endocrine 内分泌異常、特に甲状腺機能低下、副腎不全
D drug 薬物 A antiarrhythmics 抗不整脈薬
        B beta-blocker β遮断薬
        C calcium antagonist カルシウム拮抗薬
        D digoxin ジゴキシン
O opioid オピオイド中毒(一般的には低酸素が挙げられているようです)
N neurogenic shock 神経原性ショック、特に脊髄損傷

 Oについては上記の本ではオピオイドと書かれています。参考にした文献が3つ挙げられています。が、ある方からご指摘を受けました。ほとんどが低酸素と書かれていると。確かに徐脈の鑑別診断で低酸素は忘れてはいけませんね。

 これはなかなか興味深い記憶術ですね!!私も色々考えたいです。


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Kim

VF AED ONのOですが、一般的には酸素が挙げられているようです。

確かに低酸素も入れておくべきですね。文章を直しました!

by Kim (2017-08-26 10:43) 

やまだ

低酸素気味になると最初は頻脈になりますが、それを超えての徐脈でしょうか。

http://po.nakamoto-plan.co.jp/~naika/emergency/med/txt/09dy.html

脳圧高進の症状としての徐脈もあるようですが、Nの一部でしょうか

https://www.kango-roo.com/sn/k/view/2153


by やまだ (2017-08-26 16:57) 

Kim

やまださん、コメントありがとうございます。

低酸素は仰るとおりだと思います。PALSで昔習いましたが、小児では特に低酸素で徐脈になりやすいようですね。どちらにしても徐脈の患者さんを見つけたら酸素投与をしたいですね。

脳圧亢進についてですが、脳圧亢進時には血圧が上がります。この場合、徐脈+ショックの鑑別なので、脳圧亢進は書かれていないんでしょう。しかし、徐脈を見つけたら脳圧亢進も忘れてはいけませんね!

by Kim (2017-08-26 23:33) 

marine

ショック(Cの異常)と認識した時点で、その上流にあたるBの異常である低酸素の除外やそこへの対応は行われているべきで、徐脈ショックの原因は何だろう?薬剤性かな電解質異常かな...と考える時点では既に対応がなされているはずなので、診療フェーズに合わせて低酸素を抜いたタイプの鑑別診断リストを選んで載せてあるのではないでしょうか?
by marine (2021-02-28 20:03) 

Kim

marineさん、コメントありがとうございます。

気付かず申し訳ありませんでした。確かにおっしゃるとおりですね。勉強になりました。

by Kim (2021-03-16 23:57) 

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