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リンの補充法 [医学関連]

 一昨日はリンが足りなくなると危ないですよと言うお話しをしました。

 では、リンを補充する方法にはどんな物があるのでしょうか?

・リンそのものを補充する。
・タンパク質をとらせる。
・リンが含まれている点滴をする。

・リンそのものを補充する。
 栄養不良患者さんでは適応症がありませんが、ホスリボンと言う内服薬があります。点滴ではリン酸二カリウムという注射があります。投与量や投与速度については議論があるところですが、ゆっくりと補正すべきなんだそうです。そしてマグネシウムやビタミンB1の欠乏などにも注意が必要です。

・タンパク質を取らせる。
 リンはタンパク質の豊富な食事に多く含まれているようです。大豆、アーモンド、のり、干しエビ、パルメザンチーズ、卵黄、そば粉などが良いらしいです。

・リンが含まれている点滴をする。
 アセトキープ、ビーフリード、脂肪乳剤などがあります。もちろんですが高カロリー輸液にも含まれています。
 脂肪乳剤はリン脂質が主成分ですからリンが含まれています。こちらの記事を是非ご覧ください。
 アセトキープは、3号液の乳酸が酢酸に置き換えられているだけと思っていましたが、リン酸も入っており、ビーフリードで血管痛を訴えるような栄養不足の人に使ってみても良いかも知れません。

 糖質代謝の亢進が原因の一つでもあるので、エネルギー制限を行う必要もあるようです。が、栄養不良の患者さんでは脂肪を多めに入れて、ゆっくりとカロリーを上げていけば良いのではないかと思います。

 リンが何らかの原因で測定できない場合には、上記の方法をempiricに試しても良いかも知れません。また、リンを補充しているにもかかわらず、低リン血症が進行して大変なことになったという症例報告もありましたので、栄養不足の患者さんでは毎日リンを測るのがよいかも知れません。


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