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ナトリウムが低いときは、塩を足すだけではいけません [研修医教育]

 さて、色々やってきましたので、本当にナトリウムが低い(浸透圧も低い)患者さんであり、循環血液量がどうかと言うことも分かっているはずですね。

 まず行うことは、水中毒の除外です。水中毒とは、水分を大量に飲むために水分がたまっていく状態です。通常あり得ないぐらいに大量に飲んでいますから、きちんと話を聞けば分かるでしょう。

 通常人間は600mOsmの溶質をとっていて、これを1日で排泄しなければなりません。また、尿は最大1200mOsm/kg,最低50mOsm/kgの濃度を作れます。最大薄い尿を出すとして、尿量=溶質÷濃度=600÷50=12kgつまり12リットルです。

 患者さんが例えば15リットルの水を飲んでいれば、3リットルずつ過剰になっていきます。そんなに飲めるのかどうか分かりませんが、そう言う人がいますので注意が必要です。

 次に細胞外液量が減っている低Na血症の人がいたら、まず行うのは晶質液の投与です。生理食塩水が良いでしょうが、ラクテックなどでも良いでしょう。まず行うのは細胞外液量の補充であって、ナトリウムの補正ではありませんので。ラクテックでも低ナトリウムの人のナトリウムよりは濃いです。

 細胞外液量が増えている人がいれば、点滴の投与を少なめに、そして利尿剤で水分を出してあげれば良いですね(場合によってはナトリウムも出す必要があります)。最近はVaptanと言う高利尿ホルモンの受容体に作用する薬があり、水だけを出すことが可能になっているそうです。
 間違ってもこのような患者さんに塩分を投与することはしないでください。塩分を投与するとますます病態が悪化します!!

 細胞外液量が正常な場合については後日、、、、

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