クリニカルパス [医学関連]
こちらの記事のコメントの続きです。
医師によって治療方針が違うのでしょうか?と言うのです。前回書いたように、治療方針は医師によっても違いますし、患者さんによっても違います。医療はオーダーメードなものです。
例えば肺炎の患者さんに、以下のような治療があるとします。
ある先生は抗生物質、去痰剤
ある先生は抗生物質、せき止め(去痰剤は使わず)
ある先生は抗生物質のみ
ある先生は抗生物質に吸入を
これが同じ先生でも違っていたら、、、、看護師さんは大変です。10人の肺炎の患者さんがいたら、10通りの治療になってしまいます。もちろん毎回確認すればいいのですが、患者さんは肺炎だけではありません。肺炎ならこう言う治療、、、、と決まっていれば、、、と思いますよね。
それがクリニカルパスと呼ばれるもので、アメリカなどで盛んです。日本でも最近導入されていますが、、、
アメリカは主治医制でない地域があります(もしかしたら全部?)。医者も3交代なのです。すると、個人の好きな治療をしていると、患者さんの治療がぐちゃぐちゃになります。AKB48のプロデュースを、毎日日替わりで秋本康さん以外の人がしたらどうなるかと言うのと同じでしょう。センターが毎日変わってしまうでしょう。
よって、肺炎はこう言った治療をするとある程度病院で決めておくのです。これには別の理由もあるんですが、まあそう言う事です。そうすれば、交代した医師は流れが見えるので続きの治療がやりやすいのです(ACLS等もそうです)。もちろん色々な理由で、このクリニカルパスから外れると言う事はあっていいです。
前回の記事の内視鏡についても、病院で鎮静を基本的に行う方針と決めていればそうなりますし、そう決めていなければ、医師によってばらばらになり、かかった医師次第で胃カメラが苦しい検査であったり、楽な検査であったりする事になります。
たぶんですが、アメリカでクリニカルパスが流行った理由は、訴訟と医療費だと思います。クリニカルパスにそって治療していたのに良くならなかった、、、、訴えられても、ちゃんとクリニカルパスに沿っていたと反論できます。
またアメリカの医療はとにかく費用を安くすると言う事に主眼が置かれています。外来で1本点滴を、、なんて事はしてもらえません。点滴するような人は重症者であり、入院が必要と言われます。血圧を上げるカテコールアミンと言う薬を使う場合には、集中治療室へ入れろと言われるそうです(日本ではそこまでありません)。クリニカルパスはこうするのが一番費用が安くすむと言う観点でも作られています。
日本では医師の3交代を受入れる土壌は、患者側にも医療側にもないと思いますし、医療費をもっと使っても良い(と思います)のですから、、、、、パスはなかなか進まないんじゃないかと思います。現に今勤めている病院で使った事ありません(知らないだけかも知れませんが)。ですが、私はクリニカルパスを否定している訳ではありません。
医師によって治療方針が違うのでしょうか?と言うのです。前回書いたように、治療方針は医師によっても違いますし、患者さんによっても違います。医療はオーダーメードなものです。
例えば肺炎の患者さんに、以下のような治療があるとします。
ある先生は抗生物質、去痰剤
ある先生は抗生物質、せき止め(去痰剤は使わず)
ある先生は抗生物質のみ
ある先生は抗生物質に吸入を
これが同じ先生でも違っていたら、、、、看護師さんは大変です。10人の肺炎の患者さんがいたら、10通りの治療になってしまいます。もちろん毎回確認すればいいのですが、患者さんは肺炎だけではありません。肺炎ならこう言う治療、、、、と決まっていれば、、、と思いますよね。
それがクリニカルパスと呼ばれるもので、アメリカなどで盛んです。日本でも最近導入されていますが、、、
アメリカは主治医制でない地域があります(もしかしたら全部?)。医者も3交代なのです。すると、個人の好きな治療をしていると、患者さんの治療がぐちゃぐちゃになります。AKB48のプロデュースを、毎日日替わりで秋本康さん以外の人がしたらどうなるかと言うのと同じでしょう。センターが毎日変わってしまうでしょう。
よって、肺炎はこう言った治療をするとある程度病院で決めておくのです。これには別の理由もあるんですが、まあそう言う事です。そうすれば、交代した医師は流れが見えるので続きの治療がやりやすいのです(ACLS等もそうです)。もちろん色々な理由で、このクリニカルパスから外れると言う事はあっていいです。
前回の記事の内視鏡についても、病院で鎮静を基本的に行う方針と決めていればそうなりますし、そう決めていなければ、医師によってばらばらになり、かかった医師次第で胃カメラが苦しい検査であったり、楽な検査であったりする事になります。
たぶんですが、アメリカでクリニカルパスが流行った理由は、訴訟と医療費だと思います。クリニカルパスにそって治療していたのに良くならなかった、、、、訴えられても、ちゃんとクリニカルパスに沿っていたと反論できます。
またアメリカの医療はとにかく費用を安くすると言う事に主眼が置かれています。外来で1本点滴を、、なんて事はしてもらえません。点滴するような人は重症者であり、入院が必要と言われます。血圧を上げるカテコールアミンと言う薬を使う場合には、集中治療室へ入れろと言われるそうです(日本ではそこまでありません)。クリニカルパスはこうするのが一番費用が安くすむと言う観点でも作られています。
日本では医師の3交代を受入れる土壌は、患者側にも医療側にもないと思いますし、医療費をもっと使っても良い(と思います)のですから、、、、、パスはなかなか進まないんじゃないかと思います。現に今勤めている病院で使った事ありません(知らないだけかも知れませんが)。ですが、私はクリニカルパスを否定している訳ではありません。
2011-07-10 03:00
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コメント(4)
分かり易い解説ありがとうございます。
クリニカルパス…何となく聞いたことがあるような気がしますが、そのような意味だったんですね!
モノ作りの開発現場には技術基準があり、誰が設計しても法律に引っかからない安全なモノを設計できるようになっています。
人とモノでは比較の対象にはなりませんが、基本的な考えは似てるのかな?と思いました。
日本でも、ある程度はクリニカルパスの考えが進むのは、良いことのように思えます。
医師によって治療方針が違うことは患者には選択の幅が広がる一方、不安にもなるし、医師サイドからしても負担が大きいこともありそうですしね。
by 小桜 (2011-07-10 22:56)
小桜さん、コメントありがとうございます。
クリニカルパスの意味は色々で、ここに書いた事だけではありません。
モノと人の対応では違いが出て当然ですが、モノとして扱っても大丈夫なように考えて行く事もある程度必要です。
色々難しい問題ですが、、、、
by Kim (2011-07-11 00:38)
パスは作成もしていましたし、今までの病院ではどこでも使っていましたよ。患者さんの退院を促すのにも有効でした。
ただアメリカでは歩ける人は基本的に入院しないようです。ですので日本で術後に歩きながら病院でリハビリなんてしているのは非常に違和感が強いようです・・・まあ、それも行き過ぎと日本人には感じますが、政府の目指しているのはここのなのでしょうかね・・・
by ask (2011-07-12 05:56)
askさん、コメントに気付かず申し訳ありません。
パスは有用なようでもあり、有用でなくもありますね。個人的にどうしても許せない処置が入っていたりすると、それだけは外したくなりますが、そうもできないので、、、、ってこんな医者がいるからいけないんですね。
そうですよね。アメリカでは日本みたいに入院できませんよね。政府はそこを目差し、それを政府が発表せず、末端の病院に強制的にさせる、、、、ひどい話です。
by Kim (2011-07-27 11:31)