診療方針、実際の診療は色々です。 [医学関連]
こちらの記事でコメント頂いたので、お返事がてら、、、、
胃カメラを受けたのですが、痛くてたまらなく、痛いと訴えたのに、担当医は「そうですか〜」と言って痛みをとってくれなかったと言うお話でした。
コメントでも書きましたが、直ちにこの医師がひどいと言う風にはなりません。診療は色々です。
一般的な事は言えます。胃カメラ(に限りませんが)は、患者さんに重大な不利益を起こさないようにすべきであると言う事です。
重大な不利益とは、、、、
まず何故重大と付けるのかと言う事です。「不利益が全くないようにする」と言うのは理想ですが、全くなしにする事は多分無理です。お金のない人にとっては、胃カメラをする費用は不利益でしょうし、忙しい人に検査前、検査中、検査後も病院にいて頂くのは不利益でしょう。よって、重大な不利益がなく、出来るだけ利益が出るように、、、、と言う事になります。
患者さん側からすれば、もちろん苦痛がゼロの検査が良いでしょう。あるいは検査をしないですめば、それも良いです。
しかし、医師側からすれば、色々あります。
まず検査の必要性です。食欲が低下しており、癌家系で体重も10kg位減っている、、、等と言う人は、癌を否定したいので、胃カメラ(胃透視と言う別の検査もありますが)を必ずやりたいです。しかし、検診目的とか、少しお腹が痛いので念のため、、、、、と言う場合には、明らかに先ほどよりは検査の必要性は低いです。
検査の必要度が高い場合、苦痛があったとしても、実施しなければ患者さんに不利益となります(癌だったら死んじゃいます)。必要度が低ければ、苦痛があったら中止しても構いません(が、癌である可能性は否定できません)。
検査の必要度をどうとらえるか、、、、これも医師によって様々です。この年齢で癌で手遅れになっても、いや、今癌が見つかっても手術出来るか分からないし、、、、良いんじゃない?と言う先生もいれば、いや、年齢は関係ない!と言う先生もいます。
それから鎮静の危険性です。鎮静剤と言うのは、ボーッとして眠ってもらう注射です。苦しさをとってくれます(前後の記憶もない場合が多いです)。良いじゃないかと思いますが、呼吸が止まって死んでしまう人もまれですがいます。検査で死んでしまってはいけません。例えば、検査中に呼吸が止まって大変な事になる経験を数回した先生がいれば、絶対鎮静はしない!と言われても納得できます。
こう言った色々な要素を個々に判断して検査を予約したり、検査中に中止したり、続行したりしています。一概にどうとはいえません。
コメント頂いた方の場合、担当医が癌を強く疑っていた、あるいは癌を否定しておきたいと言う場合であれば、どんなに患者さんが苦しがっても検査はしなければなりません。癌で死んでしまうと言う不利益を解消したいからです。
それから、何かの治療をされていたのかも知れません。治療であればその治療が終わるまで胃カメラは終われません。
難しいですが、なかなか医療行為は一般化できません。
しかし、私は鎮静賛成派なので必ず鎮静します。患者さんが痛い!苦しい!と言われているのに、検査を続ける精神力?はないです(そう言う時もあるんです)。それから、一応救急専門医なので、呼吸が止まった場合の対応も自分でできますので、、、、、
分かりやすく言えば、鹿児島から東京へ会議のために行く事を考えます。以下のような方法があります。
・歩いて行く
・泳いで行く
・自分は行かないで誰かに行ってもらう
・車で行く
・新幹線で行く
・飛行機で行く
・ネットで会議をする
・郵便でやりとりをする
どれも正しく、どれも間違いです。現在は飛行機で行く事になるでしょうが、値段が高い(歩いて行けば途中の食費とか宿舎を考えたら高いかも?)ですし、確率は低いです(400年毎日乗って1回遭うか遭わないかと言う確率だそうです)が、事故に遭って死ぬかも知れません。
車で行けば運転も、乗っているのも大変です。やはり事故があるかも知れませんが、死ぬ確率は飛行機よりは低いです(発生率から考えれば車の方が危険かも知れません)。
ネットで会議をすれば、事故にも遭いませんし、問題なさそうですが、情報が漏れるかも知れませんし、やはり実際に会わないと難しい事もあるでしょう。
郵便でやり取りでは、、、、、仕事にならないでしょうね。
余計分かりにくくなったでしょうか?
胃カメラを受けたのですが、痛くてたまらなく、痛いと訴えたのに、担当医は「そうですか〜」と言って痛みをとってくれなかったと言うお話でした。
コメントでも書きましたが、直ちにこの医師がひどいと言う風にはなりません。診療は色々です。
一般的な事は言えます。胃カメラ(に限りませんが)は、患者さんに重大な不利益を起こさないようにすべきであると言う事です。
重大な不利益とは、、、、
まず何故重大と付けるのかと言う事です。「不利益が全くないようにする」と言うのは理想ですが、全くなしにする事は多分無理です。お金のない人にとっては、胃カメラをする費用は不利益でしょうし、忙しい人に検査前、検査中、検査後も病院にいて頂くのは不利益でしょう。よって、重大な不利益がなく、出来るだけ利益が出るように、、、、と言う事になります。
患者さん側からすれば、もちろん苦痛がゼロの検査が良いでしょう。あるいは検査をしないですめば、それも良いです。
しかし、医師側からすれば、色々あります。
まず検査の必要性です。食欲が低下しており、癌家系で体重も10kg位減っている、、、等と言う人は、癌を否定したいので、胃カメラ(胃透視と言う別の検査もありますが)を必ずやりたいです。しかし、検診目的とか、少しお腹が痛いので念のため、、、、、と言う場合には、明らかに先ほどよりは検査の必要性は低いです。
検査の必要度が高い場合、苦痛があったとしても、実施しなければ患者さんに不利益となります(癌だったら死んじゃいます)。必要度が低ければ、苦痛があったら中止しても構いません(が、癌である可能性は否定できません)。
検査の必要度をどうとらえるか、、、、これも医師によって様々です。この年齢で癌で手遅れになっても、いや、今癌が見つかっても手術出来るか分からないし、、、、良いんじゃない?と言う先生もいれば、いや、年齢は関係ない!と言う先生もいます。
それから鎮静の危険性です。鎮静剤と言うのは、ボーッとして眠ってもらう注射です。苦しさをとってくれます(前後の記憶もない場合が多いです)。良いじゃないかと思いますが、呼吸が止まって死んでしまう人もまれですがいます。検査で死んでしまってはいけません。例えば、検査中に呼吸が止まって大変な事になる経験を数回した先生がいれば、絶対鎮静はしない!と言われても納得できます。
こう言った色々な要素を個々に判断して検査を予約したり、検査中に中止したり、続行したりしています。一概にどうとはいえません。
コメント頂いた方の場合、担当医が癌を強く疑っていた、あるいは癌を否定しておきたいと言う場合であれば、どんなに患者さんが苦しがっても検査はしなければなりません。癌で死んでしまうと言う不利益を解消したいからです。
それから、何かの治療をされていたのかも知れません。治療であればその治療が終わるまで胃カメラは終われません。
難しいですが、なかなか医療行為は一般化できません。
しかし、私は鎮静賛成派なので必ず鎮静します。患者さんが痛い!苦しい!と言われているのに、検査を続ける精神力?はないです(そう言う時もあるんです)。それから、一応救急専門医なので、呼吸が止まった場合の対応も自分でできますので、、、、、
分かりやすく言えば、鹿児島から東京へ会議のために行く事を考えます。以下のような方法があります。
・歩いて行く
・泳いで行く
・自分は行かないで誰かに行ってもらう
・車で行く
・新幹線で行く
・飛行機で行く
・ネットで会議をする
・郵便でやりとりをする
どれも正しく、どれも間違いです。現在は飛行機で行く事になるでしょうが、値段が高い(歩いて行けば途中の食費とか宿舎を考えたら高いかも?)ですし、確率は低いです(400年毎日乗って1回遭うか遭わないかと言う確率だそうです)が、事故に遭って死ぬかも知れません。
車で行けば運転も、乗っているのも大変です。やはり事故があるかも知れませんが、死ぬ確率は飛行機よりは低いです(発生率から考えれば車の方が危険かも知れません)。
ネットで会議をすれば、事故にも遭いませんし、問題なさそうですが、情報が漏れるかも知れませんし、やはり実際に会わないと難しい事もあるでしょう。
郵便でやり取りでは、、、、、仕事にならないでしょうね。
余計分かりにくくなったでしょうか?
詳しく検査医療について説明頂き 有難うございます。患者の状態 担当医 各々の状況で違う(変わってくる)-と一応は解釈しています-が…。 検査では最悪(激痛)を経験した-という事と その病院では検査前に薬を選択出来るとかの説明は無かった事-です。病院によって-状況によって薬を使わない事も理解しています。内視鏡検査は胃と大腸と検査経験がありますが 激痛があったのは大腸検査です。どちらも異常は認められませんでした。―この場をお借りして患者の立場から言わせていただきたいと思います―PC画面・カルテ等に釘付けで(時間に追われ)患者の方に視線を向けて頂けないドクターもいらっしゃいます。患者は視線を合わせて欲しいと-待っていると思います…
by クランケ (2011-07-08 13:20)
この記事を読んで、医師患者双方の言い分がわかり、とても参考になります。
電子カルテを導入した病院に初めてかかった時、先生は画面ばかり見てこっちを見てくれない、冷たいと感じました。
でもこちらのブログや他の先生のブログなどを読むうちに、事務員がやるような入力作業を診察と並行してやってる先生も大変なんだなぁと、理解できるようになりました。
今では先生が入力している時は、打ち終わるまでじっと待ってます。
診察になると笑顔で対応してくれたりもするので、決して冷たいわけじゃないんですよね。
私も仕事でずっとパソコン使ってますが、社内の人なのに忙しくしている時に話しかけられると、イラっとするときあります。
ましてや不特定多数の人との会話、入力、診察とこなす先生は本当に大変そうです。
医師も働く一人の人間ですからね、何でも聞いてくれる神様じゃありません。
患者が自分の価値観で良し悪しを決めるのは、危険だと思います。
長くなってしまい、すみません。
by 小桜 (2011-07-08 14:52)
クランケさん、コメントありがとうございます。
痛かったのは大腸だったんですね、、、、すみません。大腸ファイバーは、どんなに上手な医師がやっても数%の人は痛みを訴える検査です。よって必ず痛み止めを使うように習いました。
が、痛みがあると言う事はカメラが変な風に入っていたり、腸の癒着がはがれそうになっていたり、とにかくあまり良い傾向ではありません。よって、患者さんが痛いと言う事が大事な所見であり、痛み止めを使うのは良くないと言う先生もいます。
だったら、やっぱり痛みが強い時には、検査を中止するべきではないかと思います。
パソコン画面を見ないで、、、と言うのはおっしゃる通りです。気を付けます!
by Kim (2011-07-08 17:05)
小桜さん、理解して頂きありがとうございます。
そうです!これに着いては記事にします!!
by Kim (2011-07-08 17:11)
こんばんは^^
私は今のところ、内視鏡検査は受けたことがないのですが、実際受ける時、やっぱり痛いのも苦しいのもいやですね。。
もし説明が無ければ、こちらから先生に使ってもらえないか?とお願いするかもしれません。
以前交通事故に遭い、外傷性(肋骨骨折)血気胸で胸腔ドレナージを処置していただきました。その処置がとにかく激痛で・・・。
例えると胸の中に手を突っ込まれて、肋骨をボキボキおられているような痛みでした。
頭を打っていたせいか(脳挫傷でした)、薬を使っていただいていたのかは分かりませんが、意識が戻ったり落ちたりを繰り返していて、ちょうどドレーンの処置中に意識が戻った時の痛みが半端なものではなく、言うつもりは無かったのですが意識が落ちそうになった瞬間「痛い、、やめて」と言ってしまいました。その時の先生は「もうちょっとだから頑張ろうね」と言って下さり、私は「そうだよね。。必要な処置だもん・・途中でやめられないよね・・・」と思いながら、また深い意識の底に落ちていきました。
痛いと患者側が言っていても、必要であれば心を鬼にしてでも続けなければならない医師や看護師さんの立場を考えると、本当に大変だなぁと思います。
長くなってしまい申し訳ありません。
by ふーこ* (2011-07-08 22:13)
ふーこ*さん、コメントありがとうございます。
大変な経験をされているんですね。痛みは出来るだけとりたいですよね。どうしても我慢しなければならない場合もあるでしょうが、、、、
胸腔チューブの痛み良く覚えておきます。
by Kim (2011-07-08 23:43)
一番痛かったのは、骨折の徒手整復です。
あまりの痛さに思わず叫んでしまう程でした。
いきなりやらないでよ…とも思いましたが、もし『さあ今から引っ張りますよ~』と言われたら、身構えてしまって却って痛いかもしれませんね。
医師にもいろいろ考えや事情があってやっておられるのでしょうね。
by 崇 (2011-07-09 09:29)
崇さん、コメントありがとうございます。
そうですね。痛い事をするよ〜と言うとかえって痛いと言う噂もあります。
出来れば痛み止めをしてからやりたいですね。
by Kim (2011-07-09 21:26)