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やけどの治療(その2) [医学関連]

 前回の記事で色々コメント頂きありがとうございます。

 前回の続きです。2010年心肺蘇生のガイドラインには、応急処置の項目もあります。今回はそれを紹介しましょう。

 2010年のCoSTRのFirst Aid(病院の外などの応急処置)の所に記載がありますので紹介します。原文は英語ですので日本語訳を。

 まずしつこいですが、CoSTRはILCOR(国際蘇生連絡協議会)と言う所が出した全世界の蘇生のガイドラインの元となる文書です。

・熱による皮膚の熱傷
科学に基づくコンセンサス
 LOE5の28つの動物実験、LOE3の5つの研究とLOE4の4つの研究から得られたエビデンスによれば、熱傷を室温の水(15−25度)で30分を越えない範囲で冷やすことは、痛み、熱傷の深さ、植皮の必要性を減らす事が分かっている。LOE4の1つの症例研究とLOE5の5つの動物実験によれば、熱傷を氷や氷水で冷やす事は組織の損傷を増強させる。


推奨される治療
 出来るだけ早く水道水で熱傷部位を冷やす事が推奨されるが、受傷後30分を越えない範囲にする。特に小児では低体温を来す可能性があるので、広範囲の熱傷は体温のモニターをせず冷やすべきではない。氷や氷水で冷やす事は推奨されない。

今後の課題
 広範囲熱傷での冷却の意義は?熱傷が広範囲の時にどんな冷却を行うと低体温の危険が高まるのか?熱傷の冷却法としてジェルを用いる事は水道水よりも利益があるか?熱傷を冷やすべき時間は?

・水疱
科学に基づくコンセンサス
 
LOE2のヒトでの研究、LOE4の2つの研究、LOE5の1つの研究、LOE5の4つの動物実験によれば、熱傷による水疱をそのまま残す事は治癒を促進し、痛みを減らす事が示されている。

推奨される治療
 熱傷の水疱はそのままにしておくべきである。

今後の課題
 水疱を残したり、取り除いたりすることにより、今推奨されている閉鎖療法の利益があるのか?

 よって、やけどをしたら水疱を破らず、水道水で冷やすべきと言う事です。氷で冷やしてはいけないと言うのは知りませんでした(+_+)。不勉強でした。

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Kim

愚直徹一さんからコメントいただきました。ありがとうございます。

http://www.ilcor.org/en/consensus-2010/costr-2010-documents/
の中の「CoSTOR ERC」の中には、
Kim先生がご紹介されていたFirst aidの内容は書かれていません。

「CoSTOR ERC」の中で、ERCは、AHAとアメリカ赤十字の
「First aid」のレビューに関して、
以下のように説明しています。
In conjunction with
the International First Aid Science Advisory Board,
the AHA established an additional task force
to review evidence on first aid.
This topic is summarised in Part 13.
The evidence review followed the same process
but was not part of the formal ILCOR review.

first aidに関しては、BLS,ALS,PALS,NRPと違って、
ILCORの公式なレビューではなく、
AHAとアメリカ赤十字が独自に
勧告しているものではないかと思います。
以上、例の如く枝葉末説な話でした。

by Kim (2012-09-25 09:18) 

Kim

愚直徹一さん、コメントありがとうございます。

確かにおっしゃるとおりかも知れませんね。CoSTRも13章のファーストエイドは別になっていますね。

ご指摘ありがとうございました。

by Kim (2012-09-25 09:23) 

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