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死亡宣告はゆっくりとします [医学関連]

 前の記事の欄外編です。

 人が死亡したと言う事を決められるのは原則医師のみです。よって、死亡診断をする事は、医師の重要な仕事の一つです。研修医の時に教わる事の一つは、「ご臨終です」と言うのは少し待つようにと言う事です。理由はただ一つです。ご臨終ですと言った後に患者さんが動く事があるからです。

 前の記事にあったように、心肺停止に陥っても、しばらく呼吸をする事があります。この呼吸は死戦期呼吸と呼ばれており、手足なども動く事もあります。突然倒れて助けなければならない人であれば重要なサインですが、癌の末期とか、もう助からない、、、と言う人にとっては、心臓が止まっているか、止まる寸前という事であり、医師にとっては意味のない現象です。

 しかし、家族にとっては、まだ生きているじゃないですか!という風に見えます。「いや、これはこれこれであって、意味のある呼吸ではありません」と説明しても、、、、、なかなか納得してくれる人はいません。最後の最後に主治医として信頼を失ってしまう事もあるのです。

 よって、心電図がフラット(まっすぐになった事をそう言います)になったからと言って、すぐに患者さんの所へ行って死亡宣告をしてはいけません。いつ亡くなったかによって遺産相続とか問題になる事もあるのでしょうが、私はそう言う事には遭遇した事はありません。
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